あらすじ
大哲学者たちが考えたことを信用できるでしょうか? いつもはあまり信用されないツチヤ教授が挑戦的にこう問いかけた。不信感を抱く学生を前にして、プラトンやデカルトなどに代表される哲学史に輝く深遠な学説に、誰にでもわかりやすい言葉で鋭く切り込み、哲学の初心者たちと共に一から考えた渾身の講義。
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ウィトゲンシュタインが論理哲学論考、哲学探究で何を述べているか、非常に分かりやすい例え話で、腑におちる。ウィトゲンシュタインというと言語学というイメージでしたが、要するにこれまで本質的な問いと述べたもうて、深遠ぶってきた哲学者達に一石を投じた、超重要人物なんですね。
『あたらしい哲学入門』と並んで、土屋氏の作品の中でも傑作だと思います。
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予想外に真面目な哲学入門。そしてウィトゲンシュタインと土屋賢二の哲学の世界。
イデア論?デカルト?我思う故に我あり?純粋持続?
哲学の様々な論をわかりやすく説明しつつ、最終的にはウィトゲンシュタインの言語ゲームと哲学の存在意義についてまとめられた一冊。この講義が受けられる公開講座とかあったら、覗いてみたい。
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哲学はあやしい学問だということを説明している哲学書。小難しい哲学の諸学説をわかりやすく、紹介するのみならず批判して「斬って」いる。哲学に興味を持ち始めた人には特におすすめしたい。
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さらっと読めるけど、内容がぎっしり詰まった本だった。ウィトゲンシュタインを基礎とし、哲学の諸問題を終わらせようとする試みはとても興味深かった。哲学の諸問題は言語的矛盾に陥っていて、そもそも問いを立てた時点で解決不可能ということが論理的に述べてある。確かに「なるほど」と思う部分が多かったが、その考え方があまりにもすっきりしていて逆に消化不良となった。自分自身の知識をつけてまた別の角度から哲学的諸問題に対峙してみたいと思う。
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解説で哲学の入門書ではない、と書いてあるがわかりやすい解説書として読んでいけないわけがない。
原書を日本人向けにわかりやすく解説するだけでなく、どこがおかしいのかを説明している部分で理解が進むと思われる。
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著者が大学でおこなった哲学の講義をもとにした本です。ベルクソンの時間論やプラトンのイデア論、デカルトやフッサールの知覚論などを題材に、それらの問題がことばの誤りに基づいて生じていることを指摘しています。後半は、前半の著者の議論のバックボーンとなっていたウィトゲンシュタインの思想について解説がなされています。
おなじく著者のおこなった講義にもとづく『あたらしい哲学入門―なぜ人間は八本足か』(文春文庫)ともかさなるところがありますが、本書は哲学史上にじっさいに現われた思想を題材にしており、それらの思想についても学ぶことができます。ただし、どちらも著者の思想をつらぬいている根幹的な主張はおなじで、ウィトゲンシュタインの哲学観の実践というべき内容になっています。
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ウィトゲンシュタインの「哲学的問題は言葉の誤用から生じる」という立場から、過去の哲学者は真理を分かっていなかったことが分かった、ということを語った本。専門外の人にはしっくり来ないかも。でも分かりやすい。
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読んでいる途中に土屋教授の言っている事があまりにも共感できなくて、
読むのをやめようかと思った。
でも実際通して読んでみると勘違いだった。
哲学って?形而上学って?なに?みたいな感じの人も楽しく読めるし、
哲学の文献を読んでいる人も楽しめる内容かと思います。
有名な哲学者たちが書いた論文などを土屋教授の見解で、
紐解いていく、スタイルは中々面白かったです。
原因についての
四原因である形相因、資料因、目的因、起動因こう言った解明の仕方は本当に面白いと思う。
有名なプラトンのイデア論
完全な美は美そのもの。だなんてこう言った答えをはじき出す、
哲学者は素敵だと思う。
デカルトの我思う故に我ありと言う言葉も、
ふんふんと頷くような言葉でした。
