【感想・ネタバレ】鬼切丸伝 (7)【電子版特典付】のレビュー

あらすじ

明かされざる歴史の闇には「鬼」に連なる真実が隠されている…。
人を超越した圧倒的な力を持つ鬼。
その肉を断つことのできる神器名剣「鬼切丸」を携えた少年は、人間の天敵である鬼を倒す日々を送っていた。

慶長5年、四国・土佐の地に巻き起こる「浦戸一揆」。
犬神使い「なつ」と、一領具足「甚八」はそこで出会う。
土佐の地にはびこる鬼を討つ宿命を背負いながらも権力に迫害され、滅亡の一途を辿る犬神使いは、半農半兵の鷹揚な野武士とやがて恋に落ちるが、2人の運命は戦乱の世に翻弄されていく。
陰謀・裏切りにまみれた激戦が次々と鬼を生み、鬼切丸の少年は呼び寄せられる様に土佐の地に降り立つのだった…。

第7巻は土佐・宇和島を舞台にした四国編全4話と「卒塔婆鬼小町」を収録。
儚い世を生きた女たちの業と愛をめぐり、鬼と化す者、鬼を断つ者、それぞれの情念が入り乱れるエモーショナルロマンスアクション。
天才女流作家・楠桂が描く「日本史の闇と鬼切丸の少年との戦い」に刮目せよ!!

※電子版は書下ろしイラストへの作者サインを収録。

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Posted by ブクログ

ほんと、美麗である、この『鬼切丸伝』は
絵柄や鬼切丸らの容姿もそうだが、人が人として生きようとする姿に美しさが感じられる
そんな人間と関わり合いを持つ一方で、人として生き続ける事が、怒りや憎しみに飲まれる心の弱さゆえに出来ず、鬼と化した憐れな者を、一欠けらの慈悲を持って、鬼切丸で斬る鬼切丸自身が、人間らしさを少しずつ得ていく、変化、これが『鬼切丸伝』の魅力、と私は思っている
当然ながら、この(7)も残酷な描写が多いので、注意は必要だ
単に血生臭いだけなら大丈夫、と思っている人もいるだろうが、この『鬼切丸伝』は、自分の目的の為なら手段は選ばない人間の深い闇も剥き出しになっているので、油断しているとダメージを貰うことになる
人間ドラマとしても楽しめる作品だが、何気に、日本の歴史をディープに知る事が出来るって一面もある
楠先生、しっかりと取材して、史実で起きた、どの争乱なら、鬼切丸伝を変えていく事が出来るか、考えているんだろうな
この(7)で、鬼切丸は土佐の地を守護する犬神憑きのなつと再会し、彼女の子供達とも接触することに
二人で一人前の犬神憑きである甚壱と八重、彼らが再び、鬼切丸と強い鬼を討つ為に共闘する時は来るんだろうか
この台詞を引用に選んだのは、鬼切丸も変わったな、良い意味で、と感じたので
かつての、鬼を殺す鬼、その宿命だけに縛られ、戦っていた、どこか冷たい印象が漂う彼ならば、決して、言えなかったコトバだ
愛、それは人を鬼に変える感情である一方で、人に留まらせる唯一のモノ、と知ったんだろう
しかし、改めて言うまでもないが、鬼切丸って結構、マザコンの気があるんだよなぁ
顔がイイから、残念って感じはないにしてもなぁ
「うちを愛してくれた男が殺されたがよ・・・そんなうちが、どうすれば、誰も恨まずにおられるんや?」
「その男が、愛したままの女でおれば、良いではないか!!」(byなつ、鬼切丸)

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2019年05月05日

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