あらすじ
皇帝は帝都・長安を捨て、中国全土に反乱があいつぎ、隋の権威は地に墜ちていた。群雄割拠の時代を迎え、北方を守る太原留守(りゅうしゅ)・李淵(りえん)の次男・李世民(りせいみん)は李淵に決起をうながし、大陸の覇権を賭けて長安をめざした。唐朝第2代皇帝となる李世民の後戻りのできない戦いを描くロマンとスペクタクルの中国歴史長編。
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Posted by ブクログ
唐の太祖、李世民を主人公にした中国歴史小説。660Pと大ぶりな割に登場人物と物語が大きすぎて薄っぺらいイメージになってしまってるのが残念だなぁ。
小さい章立てで戦や歴史上の事件を次々と描いていく手法は「ここんとこの話もうちょっと掘り下げて読んでみたい」と思う事仕切り、一人一人の登場人物達もそれぞれ実に魅力的で、もっとじっくり向き合いたいのに意外とあっさり舞台からいなくなったり、脇役になってしまったりするのが残念
ただ、この手法を試行錯誤し研鑽した結果が「月に注ぐは清き酒」になっていくのだと分かっているので、デビュー作であるが故の荒削りさと認めてしまえる。
主人公李世民は好人物すぎ。これじゃかえって個性が埋没してしまってると思う。兄貴や父親の方がキャラとしは立ってるよぉ。
Posted by ブクログ
塚本先生と同じ題材で勝負してくるとは、なかなかの度胸です。
この小前先生は塚本先生のような自由人と違い、丹念にエピソード
を積み重ねる堅実派です。
執筆当時の年齢が30前だったせいか、登場してくる人物の存在感と
きたら、まるでペラペラの薄紙のようです。
ですが中国語を読めないけれど、小説等で楽に「李世民」を
読みたい、私のような人間には有難い作者です。
大家になる感じは全くなさそうですが、これからもコンスタントに作品
を出し続けながら、少しずつ成長してほしい人材です。
若者を暖かい目で見守れる方か、塚本先生の濃い人物描写(笑)が
苦手な人にオススメです。