哲学や形而上学って一見とっつきにくいイメージがあると思うのだけれど、本当に身近な事でもあったり、この世界の真意を確かめていくなんて言い方も出来るのかもしれないけれど、
哲学者はみんなこれを解き明かせば、素晴らしい世界になるだろうとかそんな様な事を考えていたのかなとも思った。
人は考える生き物であると思う。
それが答えが無い果てしない事であっても、
そういう気持ちこそが素晴らしいと思う。
哲学は昔から好きなのだけど、本書を読んで好きと言う事を再確認しました。
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この人のエッセーが好きだったので購入。一見入門書にも見えるが、哲学界の巨人に触れながらも、自身の哲学の「結論」といったものを提示する。お茶の水女子大の講義をまとめたものなので、最後に「哲学が何の役に立つか」をまとめているのが非常に分かりやすい。
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講義形式で記載されているので読みやすく理解しやすかった。哲学書を読むといつも思うのですが、いったん理論構築の解説についていけなくなってしまうと読み戻ったりするのですが、この本ではそれが少なくてよかったと思います。
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土屋先生が書いた「まともな」本を読んだのは、今回が初めてだった。
一般人のもつ、哲学に対する固定観念を打ち崩す良作。
予備知識は必要なく、解説も非常にわかりやすい。
哲学的問題は言語的誤解から発生した、という考え方が特に新鮮で印象に残っている。
しかし、言語的規則が物理的現実に存在しない以上、やはり人間の思考、意図、意識には言語的規則以外の何らかの裏付けがあるはずだと僕は思う。
生物学を勉強している僕としては脳科学にその答えがあるような気がするが、脳科学は勉強してないので、後で関連書籍を当たってみようと思う。
追記
内容は楽しいのだが同じ内容の繰り返しが多いため、わかりやすい反面うっとうしくもある。実際にこの講義を受けたら、多分僕は寝てしまうと思う。土屋先生ごめんなさい。
Posted by ブクログ
おバカなエッセイで知られる土屋教授の真面目な哲学講義。一応、御茶ノ水大学の哲学講義を実録した形になっているという。その触れ込みだけを聞くと、どこかのマイケルサンデルの本を思い出してしまうし、実際に過去の哲学の潮流を総ざらいするあたりの流れも似通っているのだが、かの本よりも本書の方が断然「哲学」をしている。本書におけるツチヤ教授の立場は、ウィトゲンシュタイン寄りであり、従来の哲学的な問題に対し、「その問題はそもそも問題として成立しない」という風に茶々を入れるアプローチをとる。どのような理由で問題が成立していないのかは、本書を読んでいただきたい。さすれば、かの有名な「語りえぬものについては沈黙しなければならない」ということばを間違った形で引用して恥をかくこともなくなるでしょう。
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歴代の哲学者をざっくりと紹介しながら次々と否定。全ての哲学の問題は、言葉の仕組みによる罠という考え。11回にわたる講義方式で描かれている。
哲学を否定しているともとれる講義で、あまりスッキリとはしませんでした。でもユニークな考えだと思います。
Posted by ブクログ
いつもの軽妙洒脱なエッセイではなく、講義録形式の哲学入門。しかし、解説の野矢茂樹によれば「本書は哲学の入門書ではない。それは、(ウィトゲンシュタインの)『論理哲学論考』が入門書ではないのと同じ意味でそうである」。
全体的なトーンは、主にウィトンゲンシュタイン以降の現代的な分析哲学の立場に立ちながら、ギリシア以来の哲学史を概観(本当に概観)するというもの。この名物教授の授業をいつかは受けたいという女学生も多いだろうが、本人は学部長まで勤め上げ、先年、無事に定年退官を迎えたとのこと。
Posted by ブクログ
哲学の入門書を探していたときに、本屋で見つけた本。
プラトン、アリストテレス、デカルト、ベルクソン、ウィトゲンシュタインなど様々な哲学者の考え方を引きながら、口語で分かりやすく説明してくれる。
「人は言葉を通して物を考える」というが、哲学の問題の多くは「言葉の使い方」に帰着するのではないか。
そして、多くの哲学的問題は、実は解決されない問題なのではないか。
哲学は、多くの哲学的問題が解決できないことを示すにすぎないのではないか。
多くの哲学者は、「哲学のための哲学」をしているように思う。
一方で、現実を踏まえた、人間のための哲学をしている哲学者もいると聞く。
哲学の本質はどこにあるのか。哲学は人間の役にたつ学問なのか。
哲学を学ぶことは人生の役に立つのか。