あらすじ
『64』で話題沸騰! 横山秀夫の警察小説の原点!
署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は内部か、外部か? 男たちの矜持がぶつかりあう。表題作(第53回日本推理作家協会賞受賞作)ほか、女子高生殺しの前科を持つ男が、匿名の殺人依頼電話に苦悩する「逆転の夏」。地方新聞の警察担当記者が主人公の「ネタ元」、公判中の居眠りで失脚する裁判官を描いた「密室の人」、珠玉の四篇を収録。
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Posted by ブクログ
またまたいぶし銀の渋みが随所に出てくる短編集。
今回は県警本部警務課勤務の警視の他、犯罪に手を染めた者、犯罪を記事にする新聞記者、犯罪者を裁く裁判官、と犯罪絡みの4編。
自分の職務や人生に迷いを感じる主人公たち。揺れる気持ちがストレートに伝わり胸が締め付けられた。罪を犯す怖さを嫌というほど知り尽くした彼らのリアルな姿に共感した。
相変わらずオチの付け方が巧い。また情景描写も巧いので映像がドラマのように目に浮かんでくる…と思ったら既にTVドラマ化されている短編もあって納得。
特に『逆転の夏』がいい、と思っていたらドラマはなんと佐藤浩市が主演なんて!これはぜひ観てみたい。
Posted by ブクログ
「逆転の夏」が印象的。人間の弱さ、憎しみの強さを感じさせる作品。登場人物は元殺人犯の男と正体不明の謎の男、愛しい人を奪った殺人犯を憎む男達。
元殺人犯は一夜で計画を考え、被害者達は何年もかけて計画を練る、実に対照的。結果、憎しみにより新たな事実を知ることになったのは何とも言えない悲しさがあった。けれど、人生ってそういうもんなのかな〜知らなければ良かったってことがたくさんあるように思う