あらすじ
過酷とも言える環境対応技術開発、燃費改善要請。会社存続の危機の中、エンジン技術だけでハイブリッド車並みの超低燃費を実現したマツダSKYACTIV。他社に比べて圧倒的に少ないリソースで、なぜ実現できたのか? そこにはどんな発想力が秘められていたのか。究極のエンジン開発を指揮した著者がその秘密を明かす。
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Posted by ブクログ
研究者としてものづくり業界にいるものとして勇気をもらえとても共感できた。この時代にこんなことができた人見氏を尊敬します!(講演で直接話を聞いたときは胡散臭い感じでしたが(笑) それにしても残したい言葉がたくさんあった。マツダは間違いなく生まれ変わっている。自分たちもこうなりたい。以下目次のタイトル。
・答えは必ずある
・マツダ存続の危機
・「できない」とはいわない
・強烈な反骨心でソリューションを探る
※俯瞰し問題を見抜く力
・答えはいつだってシンプルである
・常に全体最適を考える
特に※の章からいくつか言葉を残しておくことにする。
・時には極端なことをやってみる
・まさにロードマップが私たちを導いている
・世界一を目指さなければサラリーマンだって面白くない
・自分で誇れる仕事をするしかなかった
・ヘッドピン探し
・「私の専門にはこれだけの広がりがある」と自分カタログに書こう
・いかに共通課題を見つけるか、そしてシンプルに答えを見出すか
・ロードマップを示してメンバーに道を教えるのがリーダーの役目
・もう少し他の部門の仕事も近いして協力できないだろうか
・後追いの対症療法ではなく根本的治療法は何かを考える
・あらゆるシーンなど想定できるはずがない、だから共通の課題を探す
・負けず嫌いならば他人にとやかく言わずに自分を磨け
・商品開発と先行開発のバランスを逆転させれば強い組織となる
「商品開発・量産開発はやると決めた製品を開発し量産する部門だからそれはいかに効率よく少人数でこなすかという事が重視されるべきだ。そのかわりむしろ将来に向けた先行開発に優秀な人材を配置すべきなのだ・現状から言えば逆三角形になるそうした組織こそが開発重視の会社では正しい。いい会社の条件と言っていいはずだ。」
・道を知っていれば迷わずに済む
・代替可能が受け入れられる強さが欲しい
・ヘッドピンがわかったら自分たちが制御できる因子を見極める
・全体像が分かれば進むべき方向性も自分のポジションも見えてくる
・究極の姿を描きそこに近づいていく
・ロードマップに沿ってまだまだ挑戦の連続なのだ
Posted by ブクログ
2015年の22冊目です。
マツダ株式会社常務執行役員の人見光男さんの書かれた本です。
先行技術開発が長く、提案した技術が商品化を担当するエンジニア達から受け入れてもらえないという経験を何度もされています。私も新入社員の頃に在籍した先行技術開発チームで、担当していた技術が取りあってもらえなかった経験があります。人見さんは、何度もそれを経験されていながら、技術を開発することに対して”諦める”ということが無かった。その粘り強さが会社を救うエンジン技術の実現に繋がったと感じました。またもう一つ、”ヘッドピン”と名付ける複数の問題に共通する課題を見つけて、それを解決していく仕事進め方が、様々なリソースの少ないマツダ流の「選択と集中」という考え方が、仕事を成功へと導いたと強く感じました。
感謝の気持ちを込めて本書中に揚げられた社員の中に、
研究室の一年先輩と一年後輩の名前があり嬉しかった。
Posted by ブクログ
「大きく振ってみる」
誰もまだ見ていない世界にいち早く踏み込む。
「後追いの対症療法ではなく根本的な治療方法」
理想のゴールを強くイメージする。
「ヘッドピンを探る」
山のようにある課題は本質的につながっている。
エンジン効率改善の7つの因子を理想に近づける。
CAEを強化し効率化。