あらすじ
消費者意識が高まる中、それに付け込んだ非人間的かつ悪質なクレーマー ── IPBCの存在が企業の倒産リスクを高めるまで問題化していた。これに対抗すべく起ち上げられたのがエマージェンシーカスタマーセンターである。 センターには常人には耐えられぬ、鼓膜を突き抜ける怨嗟の声が渦巻く。それに微動だにしない青年がいる。榊原常光、唯一の対IPBCのプロフェッショナル。狡猾かつ理不尽な相手に、それ以上に狡猾にそして冷酷に追い詰めていく常光。だが、今までにない異常な相手が現れ──。
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Posted by ブクログ
10冊くらいまとめ買いする中に1冊くらい失敗があっても良いかなと思って購入したけど予想外に面白かった。
実際のクレーマー対応はこんなスッキリはしないだろうが、だからこそ痛快に読めた。
さて、続編を買いに行こう。それが期待外れならどこに文句を言おうかな。
Posted by ブクログ
面白かった!
いくつかの企業の悪質クレーム対応をカスタマー統合して対応する特殊組織が設立され、持ち込まれる特殊クレーマー(IPBC)に対処。
IPBCはクレームを付け続けて電話対応者を精神的に追いつめ、PTSD、最後は死に追い込むので普通の人には対応できない。
会話の持っていき方に、怖さと先を知りたい欲求で一気読みでした。
対処の仕方は本書のように、先読みと記憶力と正面対応しない事なんだろうなぁ。
こんな世界もきっとあると戦慄しました。
折角変わったメンバーが多く居るのに活躍がなくて残念。
あとヒロイン多すぎ、主人公モテすぎにびっくり。
誰の事も意識してないし、今後もくっつかないと思われるが、宮ノ内さんには憧れや羨望があっても別世界の人として手を伸ばさないだろうし、共感性が高いのは呉道さんだけど、相容れない。
突発参戦の上司と女子高生は眼中にないだろうし、江東さんは同期友人枠で完結してそう。特に彼女は『私だけは分かってる』感が強いので、それを表に出したら榊原はきっちり一線引きそうでもある。
恋愛より、他メンバーそれぞれのクレーム対応をもっと読みたかったな。
続編出ないかな!
Posted by ブクログ
接客業――つまりサービスに携わる人間にとって、常に問題となるのはクレーマーの存在です。クレームの発生原因は自分たちにあるかも知れない、顧客である相手にあるかも知れない。でもどういった問題でも話が拗れてしまうと業務に関わる負担も大きくなり、一朝一夕で解決出来る問題ではなくなってしまう。そういうことがある。時には、一企業ではどうすることも出来ず、裁判沙汰となるケースもあるかも知れない。
そうしたクレーム問題と真っ向勝負した作品が本作『マリシャスクレーム』だ。えげつない程に心の歪曲したクレーマーを相手に、クレーム対応の専門会社<エマージェンシーカスタマーセンター>の面々が活躍する物語。
今までの小説にはなかったような、それこそメディアワークス文庫の方針でもある、「いままでにはなかったエンタテインメント」を提供している。
この小説は、接客をやっている人間ややっていた人間、皆に読んで欲しい。辛辣なクレーマーの態度や口調は、読みながら「ああ、こういうのいるいる!」と共感出来ること受け合い。接客をしたことがない人にとっては「まさか、荒唐無稽だ」と感じるかも知れないが、いるんですよ。こういう顧客は。【312P】
Posted by ブクログ
軽く読めた。題材はとても面白いと思うが、肝心のクレーマーvs主人公がいまいちスッキリしない。「地獄を見せてやる」という割に、あんまりやっつけられていないような。こちら側がかなり執拗に苦しめられた分、思いっきりやり返してほしいのに反撃が割に合ってないように感じるので、爽快感がない。
あと無駄にヒロインキャラが多すぎ。
多様なメンバーがそれぞれのやり口でクレーマーを撃退してところが一番楽しかった。
Posted by ブクログ
面白かったのだけど、クレーム読みながら気分悪くなっちゃって・・・・。こんな思い毎日してたら持たないわ私。窓口でもこーゆー訳わかんない人いたなあと思い出しながら、理不尽だったよなあと。頭下がります。そして今後の参考にもさせていただきたいです。できることなら使わずに過ごしたいですが。
そして続きが気になるのでした。
Posted by ブクログ
オペレーター個人を徹底的に攻撃する、「非人間的異常性悪質クレーマー(IPBC)」と、これに対抗する少数精鋭のコールセンターとの戦いを描いた新感覚サスペンス。電話を通した駆け引きだけでこれだけ緊張感があるのは、クレームに負けて回復不能なまでにダメージを負ったオペレーターたちの生々しい姿が書かれているからだと思います。ストーリー展開は、最後の最後までもつれる意外な展開で、正直やられました。自分にはこの仕事は無理だなあと、あらためて感じました。
Posted by ブクログ
壊れたものを直す仕事をしていると、この世の中に壊れていないものなんてないんじゃないかと疑いたくなってくる。
どんでん返しはさほどの衝撃ではなく、ラスボスも今だ影しか見せず、明らかに続編を意識した作りになっている、物語がすべて閉じたときにこの作品の真の評価が与えられるのだろう
Posted by ブクログ
お客様相談室が舞台のお話。
もともとこういう設定は好きだし、個性豊かなスペシャリストの集まる特別課というのも好き。
ただ、専門用語とか理屈が難しくて、1回じゃ理解できなかった。
改めて、もう一度読みたいと思います。
Posted by ブクログ
悪質クレーマー対サポートセンターの攻防を軸に描かれた作品。
小説はいえ、クレーマーの言葉を読むのは不愉快なんじゃないかなと思って、一度は買うのをやめたけど結局買ってみた本です。結果としては、実録風ではなく、ちゃんと小説になっているので、普通に読めました。
構成的にはややもったいないかなと感じました。主人公と父親の確執とか、主人公の部下たちと周りの人たち、魅力的な設定はいっぱいあるのに、どれももう一つ生かされてなかった感じがします。
次回作があったら、もう少しそれぞれの要素を掘り下げて欲しいです。
Posted by ブクログ
プロット、設定は凄い面白い!現実的にいっぱいこの
社会にあるであろう「クレーム」。それも常軌を逸した
ハードなクレームが人や企業を追い込んでいく...ってのは
かなりリアルで怖い。自分も以前小売店での接客勤務だった
時もなかなかのクレーマーがいた事を思い出しました。
今作に登場するようなアッチ系の人も少なからずいましたしw。
と、非常に面白く、いい設定なのですが、いかんせん
ストーリー展開と人物描写が...甘すぎます。主人公の
榊原の心情やその周囲の人間がほとんど見えてこない。
前半にいいキャラもいたのに、殆ど出番ナシ。
もう少しシンプルな設定にして、悪質クレーマーとの
言葉と心理駆け引きを主とした頭脳戦をメインにしたり、
このカスタマーセンター全員が絡むような、明確な
対決の構図にした方が...好みでした...残念。
面白いのに、凄く惜しいっ。