【感想・ネタバレ】さいはての二人のレビュー

あらすじ

あなたはあたし、あたしは、あなた。どこにでもいそうな中年男と、日本人離れしている容貌の二十六歳の女。寄り添い、抱き合い、慈しみあい、二人はごく自然に求めあっていった――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読み返してまた、泣いてしまった。

出自にまつわる孤独を抱えて生きる主人公が、バイト先の飲み屋さんで、不思議と自分と似た雰囲気を持つ男性と出会い、惹かれあっていく。ただ、ただ、ふつうのしあわせを渇望する主人公の姿に、胸を打たれる。

鷺沢 萠さんの小説はどれも好きですが、このお話が一番好きです。
分自身の孤独と向かい合い、ひとを愛するという普遍的なテーマが描かれていると思います。

それぞれに生き難い事情を抱えているけれど、それは誰かのせいではない、と誰も恨むことなく(いや、一度は恨んだかもしれませんが、その気持ちを乗り越え)、他者を愛せるという幸せを、そっとかみしめて生きている。

『さいはての二人』は、行き場を失った二人の悲しいお話ですが、最後にぽっと心が温かくなります。

最初に読んだのは4年ほど前ですが、あとがきで彼女が亡くなっていたことを知り、本当に悲しく、また泣きました。

0
2011年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

さいはての二人
こういう二人を魂が同じっていうのかな。
日本という国を仲立ちにした二人の生い立ちや置かれた状況はあまりにもつらくさびしい。
なんとか生きてきた二人がもうだめだと崩折れそうになった時に出会い、互いに埋められずにいたピースをはめ合ったんだなと。

約束
こういう現実とファンタジーが入り混じったような話は好きです。
創作物ではなく、昨今こういう事件が多いのはとても悲しい。

遮断機
今はもうない下北沢の開かずの踏切や市場の情景が目に浮かぶようです。

0
2014年02月25日

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