あらすじ
仲村さんは26才のOLさん。
職場では女子力が高いと見られているけど、
実は女死力滾る「特オタ(特撮オタク)」!
オタバレが怖くて、一人ぼっちでコソコソしながら生きてるよ。
人目につかないフィールドのカプセルトイを求めて街をさすらったり、
一人カラオケで“特ソン(特撮ソング)”歌いまくったり…
ヒーローの言葉を胸に、今日も進むよ「特オタ」道!
「◯◯レンジャー」などに代表される、男児向けの特撮ヒーロー。
『トクサツガガガ』の主人公は、そんな特撮モノが大好きな26歳のOL・仲村さん。
特撮オタクを隠して生きる仲村さんがこっそり、しかし熱く楽しむオタクライフのあれこれ(カラオケで特撮のOPを熱唱したり、ガチャガチャに奔走したり)や、ジャンルを越えたオタク同士の友情など、一度でも何かにハマったことのある人が読めば、共感の嵐まちがいなし!
作中で「特撮ヒーローは子供に向けられた物語だからこそ、『優しい大人になりなさい』という思いがたくさん込められていて、大人になった今ハッとさせられる」というセリフがあるのですが、まさにそれ!
実際、日常でさまざまなトラブル(主にオタバレ危機)に直面する仲村さんが、特撮ヒーローの名セリフに勇気づけられながら困難を乗り越えていく様子は、コミカルだけど、なんでか毎回、ちょっと勇気をもらえちゃうんです。特撮にハマる気持ち、わかるかも。
『トクサツガガガ』は、酸いも甘いも経験してきた大人にこそ響く、オタク賛歌。
読めば読むほど、特撮ヒーローが観たくなりますのでご注意を!(笑)
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
周囲に「特撮オタク」としての正体を隠しつつ、オタク道をまい進する主人公仲村さん(女性26歳)。主人公の言動や行動に「わかるわ~」「(黒歴史に触れて)痛い、痛い…」となりながら、楽しく読み終えました。特撮の音楽CD、カプセルトイ、食玩、ヒーローショーなどのエピソードを交えつつ物語は進行し、吉田さんや、任侠さんなど徐々にオタク仲間が増えつつ次巻へ。
基本的に1話完結で、途中は追い込まれる主人公ですが、最後はハッピーエンドになるので安心して読めます。今のことろ、負けたのは実の母親のみです(あの母ちゃんは手ごわい)。
一番盛り上がったのは、仲村さん吉田さんの連絡先交換シーン。たぶん2巻以降には登場シーンないんだろうし、本人に自覚はないんだろうけど
「チャラ彦、グッジョブ!」
Posted by ブクログ
ドラマを見ていて興味を持ち読んでみました。
作者が特撮オタで、でもそれをそのまま描いても共感が得られないのでは
という担当者さんのアドバイスから、ではその部分を書こうということで
始まったそうです。
確かにネットではたくさん仲間がいるのに、会社などリアルの場では
何故か仲間に出会いにくいのは、隠れオタだからかもしれませんし
こうした切り口はちょっと新鮮で面白いです。
ドラマほどではないですが、仲村さんが恥ずかしいと思いながら
でもやめられないから、とオタクを続けているので
ちょっと自虐が過ぎるように感じるところはあります。
私自身オープンオタではないですが隠してもいないので
その局面なら言ってもいいのでは、そこまで隠さなくてもいいのでは
と思いました。
とは言え、「良い年をした大人なのにみっともない」というのを、
そんなことはないとストレートにはねのけるのではなく
みっともないと自分でも思っているからそう言われると傷つくけれど
好きなものは好きだし…というはっきり割り切れないところが
非常にリアルでもあります。
仲村さんのトラウマのせいとも言えるので、親やその記憶との戦いの物語でもあります。
「彼氏がいないなら出会いを探さないと駄目だからカラオケ行こう」。
言っている方は悪気はなくて寧ろよかれと思っているのでしょうが
男がいないと駄目な恋愛脳の阿呆と一緒にしないでくれ、と思ってしまいます。
別になんでも恋愛に結びつけたいわけではないのに
やたら女子力と言う人間といると疲れてしまうので、むしろ仲村さんは
そういった同僚たちともそつなく付き合っているように見えて偉いです。
『むしろ女死力』っていうのは言い得て妙で笑いました。
仲間を呼び合える『オーラ』、確かに私も欲しいです。
RPGのステータスアイコンみたいなのが出せたらわかりやすいのに
とよく思います。
リア友のオタ仲間は、社会人になってしまうと
オフ会などに参加でもしない限り増やすのが難しい気がしますし、
オフ会にしても吉田さんのように年齢や住んでいる地域などが障害になって
気軽に参加できないこともありますよね。
タイトルは特撮ですが、特撮オタに限らず
どのようなジャンルでもオタクをやっている人にとっては
身につまされるようなあるある話が多いのではないでしょうか。
今でこそ多様性という言葉が出てきてそうした考え方の方が正しい
という雰囲気になってきましたが、それでも親が子供に押し付けることはあるでしょう。
みんなと違うといじめられてしまう、目立ってしまう、と言われて
黒いランドセルを選ばせてもらえなかった経験、私もあります。
途中で転校して学校指定の持ち物がなにもかも周りと違ってしまったので、
ランドセルがみんなと違っても全く問題なかったのではと思いますが
親を説得するほどの熱量を当時は持ち合わせていませんでした。
それでも折りに触れ思い出します。
親は自分の考えを押し付けるのではなく、子供の考えを聞き
それによって問題が生じる場合はそれについて説明の上で
子供に選ばせて欲しいなと思います。
特撮の話を思い出して電車で席を譲るシーンがありますが
人間誰しも心の支えになるものがあって、
親の教えだったり好物の食べ物だったり、何某かの自分が好ましいと思うものが
日々の言動の糧になっていると思います。
それが特撮であろうがアイドルであろうが後ろ指をさされる必要はないと思うのですが、
理解を得難い趣味の場合色々と難しいですね。
しみじみと、私もオタ仲間欲しいな、と思ってしまいました。