あらすじ
芦屋の高級マンションをシェアして暮らす、富久丸百貨店外商部の鮫島静緒と桝家修平。バツイチ独女で仕事に燃える静緒とゲイでセレブな修平の同居は案外うまくいっている。暴力団幹部の愛人をする元教師、所有不動産の空き部屋に悩む元剛腕石油マン、孫の不登校にやきもきする歯科医院夫人、セレブ専門の結婚相談所を経営するやり手の女社長……。お客様に育ててもらいながら、今日も究極のサービスを売る、外商員たちの奮闘記!
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Posted by ブクログ
2025/2/3
ああ楽しい。今いろいろ読んでるシリーズ物でこれが一番楽しみかも。まだ2作目だけど。
あ、でもダリヤもあるしぼろ鳶続いてるならぼろ鳶?
まあどれが一番かはええな。みんな一番。
今回は独女は死ぬとき一人やで?とか身につまされる部分もあって、楽しめないかなと思ったけどそんなこともなかった。
もう私自身はそこ通り過ぎたかも。
結婚してても子供おらんかったら一人になる確率も高いで?やしな。
人生どうなるかわからんし。
何かな、高級なものの話聞くのもおもしろいねんな。
そんな興味も物欲もないのに。
あとお客さんを喜ばせようと奮闘するのがいいよ。
私も頑張ろうって思うし。
私も私が疲弊しないラインでという条件は付くけど、できるだけ喜んで欲しいもんね。お客さん。
ええ感じにwin-winでやりたい。
Posted by ブクログ
上流階級~富久丸百貨店外商部II~ 2016/10/20
高殿円氏による作品。
2016年10月20日初版1刷発行。
初出は「小説宝石」2015年2月号~2015年10月号
富久丸百貨店外商部Ⅱとあるように前作からの続編。
舞台が関西なので親近感がある。
他のレビュワーも指摘していたけれども
読ませる力、物語に引き込む力があるなと関心する。
鮫島静緒(バツイチ、独身、バイトからのたたき上げ)
桝家修平(セレブなゲイ)
本作はこの桝家修平に絡む内容が多い。
またバツイチやゲイ、LGBTの人が将来孤独になっていく事への不安
結婚することの意味など色々と考えさせられる事が多かった。
日本は残念ながらまだまだ理解されるような状況でもないし。
鮫島も。。。桝家の母四季子氏にこの女なら面倒くさいゲイの息子と一緒にいてくれるって見抜かれて(つけこまれて)・・・
よくよく思い出せば前巻において酒に酔った桝家が鮫島に対し結婚しましょと発言していたりと割と仲が良い。
しかも本作品では同居している事が会社に漏れてしまい・・
しかし同居を解消する訳にもいかない事情もわかる。
一度実家に戻ると根付いてしまいそうと。
そこから動けなくなる・・深い。
本作品では外商としての苦労以上に日本で少数派とも言える人たちの孤独対策、結婚とは等に考えが及ぶつくり。
印象に残った部分を紹介したい。
どういう状況であれ、異なる個性が同じ空間を共有することは容易ではないわ。
さまざまな契約を経ても結局はその煩わしさに解消したくなるもの
利害というのは簡単に一致しないものなの。
そして、それが継続することがとても稀なのね。
貴重よ
上流階級を鼻にかけている人間は稀だ。
鼻にかけている時点で、それは最上流ではない。
彼らはごく自然にそこに生まれ、そこしか知らず、そこにある明文化されていない規則に則って暮らしているだけなのだ。
ものすごく極端なことを言えば、
日本人が日本から出ていかなくても一生ごく普通に暮らせるのと同じ理由で、彼等はその高みに止まりつづけているだけなのである。
シモネタをうまく躱せる(かわせる)女子こそ出世するのだと。
セクハラごとき、セクハラで返すというラリー方式が使えなくては
会社というところは不思議なもので、手柄を立てた、あるいは有能な人間が有能さを評価されて出世するということはあまりない。
手柄は立てた、それは評価する。
しかし実際出世するのは、出世させる者にとって都合がいい人間だ。
つまり無害か、その人間の手柄を独り占めできるくらい年次が空いているか。
実際結婚すれば、たとえ子供はいなくても僕の社会的地位は安定しますからね。
出世もできるだろうし。中略)僕と、鮫島さんが
この世の中の結婚しているカップルの全部が全部、愛し合ってセックスしてると思ってるんですか?
結婚したほうが都合がいいからしたカップルなんて大勢いる。
特に富裕層には多いんです。
独身でいれば必ず身上書が来るし、そのたびに断るのも面倒だ。
守らなきゃいけないものを守ったほうが都合良く生きられる場合も多い。
それにさすがにゲイでも独りでいるのは怖いですから。
タブーなしで何でも話せる人が欲しい。
ジジイになって独りで死ぬのなんていやじゃないですか。
独女なんて僕らゲイと同じですよ。
子供も伴侶もいないから自分の老後は自分で面倒みなきゃならない。
孤独は100%悪いものではないけれど、沈殿する毒かもしれないと僕なんかは考えます。
近いうちに僕らは必ず孤独になる。
病や老いが必ず親を失わせ兄弟や友人たちは家族を持ち、その問題で手一杯になる。
仕事なんていつなくなるかわからない。
自分が病気になったら会社なんて手のひら返すでしょ。
世間体のためではなく、だれかに言われたからでもなく、正しいとか悪いとかいう理由からでもなく、ただたんに自分が不自由だから孤独を回避する。
それは生存本能で、決して罵られるような行為ではない。
人を信用して仕事を任せることこそ経済の基本だと父に教わったわ。
何もかも独りでこなすことはコストカットに繋がるけれど、結局は一人倒れれば全てダメになるのよ。
大切なのは見極める眼を養うこと
結局はひとつひとつ、この眼で見て判断し続けるしかない。
今は口コミをネットで調べられるけれど、所詮あれだって噂でしかない。
噂をそのまま信じることの愚かさは教科書に載っていなくてもいつの間にか習得する技能よね。
レストランの味も給仕のレベルも行ってみるのが一番よ。
Posted by ブクログ
本作も面白かった。外商として自分なりのやり方を試行錯誤する鮫島が同居人桝谷との関係、顧客である美谷との距離感に悩み、葉鳥も近くにいない状況で、何とか踏ん張ろうとする様子が描かれている。鮫島や桝谷が普通でないことに悩むのは、社会が未だ普通であることを前提条件として人を評価するから。恐らく現実の世でも同じような境遇の人は少なからずおり、本当の自分ではない自分を演じていたりするのではないだろうか。2人の同居の行方や催事企画の動向、信頼を築けつつある顧客との関係がどうなっていくのか、次作に期待したい。
(読書メーターからの転記)
面白い!
キャラクターの設定も面白かったですし、女性が男性社会で生きるのに対して奮闘していくのも共感できるところが沢山ありました。
お客様にサービスをお届けするのは、お客様の人生に関わる事でもある。深かったです。
Posted by ブクログ
前回の続きだった。
外商員は訪問販売だけでなく、少しでも多くの商品を買ってもらうよう、招待制イベントを企画&開催する。
その際の苦悩などが具体的に書いてあって、とても勉強になった。