あらすじ
月光坂の花屋敷に暮らすのは、
子どもがいながら
男に抱かれるのを好む大人の男と、
その男に片想いする男。
そして、そんな男に恋している少年。
三人の想いが複雑に絡み合いながら、
求めるものは──…
花に囲まれた屋敷で、
新しい時間が流れだす。
感情タグBEST3
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何度でも読みたくなる
澱んだ行き場のない状況が続く、なのにそのやるせなさに引き込まれ読まずにはいられません。父が息子へ向けた視線に“ゾクリ”こんな感覚は初めてでした。薄暗さ漂う幸哉の秘密、どこにも漂着出来ない幸哉の心を小鳥遊は引き揚げられるか?…彼は男前でした。最後は暖かい空気に包まれます。
匿名
良かった
最初は、どうなるのか?ドキドキしながら読んでいたけど、小鳥遊は、2人から好かれてて凄いなぁ。あと、好きになるのに理由ってそんなに必要ないのかな?とも思える作品でした。
Posted by ブクログ
幸哉の息子、結人が同居人で幸哉とセフレ状態の小鳥遊に告白する。
「とうさんじゃなく俺を好きになってよ」
でも受け入れられない。
「お前を泣かすなって幸哉さんに言われているから」
「そんなに好きなのかよ!」
冒頭から名シーンではじまります。
「月光坂の花屋敷」の2巻目。前回の「春」でもかいたけど、「秋」が2巻目ってのはとても分かりにくいのに、冒頭からこれだと、間違ってこれから読んだ人はわけわからん状態ですねww
小鳥遊は幸哉が好きで、誘われたら抱くし、でも幸哉の心はもらえない辛さ。
ただ、幸哉も本当は小鳥遊を好きだと思っているんだけど、
過去、好きになった男(実は結人の父)が自殺した原因は、自分の好意を悟られたことによる罪悪感だったのではと思っていて、
小鳥遊を好きになったら、小鳥遊も同じようなことになってしまうのでは・・という恐れからもあった。
「ほら僕はなにしろインランだから。こんな僕をいつになったら嫌いになってくれるの?」
幸哉はスマホをおいて出て行ってしまった。
小鳥遊は慌てて探すがみつからない。
幸哉はそのころ、海にいた。ず~っと浜辺に座っていた。
ようやくその幸哉をみつけて、自分の気持ちをぶつけ、幸哉もようやく自分の気持ちを伝えて、ハッピーエンド。
ってお話なんですが、
なんだろ?木下けいこさんの各お話のキャラがとても魅力的なんですね。
いわゆるオジサンなのに、いやだからこそ、愛おしい。
今まで辛いも罪悪感も背負ってここまできた、ほんのちょっぴりの孤独感を持った男を描くのはすごい上手いと思います。
2巻で終わらせてるのはもったいない。
いやこのちょっとした渇望感でおわるのが、潔くていいのかもしれませんね