あらすじ
そうか、そこが“問題”だったのか! ロッテ、エステーなどの日本企業から、コカ・コーラ、ルイ・ヴィトンなどの欧州名門ブランド、さらには「箸」や「桶」の伝統工芸職人まで――いま世界が最も仕事をしたがる「問題発見プロフェッショナル」佐藤オオキが明かす、問題を発見し、アイデアを出し、解決するための思考術。
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Posted by ブクログ
どちらかというと非デザイナー向けの本という印象でした。
「できごと→デザイン論→それを使ったプロジェクト」という構成で
サクサク紹介している感じです。
情報が整理されていてとても読みやすいです。
読み手のことを考えて「デザイン」されているような感じでした。
難しいことばを使わず、ちょこちょこユーモアも挟んでおり一気に読める内容でした。
自身のプロダクトも多く紹介されていて佐藤オオキが世界に通用するすごい人であることがわかります。
個人的には、アップルの社内デザイナーはレベルが高くない。というような表現をしていたことがちょっとだけひっかかりました。
私はジョナサン・アイブも好きなのでちょっとだけ悲しいです。
第一線で活躍するデザイナーから見たらそう思うのかもしれません。
ただ、双方共にデザインにおいて「親しみ」を重視しているという共通点も見つかったのでそこは良かったところです。
以下ネタバレです。
■本をゆっくり二度見するのがおすすめ
反復することで、2回目以降で気づくこともたくさん出てくるとのことで
雑誌でも読むのにすごい時間をかけるそうです。
■蜂の脳は自分の役割によって脳の仕様自体が変化してしまうらしい
(人間もそうなのかもしれませんよね。後天的な才能も多いような気がします。
特にデザインの分野は「考え方」なので鍛えることができるかもしれません。)
■デザイナーで仕事をもらうならキャラ系がおすすめ
あの人はシンプルなのが得意、あの人はゴージャス系などキャラ立ちしていれば認知されやすい。
が、飽きや似たようなタッチの人が出てくるリスクがある。
■掛け合わせにもコツがある
AとBのハイブリットを最初から狙うと中途半端になるリスクが高くなるので、
1つに集中して、結果的に2度美味しいみたいなプロジェクトのほうが美味しい掛け合わせになる。
■モノにこだわりがない
(意外でした。youtubeとかでデザイナーの私物紹介とか見るの好きなんですけど、
佐藤オオキは特にないようだ。かっこいい。最近は違うのかな。ちょっと前webでみたらこだわってる感じあったけど。)
■リニューアルとリデザインの違い
そもそも、パクることに対する感覚は国によって違うようです。
リニューアルは同じ商品を改良すること
リデザインは目的やターゲットを変えたりすること。
■オリンピックについて
2014年の本なので今から準備。
とかの話ですが、
日本人が広場や大空間に集まって盛り上がることに馴染みがないとのこと。たしかに。
お祭りも神輿も町を歩くイベントだし、「移動」を目的として楽しんでいるんじゃないか説。
東京ディズニーランドのパレードを喜ぶ民族も特異らしい。
(ハロウィンとかサッカー時の渋谷とかそんな感じですよね。)
■友達のオカンに伝えれるか
デザインは「素人目線」を持ち続けられるかが大事で、いいアイディアを伝える力がいります。
(どっかのメディアでみたへべれけでもわかるデザインを!みたいなのに似てる。)
■日本企業の特徴
「見る人が見ればわかる」「いいものさえ作っていれば売れるはず」みたいな考え方が多いらしいです。
(最近知り合いの零細企業の社長が全く同じようなこと言ってて納得した。)
が、海外は逆で「売れるものがいいもの」くらいの感覚らしいです。ただ正しいかは謎です。
■「シェフ」じゃなくて「主婦」にもならないと
「高級食材をキッチリと調理する」のも大事ですが、
今は「冷蔵庫のあるもので献立を考える」ことに需要がある時代です。
