あらすじ
強国晋を中心に大小いくつもの国が乱立した古代中国春秋期。気儘な君公に奸佞驕慢な高官たちが群れ従う斉の政情下、ただ一人晏弱のみは廟中にあっては毅然として礼を実践し、戦下においては稀代の智謀を揮った。緊迫する国際関係、宿敵晋との激突、血ぬられた政変……。度重なる苦境に晏弱はどう対処するのか。斉の存亡の危機を救った晏子父子の波瀾の生涯を描く歴史巨編。
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Posted by ブクログ
随分前に胸を躍らせて読んだ記憶がある。マンガで三国志を読んだ勢いで、再度「晏子」を読むことにした。時代は春秋時代。諸葛亮孔明の生まれが181年、晏弱(父)の生まれが紀元前556年ということなので、この本の舞台は、三国時代から遡ること700年くらいだということになる。
春秋時代中期に大国と呼べる国は、秦、晋、楚、斉の四国で、本書の主人公晏子はその斉の人である。ただし、本書はその父・晏弱の活躍の時代から描いている。
第一巻の主役は父・晏弱。斉の当時の君主・頃公の品のない外交上の悪戯が晋との間に確執を生じるもととなり、その尻ぬぐいにかりだされたのが、本書での晏弱の最初の役割だった。
晋の郤克の怨念の種を蒔いたのは、晋の頃公なのだが、その郤克の執念深さもまた強烈で、その両国のプライドをかけた戦いに、斉の側で戦いを進めたのが晏弱あった。
彼の勇と智、そして人を引き付ける魅力で、読者としては、どうしても斉びいきとなっていってしまう。
子の晏嬰の誕生に触れられたが、まだその片鱗は紹介されていない。