あらすじ
就職活動生の群像『何者』で戦後最年少の直木賞受賞者となった著者。初のエッセイ集では天与の観察眼を縦横無尽に駆使し、上京の日々、バイト、夏休み、就活そして社会人生活について綴る。「ゆとり世代」が「ゆとり世代」を見た、切なさとおかしみが炸裂する23編。『学生時代にやらなくてもいい20のこと』に社会人篇を追加・加筆し改題。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
話題になっていたので読んでみた。
朝井リョウさんの小説は、気になりながらもまだ手に取れていない。
ほぼ同世代ということもあり、当時のブームや学校生活などで似たような経験があるな…と共感しながら楽しく読めた。
100キロハイキングや京都まで自転車で行ってみるなど、とにかく「面白そう」と思うことに対して行動力があり、フットワークの軽い方なんだなぁと思った。
個人的に笑えたのは、お腹を下して民家に駆け込む話。
「もしおじさんが私を不審人物だと見なしトイレの使用を断っていた場合、私は絶望と共に脱糞し本当の不審人物になっていただろう」
というフレーズ笑
これ以外にも、さすが作家さんというべき面白おかしい言い回しがたくさんあって楽しかった。
ジーンときた章もあった。
朝井さんが「1番カッコつけて書いた」というエッセイ「ルーレットの目」。
この中に出てくる、当時小学生だった朝井さんが書いた小説に対して3枚分の便箋にびっしり感想を書いて渡してくれた先生の話だ。
いつもの日記に対する返事は赤ペンなのに、その便箋には黒文字で、丁寧に書かれていたというところにもグッときた。
教師になるべくしてなった方なのだと思う。