あらすじ
明治維新後、新政府の急務は近代国家を支える官僚の確保・育成だった。当初は旧幕臣、藩閥出身者が集められたが、高等教育の確立後、全国の有能な人材が集まり、官僚は「立身出世」の一つの到達点となる。本書は、官僚の誕生から学歴エリートたちが次官に上り詰める時代まで、官僚の人材・役割・実態を明らかにする。激動の近代日本のなか、官僚たちの活躍・苦悩と制度の変遷を追うことによって、日本の統治内部を描き出す。
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Posted by ブクログ
明治維新後、新政府の急務は近代国家を支える官僚の確保・育成だった。当初は旧幕臣、藩閥出身者が集められたが、高等教育の確立後、全国の有能な人材が集まり、官僚は「立身出世」の一つの到達点となる。本書は、官僚の誕生から学歴エリートたちが次官に上り詰める時代まで、官僚の人材・役割・実態を明らかにする。激動の近代日本の中、官僚たちの活躍・苦悩と制度の変遷を追うことによって、日本の統治内部を描き出す。
第一章 維新の時代 誰が統地を担うのか
第二章 明治政府の人材育成
第三章 立憲の時代
第四章 帝国憲法制定前後
第五章 憲政の時代
第六章 大正デモクラシー下の人材育成
終 章 統治と官僚の創出
骨太の1冊。350ページ余りの大著であるが、退屈することなく面白く読める。明治維新以降、国家がどの様に人材を育成して来たのかを丁寧に追っている。二君に仕えずといったメンタリティーを持った武士が、主君を変え天皇に仕える事になるが、出身藩の代表者として競い合い、海外留学を経て指導者となる。当初は藩閥主体であったが、国会の開設、政党政治の始まりにより、官(藩閥)と政(政党)がせめぎ合うこととなる。やがて官僚たちにも政党の色が付き初め、政権の交代に伴い大幅な人事異動が行われるようになる。本書を読むことにより、維新官僚から学歴エリートへという大きな流れを知る事が出来た。