あらすじ
〈今、渋谷。これから人を殺します〉男はインターネットの掲示板に書き込み、スクランブル交差点に軽トラックで突っ込んだ。十一人を無差別に殺し、センター街の喫茶店に籠城した男と交渉人との息詰まる攻防が始まる。凄惨な事件を引き起こしたのは「心の闇」なのか? 警察に勝ち目はあるのか? 世間を震撼させた事件の衝撃のラストとは――。
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Posted by ブクログ
「誰でもよかった」の2つ目の意味が明かされたところでゾクッとした
横川の行動が意味不明でこの人はなんか怪しいと思いながら読んでいたけど最初から結末を考えていたとは…
これはこれで横川の正義だったのかもしれないけど、責任を取って辞職するつもりとか言いながら報告書を自分の都合がいいものにしようとしていて、さらに上との何かがあるのでは?と疑ってしまった
渡瀬が高橋と交渉しているところはドキドキしながら読んだ
めちゃくちゃ応援した
それだけにこの結末は悔しかった
でも面白かった!!
Posted by ブクログ
うーん。
詰めが甘いかな。
最後の横川と渡瀬の話にどんなオチがあるのか期待したけれど、中途半端。
一気に読めただけに残念。
結局「誰でもよかった」のタイトルありき?
それはいいけど、ラストでどんでん返し的な物を期待したから、中途半端だと感じてしまったのかも。
Posted by ブクログ
犯人は30歳前後のフリーター男性。
渋谷スクランブル交差点に軽トラで突っ込み無差別殺人を引き起こす。
センター街にある喫茶店にたてこもるが、
特殊事件捜査係の刑事が交渉にあたる。
作中描写で、犯人の社会から隔離されたような心情が出てくるが身近にもそう感じてる人は多いのかもしれない。
一種の社会問題。
タイトルの"誰でもよかった"は犯人の無差別殺人を指すものだが警察側も見せしめとして殺すのは誰でもよかったのである。
Posted by ブクログ
渋谷通り魔殺傷事件を起こした犯人が喫茶店に立てこもり、逃亡を図るために警察と電話で取引きしようとする話。
犯人が事件を起こすシーンは、被害者一人一人の人物像だったり背景が描かれていたし、臨場感があって引き込まれるものがあった。
ただ、立てこもった後からが長すぎる。ここまで長くするなら、身勝手ながらも犯行を実行するに至った心情、渡瀬の焦りと葛藤をもう少し描いて欲しかったし、なぜ横川が不可解な言動を繰り返すのか匂わせて欲しかった。
Posted by ブクログ
ネゴシエーターが主人公の話としては「交渉人」の方が奥深くて面白かったというのが、読後の率直な感想かなぁ。
このタイトルが犯人のセリフではなく、警察側が下した処置の理由ってところが驚きポイントなのかもですが、ちょっとインパクトが弱かったかも。
それは、作中で横川がわざと高橋を刺激するために理不尽な指示を出すあたりに感じた、違和感に近い非現実感——いくらなんでもリアリティがなさ過ぎないか?という疑問——に由来する気がします。
横川が普段無能と思われている人物だったらその言動は自然に映ったかもしれませんが、けしてそうではない人物があからさまに不自然な行動をとっていたので、そこに不信感やうさんくささを感じざるを得なかった訳です。
そう思うと、横川が普段無能と周りに思われている人物だったと描写されている方が、本作は面白かったかもしれません。
無能と思われる横川の行動が計算づくであること。警察の価値観が個々人の生死や幸福感より、社会全体のそれを優先すること。そのためには個々人の命など歯牙にもかけないという現実。
横川=無能、とすると、そんな印象操作ができたんじゃないかなー。素人考えですが……