■デザイナーに向いてる人
根気強さ、伝えるコミュニケーション能力、
そして例え話が上手か。らしいです。
(たしかにオオキさんの例えはめっちゃわかりやすい)
■1%のデメリットも伝える
デメリットを伝えた方が信頼をされることが多い。
■仕事は楽しいものか
仕事はつらい。が、後から振り返ると初めて「楽しみ」を感じれるものなのかもしれません。
(高校の部活に似てるなって思いました。私は帰宅部だったけど。)
■職人型ではなく発想型からブレークスルーが生まれる
仕様にそって100%を作る→職人型
ざっくりしたイメージから企画からデザインをつくる→発想型
日本企業は高度経済成長期のインハウスデザイナーが多数養成されたため職人方がほとんどです。
Posted by ブクログ
デザイン・アイデア・ひらめきに関する本
毎話オチをつけているのは苦笑いだが、本質的なポイントが多数語られていて、非常に良き本。
メモ
・制約を崩すことでアイデアにバリエーションを。
・誰も見たことないものは誰も求めていないものと紙一重。理想は、本来そこにあるはずなのになぜかないものを補充するくらいの感覚
・アイデアが記憶に残る条件 ポジ+ネガ
・妄想ブレスト。他人事を自分ごとに。自分がデザイナーならどうするか。同相手の身になれるか。憑依力
・振り切った2つの選択肢を出すことが重要。中庸は何のゲインもなくなってしまう。
・今までありそうでなかったもの。新しいけど身近に感じられるもの
・思考の自由を受け手に提供することがデザイナーの役目
・当たり前を疑うフィルター。当たり前、普通は存在しないはず。
・リニューアルとリデザインの違い。正しい栄養と運動で体内から美しくすることがリデザイン
古いものから本質的な価値を正しく抜き出せて生かせているか。新しいターゲットを生み出しているか。
・差別化には相対評価から離れることが必要。他者比較でなく、自己中になること。
・重要なのは直感的にいかに伝達できるか。素人目線をいかに持ち続けられるかというのとでもある。
Posted by ブクログ
・何か問題はないかな。みんな本当に満足してるかな。と常々思う。
・例えばマウスの新しいデザインを考える時に、マウスばかりを見てしまうと、ありきたりの切り口しか思いつかない。中心視はそれ以外のものを無視するので、周辺視で認識する事で違う切り口が生まれるかも。
・違和感に日々気づき続けることが大切
⇨スーツをハンガーに掛けるとき、上着から掛けるとパンツが掛けられない。
・妄想で憑依力を磨く。自分がこのデザイナーだったらこうしてたよなとか。アイデアの起点になったり、新しい視点を得るきっかけになる。
・ものごとをグレーに見る。全肯定もしないし全否定もしない。そうすると良いとこどりが出来る。
・アイデアを形にするには、早めに判断して間違えることと、2択に絞り込むことが大切。一つしか選択肢がない時は、もう一つ選択肢を探す。
・選択肢の2択は両極端にする。
・課題が出た時、それをそのまま受け入れないこと。そもそもなぜその課題に至ったのか、ことの発端を見ることで、糸口がみえてくる。
・デザインの正解は不安と安心の狭間にある。
・対戦相手のことを何も考えずに好きな球を投げるのはダメ
・当たり前のものなど存在しないと考える
⇨箸は二本とか。そういうフィルターを数多く持つことで何かをすくいとる。
・ここだけは守りたいということをワンワード、ワンメッセージで伝えつづける。
Posted by ブクログ
「問題解決ラボ」は、目に見えない問題を発見し、アイデアを出し、解決するための思考法のコツを、佐藤オオキさんの体験を交えながら書かれている本。
自分はコンセプト企画などの上流からあまり参加する機会が今はまだあまりななく、今すぐ使えるかといったらそうではないが、一流の人の考え方に触れておきたいと思い購入。
「問題を必ず解決する方法」を見つけるのではなく、「必ず解決できる問題を見つける」というのがとても印象的だった。
Posted by ブクログ
