【感想・ネタバレ】素数はなぜ人を惹きつけるのかのレビュー

あらすじ

“数の原子”とも言われる素数は、数学者・科学者を魅了してやまない。 素数とは、1と自分自身の他に約数を持たない数のこと。 この数字は実にミステリアスで、2、3、5、7と現れたかと思えば次は11。出没が気まぐれなのだ。 人類はこの数の規則性を明らかにするために、途方もない研究の歴史を積み重ねてきた。 なかでも数学史上最大の難題である「リーマン予想」は、素数の出現規則の解明のための最大の鍵。 それがわかれば、この宇宙の構造までも見えてくるという――。 本書では文系にもわかりやすく奥深い素数の世界を解説する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

やはり、竹内薫氏の著書は、ぼくにとっては消化不良。導入の話題と、応用編のトピックが書かれていた。竹内氏の著書をたくさん読んできて、わかりやすくて、いいと感じる。応用編トピックも書かれて面白い。幅広い知識を持っていて、わかりやすい表現(口語すぎて読みずらいところもあるが)を使うサイエンス作家なので、読んでいて引き込まれていく。

しかし、導入編と応用編をつなぐ理論をもっと盛り込んでほしいと感じる。これを導入書として、他の専門書を読めばいいようにも感じるが、専門書になった途端に、専門バカが書いたような解りにくい作りになっている。竹内氏にもぜひ、導入と応用をつなぐ本を書いてほしい。

応用トピックはトピックとしては面白いが、その理論・根拠が物足りない。自分の中では、数学的根拠が見つからないまま、消化不良に終わってしまった。出会いがあれば、もっと専門に理論が詳細に書かれた本を読みたいと思う。

トピックの中で、日本人の思想として”理屈より実践”という文化が書かれていた。だが、基礎科学(理屈)の上に実践が成り立っていることは理解してほしいと願う。

また、素数に絡めて、生命科学の遺伝情報について書かれていた。遺伝情報自体に素数は関係ないが、データの暗号化に素数が使われていて、そこに特許は適法なのかという課題が書かれていた。素数も遺伝情報も、自然界にもともと存在するものだが、見つけて使ったものに特許が適法とされるのかという課題。

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2016年07月21日

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