あらすじ
高校最後の一年と四郎を残し、未来は去った。広美と結ばれた四郎は、彼女との将来のため料理を勉強し、広島に留まろうと考え始める。気が置けない友人達や相変わらずの和田、ぎこちなさはありつつも、優しいままの三好。未来だけがいない穏やかな日々を過ごし卒業を迎えた四郎は、独り立ちを前に父からの誘いで一時東京へ戻ることに。これからのことを母や姉達にも伝え、自分の未来へ歩き出した彼に、思いがけない再会の時が訪れる――。待望の、最終幕。
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Posted by ブクログ
毎回毎回四郎と未来の関係がどうなることかと恐ろしい思いをしながら読んでいたけど、終わってみれば綺麗な収まり方だった。
お前あいつと付き合ってたのに今はそいつと付き合ってるんか!?みたいに思ってしまうシーンは幾つも有ったけど、それぞれが過去のしがらみや後悔から一歩踏み出して変わることが出来た証でもあるんだろうなとも思う。
正直四郎と広美が付き合うことになったのは読み終わった今でもいい意味で驚いていたりする。やっぱりライトノベルってメインヒロインっていう者が居て、他にもヒロインが何人か居るけれど基本的には最初から最後まで第1巻の表紙を飾った女の子が優位でラストではその娘と結ばれる。
そんなライトノベルばっかり読んでいたから本作ではそもそも織田未来をヒロインと捉えて良いのか?、そうでないなら三好と結ばれるのか?となかなかに悩みながら読んでいたのだ。
そんなふうに考えていたから四郎が広美に依存するのではなく一人立ちの一環として、また純粋に広美に好意を抱くことによって彼女と真剣に交際を始めたのはやはり驚きの展開だった。あの親父の元カノだもんなぁ……。それでも終わってみれば全てが良い方向に落ち着いていたのは本人たちの努力の結果というよりも、時間経過によって少しずつ大人になっていったということなんだろうな
四郎は未来を親友と見られるようになり家族との仲も改善、未来は自分の体を否定しない将来を思い描くようになった。三好や要、ボンちゃんも幸福の兆しが見えたのはとても良かったと思う。和田にももう少し良い結果が作中で訪れて欲しかったとも思うけれど
やはりライトノベルとしては風変わりだったけれど、この作品に出会えて良かったと心から思える作品だった