あらすじ
イェール大でつかんだ「勉強好き」になる方法、全部教えます!
田舎の公立学校からアイビーリーグの先生へ。政治学者、元衆議院議員の顔も持つ著者の願いは「日本の子どもに学ぶ喜びを伝えたい」。先行き不透明な時代を生き抜く、不動の「学ぶ力」をいかに身につけるか。大人はそれをどうサポートすべきか。教養教育の名門イェール大学で学び教えた10年間の経験と実感を込めた、渾身の「子どものためのリベラルアーツ」指南書。教育に関わるすべての人に。
[内 容]
序章 「グローバル時代」に必要な知力とは
第1章 日本の子どもが得意なことと苦手なこと
第2章 「問う」ための環境づくり
第3章 「考える」ための学問の作法
第4章 「表現する」ための読書法
第5章 「学問」として各教科を点検する
第6章 英語を学ぶときに覚えておいてほしいこと
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Posted by ブクログ
著者は学ぶ喜びと作法を伝えたいと願い、10歳の小学生であっても小さな研究者、国際的なコミュニケーション能力と創造力を発揮できる人物になるための環境や勉強法などに言及している。
全ての子どもがそうした環境を望んでいる、あるいは家庭を含め環境が整えられるかを思うと、いわゆる秀才やエリートのための情報のように感じられた。
しかし、これからの社会に貢献できる人物たるには、そうした気概や取り組み、そして教育環境が重要であると思う。向学心にめざめた子には、小さな研究者たるべき環境や学びが用意できる社会を望みたい。
14-123
Posted by ブクログ
10歳の子をもつ親や教師を対象に書かれているが、学びの根本について書かれた本。筆者が留学していたイェール大学と日本の教育を比較して論じている点が興味深い。高校までの日本の教育が非常に高い水準なのに、大学を出ると並み(以下)に下がってしまう点、読書では原典や古典に当たること、やらされの学問ではなく、学びの喜びを伝えることなど、正論を述べているが実際の現場でいかに可能かまで踏み込んでほしかったので、星1つマイナスの4つにした。
Posted by ブクログ
現状、日本では学問、勉強が受験からの逆算でしか考えられていないという。「問う」ことよりも答えを憶えることが優先される教育現場。著者は言う「あらかじめ設定された問いの枠組みの中で、どれだけ技術を磨いても学問の本質である「問う」ことができなければ、学びの道は成就しない。」
教育の現場に多様性を担保しようとする米国と、逆になるべく均質な学生を集めて効率的に管理する日本。
英語学習については、「伝えるべきメッセージがなければ、母語だろうと外国語だろうと、相手を説得することはできない」「学習意欲が高くないとどんな工夫した指導法も無駄に終わる」
「自然科学でも人文科学でも社会科学でも、基本的な学びの作法は同じであること、教養教育は、将来どのような専門分野に進むことになっても役立つこと、どんな学問をするためにも必要な問う・考える・表現する力を養っておくこと。」が必要との基本的な考え方の下、その理由や具体的な方法論、英語を学ぶことの意味・目的・方法などを「10歳の子供に話しかけるように書いた」としている。
外部参照(=引用元を確認していく作業を含め、複数の文献を読み込んでいく読書)を行いながら批判的に読む事が「問う力」の涵養には不可欠である
はじめに 自ら学び、問うために
序章 「グローバル時代」に必要な知力とは
第1章 日本の子どもが得意なことと苦手なこと
第2章 「問う」ための環境づくり
第3章 「考える」ための学問の作法
第4章 「表現する」ための読書法
第5章 「学問」として各教科を点検する
第6章 英語を学ぶときに覚えておいてほしいこと
イェール人インタビュー1 「現状満足」から一歩踏み出せば、いろんな世界が見えてくる 是永淳
イェール人インタビュー2 なぜ考えるのか、なぜ怒るのか。人の根源について知りたい 富田進
おわりに 世界のどこでも生きていける一生ものの学びを
Posted by ブクログ
イェール大学で学び、教鞭も取っていた著者が、日本人がグローバル人材になるために必要なことを考え塾を作った。
そこで実践されていること少しと、そういう現在に至った経緯と考え方がまとめられている。
きっとイェール大学は魅力的な大学なのだろう。
しかし、どうしても主語が先生で、「教えてあげる」感が強く感じてしまう。ご本人が偉大であろうからこそ。
そういう人とある時期に接することは、非常に有益であるとも思う。しかし、そのことが契機となり、自発的努力によって学んでいけるかどうかは、もっと以前の環境や教育が重要であるように思えた。
〈グローバル人材に必要な資質〉
・日本人としてのアイデンティティ
・広い教養と専門性
・相互理解に努めるコミュニケーション能力
・新しい価値を創造できる能力
・社会貢献意識