あらすじ
11月7日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。朝になれば全てがリセットされる日々。この繰り返しに終わりは来るのか──。圧倒的な切なさと美しさに満ちた傑作中編集。
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Posted by ブクログ
表題作含む3編が収録されていました
秋の牢獄
神家没落
幻は夜に成長する
秋の牢獄は同じ1日を繰り返す時間の牢獄に囚われた人のお話。
神家没落は家に囚われたは人のお話。
幻は夜に成長するは幻術(精神の幽閉?)に囚われた人のお話。
どのお話もラストが幻想的で切なさも混じっており素敵でした。恒川さんの作品は世界観や言葉のセンスがとっても好み!
表題作はとある1日から抜け出せなくなる中で仲間を見つけ、どうしたらこの1日から抜け出せるのか、その先はどうなるかなど考えることがたくさん。そんな中で少しずつ仲間が減っていき、登場人物たちの気持ちも変化していく様子が丁寧に描かれていてよかったです!
2つ目の作品の主人公が次に交代した家守がまさかの…という伏線の回収もよかった、こういう伏線回収の仕方好き!
最後の作品はちょっと私には難しかったけど、不思議な世界観を味わっていました
解説を読んでさらに物語への理解が深まりました
Posted by ブクログ
三篇のお話からなる本ですがどれも違った味わいがあり好きです。
恒川さんの世界はいつも美しくうっとりすることが多い反面、いきなり切りつけられるような残酷さが鮮やかに引き立つような気がします。
二つ目の迷家の話が特にそうで、主人公とともに幻想にひたっていたのに突然現実をつきつけられ、なかなか衝撃がありました。
でもそこが好き!