あらすじ
兄姉は自殺・失踪し、暗い血の流れにおののきながらも、強いてたくましく生き抜こうとする大学生の“私”が、小料理屋につとめる哀しい宿命の娘・志乃にめぐり遭い、いたましい過去をいたわりあって結ばれる純愛の譜『忍ぶ川』。読むたびに心の中を清冽な水が流れるような甘美な流露感をたたえた芥川賞受賞作である。他に続編ともいうべき『初夜』『帰郷』『團欒』など6編を収める。
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Posted by ブクログ
7つの短編集。6つは連作、でいいのかな。
『忍ぶ川』数奇な運命の6人の兄弟姉妹の末っ子が
ある女性と付き合って結婚するまで。
結婚式での両親がとても嬉しそうで微笑ましい。
連作はその後の生活と過去を綴ったもの。
昭和のつつましく暮らしている夫婦が清々しい。
『白夜を旅する人々』(1985年)を以前読んでいたので
その印象が強くスピンオフのように感じつつ読みました。
『白夜を旅する人々』は6人の兄弟姉妹の上の5人
(メインは次女、長男、長女)
『忍ぶ川』は末っ子が登場人物。
末っ子が上5人と比べると普通の人なので
『白夜を旅する人々』のほうがインパクトはあった。