あらすじ
岡山のバイオ企業、林原は長らく同族経営の手本とされてきました。
元社長の著者は、日本経済新聞の「私の履歴書」に当時の史上最年少で登場。
そんな名門企業がなぜ倒産しなければならなかったのか。
父、林原一郎との対立、末弟との絶対的上下関係、早世したもう一人の弟との約束。
林原家に深く埋め込まれた、破綻に向かう必然のストーリーを、著者が初めて明らかにします。
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Posted by ブクログ
トレハロースやIFN(カバヤも元々はこのグループだったというのは初耳だった)でおなじみの林原がある日突然ご臨終になってしまった経緯を淡々と書きつらねている。
銀行に騙された、という論調の弟による「破綻」よりも客観的な態度が好感を抱かせる。
同族経営についてはその強み(林原のように100%を一族で保有している場合、株主=取締役であるため、成功が難しそうで長期的な研究活動に予算をさける)、弱み(トップに意見するものがおらず独善におちいりやすい)
不動産屋美術品を集めていたことについても批判が多いが、これは父親の教えによるものなんだとか。特に、著者が社長になってからは10年単位の研究を商品化していくという長いサイクルが同社の強みになっており、そのため、「一発当たる」までの収入を得るために不動産屋骨董品を「太陽殖産」というグループ会社で管理していた
・長男に資産の全てを集中するのは間違っていない。兄弟で分けると、将来骨肉の争いが必発