あらすじ
時は幕末、京の都――。大政奉還を目前に控え、徳川慶喜暗殺未遂事件が起こった。幕閣から犯人探索の密命を受けたのは、坂本龍馬と新選組副長の土方歳三。しかし二人に与えられた時間は、わずか二日間だった。いがみ合い、衝突しながら捜査を続ける二人が最後に行きついた人物とは?そして龍馬暗殺の真相を知った土方は?幕末維新のオールキャストでおくる、傑作エンタテインメント長篇小説。
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Posted by ブクログ
あり得ない、けど面白い!
龍馬と土方が、組んで将軍暗殺未遂の事件に迫り、二人がいつしか相棒となる。
荒唐無稽のストーリーながら、良く練られた人物像と、時代設定を丁寧に描くことで、物語に魂と真実味が宿る。司馬遼太郎やおーい龍馬で好きになった龍馬と土方が持つ魅力と人物像を少しも損なうことなく、存分にこの物語世界で躍動させている。脇役たちも、しっかり描かれていて違和感ない。真実と見まごうごときの筆致で、心ゆくまで楽しめる。
『いいか、伊東。ひとつだけ教えてやろう。てめえが殺したのは坂本じゃねえ。この国の明日だ。てめえが斬ったのは、そういう男だったんだよ』
このセリフを、土方に言わせるか!もう、本当、たまらねえ!痺れる!
Posted by ブクログ
おそらく歴史小説が好きという人間は二種類に分かれると思う。史料を調べ上げて、スキのない史実を編んだ小説を好む人。それから、とんでもない設定だけど面白ければいいじゃないかという人。
私は時々前者が強く出てしまうけれど、後者に属する今作は大好きだし、面白かった。読み終えた時、満足した、と思った。
絶対にありえない、土方歳三と坂本龍馬が相棒となって将軍暗殺の犯人を2日で探せという内容のこの小説。
新選組ファンであり、それなりに知識もあるからこそ、面白かった。
犯人の意外性、そして最後の仕掛けに至るまで、うん、楽しかったし、面白かった。
Posted by ブクログ
今年の正月にNHKで『幕末相棒伝』というタイトルでドラマ放送されたもの。
ドラマ化をするというのを聞いてこの作品を知ったのだが、私はドラマを見るのは苦手なため、原作小説を読んだ。
坂本龍馬と土方歳三がコンビを組むという、考えただけでわくわくしてしまう設定で、とても面白かった。
水と油のような二人は、初対面では一触即発な空気を醸し出していたが、ともに「将軍暗殺未遂事件」の犯人を追っていくうちに、少しずつ信頼が生まれていく。
その過程が大変良く、何より二人の会話のキャッチボールが面白かった。
事件解決後、別れ際に龍馬は土方に向かって、
「わしゃ、あんたのことが嫌いではない」
「また会いたいもんじゃの」
と言うが、土方はこう返す。
「うるせえ」
「おれぁお前が気に入らねえ」
「明日以降お前のことを見つけたら、その時は容赦なく叩き斬る」
しかし二人の空気感は初対面のときとは随分と変わっており、土方の言葉も微笑ましく感じてしまった。
新選組や土佐藩の人物の他に、薩摩、長州、御陵衛士など、幕末期の有名人が数多く登場する。
私が幕末にハマっていたのは十年ほど前なので、その面々にとても懐かしくなった。
気になったところもいくつかあった。
展開がゆっくりで、事件の解決の仕方は少し拍子抜けしてしまった。
また、人物像が司馬遼太郎などの先人が作り上げたイメージを引き継いでおり、新鮮みは感じられなかった。
しかし二人のやり取りを見ているだけで楽しかったので、多少の引っかかりがあったもののあまり気にならなかった。
物語は戊辰戦争へと進んでいくが、そこでもハッと驚かされる展開が待っている。
そうだったら面白いな、という妄想を広げてくれる、とても夢のある作品だった。
読めて良かったと思う。
Posted by ブクログ
面白かった!
土方さんと龍馬の掛け合いが楽しい。
結局最後の最後で調査が打ち切りになって物足りなさを感じたが、土方さんが龍馬の仇を取ろうと考えるほどに龍馬を評価するようになったのが胸アツだった。土方さんが龍馬を相棒、日本の明日だと評するようになるのもまた胸アツだった。龍馬のこと嫌いってめっちゃ言ってたのにね!!
あんまり日本史詳しくなかったんだけど、とても勉強になりました!←
Posted by ブクログ
幕末の2大ヒーロー、土方歳三と坂本龍馬が事件解決のためにコンビを組むという驚きの設定。土方も龍馬も好きな私にとって堪らない設定です。 目指す道の方向性は違えど、己の理想を目指し信じる道を突き進んでいるという点では似た者同士の二人。 そんな二人の反発しあいながらも友情を育んでいくさまを見るのがとても楽しかったです。 幕末ファンにオススメの一冊。
Posted by ブクログ
2010/10/16 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2019/5/29〜6/1
大政奉還を前に、徳川慶喜が乗った駕籠が狙撃される。その調査を求められたのが、不倶戴天の敵と思われた坂本龍馬と土方歳三。果たして、二人は真相に辿り着くのか?いやいや、面白い設定だ。五十嵐さんらしい映像が思い浮かぶ文章。最後には意外などんでん返しもあり、大変面白い作品であった。
Posted by ブクログ
大政奉還寸前の幕末の末の末らへんにラストエンペラーでお馴染み徳川慶喜さん暗殺未遂事件発生!!犯人を探す探偵役には坂本龍馬さん&土方歳三さん!!!日本史史上稀に見る性格真逆な凸凹コンビで描く幕末エンターテイメントミステリー作品!!
一言で言えば「夢の共演」!!同じ作品での共演は無数にあるかも知れないけど、あの「燃えよ剣」主演の土方歳三さんと「龍馬がゆく」の主演の坂本龍馬さんが二人で協力だと!!?幕末ミステリーだと!!?私にとって幕末スーパースターのダブル主演の作品を読めるなんて「ファミコンジャンプ」でのジャンプ黄金時代の主役勢揃い以来の衝撃!!!
歴史好きもミステリー好きも巻き込むエンターテイメント作品を生み出すなんてさすがはミスターエンターテイメントこと五十嵐貴久さん!!!
容疑者が幕末のオールスターで薩摩藩、長州藩、会津藩、土佐藩の方々と超豪華!!
Posted by ブクログ
★3.5かな。
土方・龍馬のコンビという夢のような設定。
将軍狙撃の犯人を二人で探しだすというエンタメ作品。
序盤と終盤は引き込まれて楽しめたけど、中盤のいろんなところに聴きこみに行っては否定されるの繰り返しがちょっと中だるみに感じた。
いろんな人物を登場させようとするとあぁなってしまうのは仕方ないのだけど…。
土方さんは始終ギャンギャン怒っててツンデレ風味だった。
龍馬さんは今までそんなに興味なかったけど、これを読んでやっぱりかっこいいよなぁ…そりゃあファンも多いよなぁと感じた。
設定や人物にちょっとこれは無理がないかい…?て部分もあったけど、しめ方が爽やかな気持ちになれたので終わり良ければ全て良し、かな。