あらすじ
自然を切り崩し、ロックフェスを誘致する以外に取柄もない山村。田舎特有の、窒息しそうな閉塞感に苛立つ高校生の広海は、突然村に戻ってきた地元出身の有名モデル・由貴美と出会い、囚われてゆく。ある晩彼女から「村への復讐に協力してほしい」と持ちかけられ、広海は求めに応じるが、実は由貴美には“真の目的”があった。そしてフェスの夜、取り返しのつかない事件が二人を襲う──。新直木賞作家による傑作長篇。息を呑むラストまでページを繰る手が止まらない!
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Posted by ブクログ
世界一好きな作家、辻村深月さん。
多数のヒット作を生み出し続けている作家さんですが、この「水底フェスタ」はあまり目立っていなかったので、気になって読んでみました。
•高校生の広海視点で物語が進んでいきますが、広海からみた由貴美のもつ、美貌と大人の女性の魅力がとにかく凄くて、正体が分からない女の虜になってしまいます。
しかし、閉鎖された村のネットワークにより、次第に広海と由貴美の関係性が住民たちにバレていきます。
•由貴美とは離れろと言う住民から聞く話と、実際に会って由貴美から聞く話の中で、広海は
「誰を信じればいいのか?」
「生まれ育った村を守るため復讐を阻止するべきなのか?」
「それとも悪しき風習を持つ村を変えるために由貴美の復讐を手伝うべきなのか?」
正解がどんどん分からなくなります。
(広海のお父さんは村の村長なので、由貴美は村長の息子の自分を利用しようとしてるだけ?と常に勘繰ってしまいます)
•物語が進む中で、村が持つ悍ましい風習や負の歴史がどんどん明らかになります。
村が、読み始めた時に見えてきたものとは全く違う景色になり、最早ホラー作品よりも怖かったです。
•衝撃の真実に次ぐ衝撃の真実のオンパレードで、ヒイヒイ言いながらもページを捲る手が止まりませんでした…
•切ない、怖い、悲しい、絶望、読んでいる間色んな感情が襲い続けてきました
Posted by ブクログ
青春ものみたいで眩しいと思ってたら、終盤にかけて全く違う様相だった。面白かったし終わり方も個人的には好きだったけど、落差もあってか閉鎖環境の怖さをより強く感じた。
Posted by ブクログ
「空の青さと、家ん中の暗さの差がすげえ」
達哉の睦ッ代村イメージは的確でした。
閉鎖的だけれど、開かれたイベント・音楽フェスもある村。
何も知らされてない有力者の息子に、芸能界から離れて村へ戻った元女優が接触してきたことから始まる、2人の世界の崩壊のお話でした。
辻村深月さんの怖いところがきちんと上の方にあってよかった。
もうちょっと巧妙に沈めてあるお作品が多かったイメージでしたが、ここまで浮かび上げられてる作品、面白かったです。
人間関係のドロドロ、善人と怪物がパタパタとひっくり返っていく人物像…楽しみました。
「理解のある大人」と「怪物だと思っていた人」の理解が入れ替わるシーンが、哀しくもありゾッとするのもありました。
広海の罪と罰、一生背負っていくんだろう…
ラストも、手放しでスッキリはしない。
けれども、これはこれで好きです。
何世代にもわたる村の選挙システム、ダム建設の際の無理な移転とピンハネ、2つの殺人事件(2つ以上かも…)が明るみに出たら、睦ッ代村も住民も無事じゃ済まない。
しかし、待ち合わせてる英恵さんから、手を下した由貴美の代わりに広海の命が奪われるという可能性も捨てられない…。そしたら睦ッ代村は今までのまま。
う~ん。。。
閉鎖的で旧い体質が残ってて、「どこから回ってきたんだその情報…速い」なムラ社会の設定と描写がほんとリアル。こういう地域出身の人は痛いほどわかるんじゃないでしょうか。
もれなくわたしがそうなので「うわぁ」と思いながら読みました。
相変わらず、生徒さんたちの過剰気味な自意識描写上手いなぁ。
Posted by ブクログ
途中から読む手が止まらなくなって半分から一気に読めた。田舎の閉鎖的空間、そんな村に鬱屈としてる主人公の描写がとにかくすごい。由貴美の魅惑的な存在としての描写もすごくいい。終わり方は曖昧な感じで終わるけど広海が不正を暴くために動いたのだと思っている。達哉の存在、達哉と広海の関係がとても好きだった。イヤミスに近いけどおもしろかった。
Posted by ブクログ
ロックフェスの誘致に成功して、財政的には潤ってきた田舎の村に住む高校生、宏海。閉塞感のある田舎の村に嫌気はさしながらも、柔軟で音楽を愛する父や、医師として村に帰ってきた従兄弟の光弘を尊敬していた。
復讐のために村に帰ってきた女優、由貴美と出会い、彼女との恋に溺れて、企てに巻き込まれる中で、村の知らなかった事実を知ってしまう。
村長戦の裏で動くお金や、村全体の隠蔽体質、父の不倫、地域による格差など、後ろ暗い事実がどんどん出てきてしまう。
読後感は悪いけれど、なんだか惹かれてしまってあっという間に読んでしまった一冊だった。
辻村さんの田舎への想いは根深いなと思う。
Posted by ブクログ
ロックフェスティバルを誘致したことで有名になった
小さな村の物語。
村の政治やお金の闇。
村人たちがごくごく当たり前のように「内部」の人間を守り、犯罪すらも隠蔽していくさま。
ある意味ホラーのような怖さがあった。
水底フェスタというタイトルに納得してしまう
深く深く沈んでいくような感覚。
私はラストに少し希望があると思ったのだけど
(広海が不正を暴こうとしていると捉えた)
それすらも阻止されてしまいそうな怖さを含めて面白かった。
個人的な見解としては、2人はやはり姉弟なのかな〜。
はっきりさせていないからこそ、読んだ人とネタバレ有りで語りたくなる作品だった。