【感想・ネタバレ】ナボコフの文学講義 上のレビュー

あらすじ

世界文学を代表する巨匠にして、小説読みの達人ナボコフによるヨーロッパ文学講義録。なにより細部にこだわり、未踏の新しい世界として小説を読み解いてゆく。上巻は、フロベール『ボヴァリー夫人』ほか、オースティン、ディケンズ作品の三講義に加え、名評論「良き読者と良き作家」を所収。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『ボヴァリー夫人』読後すぐに、ギュスターヴ・フロベールの章を読んだ。
フロベールの手紙も引用して『ボヴァリー夫人』を詳細に紐解く。かなり細かい説明があり、共進会の読み難かった部分は交響楽を模して表現していた事に納得した。
フロベールは対位法的手法を取り入れて書いている。この手法は、複数の会話や思考の流れを、平行して挿入したり、絡ませたりする。
また、章の中で主題が波のような流動態で移行していく、構造的移行も用いている。
正にナボコフの講義を聞いているようであった。
ナボコフは言う。良き読者は小説と同化して読まない。共感ではなく、客観的に読むということかな。そして再読し、情景を脳内に再現できるぐらいにかなり緻密に読むことを勧めている。


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2025年07月06日

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