あらすじ
ビルマの戦線で英軍の捕虜になった日本軍の兵隊たちにもやがて帰る日がきた。が、ただひとり帰らぬ兵士があった。なぜか彼は、ただ無言のうちに思い出の竪琴をとりあげ、戦友たちが合唱している“はにゅうの宿”の伴奏をはげしくかき鳴らすのであった。戦場を流れる兵隊たちの歌声に、国境を越えた人類愛への願いを込めた本書は、戦後の荒廃した人々の心の糧となった。
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Posted by ブクログ
水島の決意と彼からの手紙を読んだ部隊の人たちの覚悟で締めくくるくだりが素晴らしい。
優しい文体で最後まですらすらと読める。作者は児童向けに書いたようだけど、大人にも読んでほしい作品です。
Posted by ブクログ
戦争という陰惨なテーマでありながら、主人公水島が、生きる上で本当に大切なことは何なのか、苦悩し考える。
生死が分からなくなった水島が一体何をしていたのかは、最後の手紙でしか知らされないが、死に近づいた生活をしていたからこそ感じることが出来る何かがあるに違いない。