あらすじ
本書は、みずからユダヤ人としてアウシュヴィッツに囚われ、奇蹟的に生還した著者の「強制収容所における一心理学者の体験」(原題)である。
「この本は冷静な心理学者の眼でみられた、限界状況における人間の姿の記録である。そしてそこには、人間の精神の高さと人間の善意への限りない信仰があふれている。だがまたそれは、まだ生々しい現代史の断面であり、政治や戦争の病誌である。そしてこの病誌はまた別な形で繰り返されないと誰がいえよう。」
(「訳者あとがき」より)
初版刊行と同時にベストセラーになり、約40年を経たいまもなお、つねに多くの新しい読者をえている、ホロコーストの記録として必読の書である。「この手記は独自の性格を持っています。読むだけでも寒気のするような悲惨な事実を綴りながら、不思議な明るさを持ち、読後感はむしろさわやかなのです」(中村光夫氏評)。なお、写真資料は、電子書籍版では割愛いたしております。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
読んでよかった。印象に残る部分が多くあり、特に「我々が人生に期待するのではなく、人生が我々に何を期待しているのかこそが重要だ」というフレーズは印象的。このメタ視点が、絶望的で閉塞的な環境下で未来に目を向け、苦悩に意味を与える唯一の方法なのだと思った。収容所の記録としてのみならず、現代を生きる私達にも重要なメッセージを含有した稀有な書だと思う。
Posted by ブクログ
夕焼けに心を打たれ、ひどい空腹の中劇を観る。
ブルジョア的暮らしを手放し、収容所に入ったことを感謝した女性
地上には2種類の人間が存在し、どのグループに所属するかは関係ない
人間の生命は常に如何なる事情の元でも意味を持つこと、
収容所の外に思い描いていた夢の暮らしはなかった
アウシュビッツからの生還者の本で、ほとんどの人間は2週間かそこらで死に、生き残るのはほんのわずかの人間だけだと言っていた。
厳しい環境で自分を見失わなかった人は思考によって自己を守り、感性さえ磨いた。
だが、そんな人はほとんどいないことは明白。
Posted by ブクログ
この世には2つの種族の人間しかいない。「まともな人間」か「まともではない人間」か
この本を読んで寝たとき、自分が酷い目にあう夢を見た。
夢でさえ叫びたくなるほど辛く苦しかったのに、実際にアウシュビッツに幽閉された人々はどのくらいの苦痛を強制されたのだろうか。
人間が人間であることを放棄する瞬間、窮地で縋るもの、未来を見据えることの大切さ、
それらが実際に収容されていた心理学者の視点から語られる、大切な本。