あらすじ
直木賞受賞作『海狼伝』の続編!
海と船への憧れを抱いて対馬で育った笛太郎は、海賊船黄金丸の船大将となり、シャムを舞台に活躍する。同地を本拠地とする明国の海賊マゴーチは笛太郎の実父だが、笛太郎が異母弟を殺したことから、親子の宿命的な対決となる――。海に生きる男たちの夢とロマンを、海洋小説の第一人者が鮮烈に描く。
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Posted by ブクログ
再読ですが、記録が無いという事は、前回読んだのは10年以上前という事になります。
直木賞をとった『海狼伝』の続編。
英国にはホーンブロワー・シリーズを始めとする帆船物の系譜がありますが、同じ島国の日本には海洋文学と言える作品は少ない。全世界を股にかけた英国と同列にとまでは言えなくとも、室町末期には倭寇で知られるように、中国から南アジアにかけて広く冒険をしていたのですが。
そんな中で、白石一郎さんは珍しく日本の海洋物を多く描いた作家さん。この作品は1600年ごろの日本からシャム(タイ)を舞台に、海商・海賊入り乱れての活劇です。
やや安易な筋運びも有るのですが、スケールの大きさ、登場人物のキャラクター、海戦の迫力、いずれも英国の帆船物に負けません。
久しぶりに読み返しましたが、やはり骨太で面白いですね。
Posted by ブクログ
前作と同様壮大なスケールの物語。瀬戸内を離れ種子島、琉球、シャムと続く。途中桃太郎のようにきのきいた部下がどんどん増えていくのはビックリ。この作者の特徴なのか終わりがしょぼく中身が濃いのは一緒だった。名言
Posted by ブクログ
全1巻。
でもシリーズ物で2作目。
初っぱな別人から始まるので
本当に前回の続きかとまどう。
主人公は前回より成長してるので、
成長というより活躍という感じ。
中盤からは舞台も外国へ。
コップンカー。
昔の西の方の話読むと、
外国と日本が今よりずっと身近だったことに
毎度感慨を受ける。
親父登場でかなりワクワクする。
でも次回に持ち越されるみたい。
ワクワクする。
著者、続編を書かずに亡くなってる。
うそん。
Posted by ブクログ
タイトルだけでジャケ買いした一冊。
背表紙も読まずに買ったが、まあ海賊モノだろうと。
冒頭から読み進めると、海すら出て来ずむしろ山中の描写ばかりで、また時代背景が現代なのか何時代なのかが分からず。
しかし、中盤あたりまで読み進めると見覚えのある単語が目に飛び込んでくる。
村上海賊か。
とは言え、村上海賊でもやや後期の話。
村上海賊ものだと、『秀吉と武吉』城山三郎著、『村上海賊の娘』和田竜著が素晴らしく面白い秀逸な作品だったのでこちらはと言うと、それらと毛並みは大分異なる。
本作は『海狼伝』という作品の続編らしく、前作を読んでいなくとも楽しめるが、やはり前作を読んでいないと消化不良感は否めない。
ただ、造船技術やその描写においては大変丁寧に描かれているので臨場感はある。
キャラ立ちもしっかりされているのだが、何か今一つ欲しいと感じました。