デザイン事務所、nendoを創設し、様々な業界の有名企業とコラボしたデザインを作り出している著者が、デザイン目線で色々な問題を発見し、解決策を紹介した本。
デザイナーに限らず、他の業種でも役立ちそうな発想、考え方も多く、参考になるが、オヤジギャグっぽいことや少し上から目線的な部分も感じた。
Posted by ブクログ
■感想
新進気鋭のデザイナーがどんなことを考えているのかが良くわかる。自分を含め会社員には馴染みのない職種の方だけに、新鮮です。ただ書かれていることは一会社員にも応用可能と思えるほど抽象化して書かれています。
■心に残った項目
人が理解できる4つの階層 数字data>トレンドtrend>文化(しっくりくる)culture>人間的な感覚human(なんかわかる)
クライアントをストレッチさせるボールを投げる。120%力を出さないと届かない要求をすることで一体感をつくる
コストがかけられないときこそ、デザインがカンフル剤になる
デザイン事務所は職人型と創造型。ブレイクスルーは企画開発、製造、広告、コンセプトのトータル提案の創造型からのみ生まれる。
メッセージはギリギリまで削ぐ。その人以外にも妥当するメッセージでは絞り込みが甘い。
クライアントにどう見られているか、どう見られたいかを明確にしてもらう。●●業界なら?を使う。消費者目線で思考してもらう。
しむくりくるかどうかの基準は、日本と西洋では違う。
クライアントの誰にも負けないいい所を見つけ出す。
クライアントには1%のデメリットも残らず伝えて、信頼を得る。
デザイナーはあらゆる物事を視覚化する役目。模型化することでクライアントとのギャップを回避できる。視覚化はありものネットの画像検索のイメージでOK。
デザイナーはわざと裏切って思考の自由を届ける。っぽくないを届ける。
組み替え、リデザインも立派。化粧するだけのリニューアルではなく。リデザインは昔のアイデアをブラッシュアップすることで、優秀な遺伝子のみ抽出して組み替えること
リニューアルで終わらせないためのチェックポイント。1 古いものの中から本質的な価値を正しく抜き出せているか? 2 新しいターゲットを生み出しているか
点のプランニング、面のプランニング、線のプランニング。点は一点突破の挑戦者、面は都市計画のようなトータルプランニング、線は既存の成功したものを線でつなぐもの
日本企業が差別化できないのは、相対評価しかしないから。絶対的な価値を生み出してこそ、差別化できる。自己中に絶対的な価値を追求してみる。それによりアップルのように狂気宿るものが出来上がる。
デザインは逆算、マーケティングは過去の積み重ねを今どう見せるか。両方を使いこなす
ひらめき体質。ルーティンを使い、変化を減らすか、環境変えるか、人それぞれ。脳が快適を覚えるスイッチを用意しておく。
アイデアは出すよりも、ウンチみたいに出る感覚。コンスタントに出していくことが大事。なので、チマチマメモを使っていく。
アイデア出すため、妄想ブレスト。他人ごとを無理やり自分ごととする憑依力。これが新しい視点につながる。
ストレス感じるのは今考えていること以外のことが頭に残っているから。
必要、不必要なかったとしたらと考えて、やっぱり必要だとする。ウラのオモテはただのオモテとは一味違う。
早めに間違えるために、とりあえず2択にする絞り込むスキルが大事。この2択は両極端のもので軸を見つける。それでも迷ったら最初に正しいと思った方か、難易度の高い方が正解。
右脳と左脳を使い分ける
誰も見たことがないものは誰もいらないものと紙一重。本来そこにあるはずがないものを探す。ありそうでなかったはふとした不便から見つける。シリコンのライムケース
無茶ぶりされるということは何かしら期待されている証
来た来た来たと思ったチャンスは実はチャンスではない。めんどくさいことにこそチャンスはあるので、全力でトライすること。チャンスは訪れる、それを認識して、掴む。訪れる回数は人それぞれ。