あらすじ
ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題されたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。この一家の過去にいったい何があったのか? 絶望的な暗黒の世界から一転、深い愛へと辿り着くラストまで、ページを繰る手が止まらない衝撃の恋愛ミステリー! まほかるブームを生んだ超話題作、ついに文庫化!
...続きを読む
突然の不幸が次々と家族を襲うさなか、実家の押入れから発見された「ユリゴコロ」というタイトルの奇妙なノート。そこに書かれた「殺人鬼の半生」は一体誰のものなのか。それが判明する時、彼の現実も動き出す…!
「ユリゴコロ」というノートに綴られた殺人の記憶は、目を覆いたくなるほど残酷で、全くもって共感しがたい。しかしその柔らかな文体からは、どことなく人間に対する不器用な愛情らしきものを感じてしまう。
作品自体が小説であるのに、作中でも「書かれていることが真実だという直観から逃れらなかった」と述べられているように、このノートの内容はフィクションの類ではなく、本物の手記なのでは?と思えてしまう。その表現力は圧巻。
後味の悪いミステリー「イヤミス」に挙げられる作品だが、不思議と人間の暖かさが余韻に残る作品です。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
映画視聴済みで内容を知っていたが、原作とは展開が少し異なり、どちらもそれぞれに良かった。 父の部屋で見つけた「ユリゴコロ」というノートには絶望的な殺人鬼の告白が綴られていた。不穏な内容は徐々に深い「愛の話」へと変貌していく。生きづらさ、愛のかたち、母と子という自分の好きな要素がすべて詰まった、忘れられない一冊。 ただ、ノートの熱量に比べ、現在の亮介に関する物語は読むスピードが落ちてしまった。しかし、それも最後のどんでん返しのための必要な部分で、全体的には過去ベスト10に入るお気に入りになった。
Posted by ブクログ
かなり過激なユリゴコロを持って生きてきた人物が、
最終的には見守るような立場になり、
最後に登場するときはかなり驚いた。
展開が読めなく、面白い。
Posted by ブクログ
ユリゴコロってなんだろう。
話題になった「ユリゴコロ」は題名が意味不明なのがかえって面白そうに思った。
二ヶ月前に母が亡くなり、祖母はケアハウスに入っていて、父が世話に通っている。その父も膵臓がんなのだが、治療を拒んでいる。
亮介には弟の洋平がいる。
亮介は家を出て、ペット同伴の、シャギーヘッドと言う喫茶店を開いている。
たまたま実家に帰ると押入れが開いていて、雑に出して片付けたようなダンボールの箱が見つかった。父のものだったが、底の方に茶封筒に入った4冊のノートがあった。
日記と言うか手記というか、誰かが書いたらしい文字がびっしりと詰まっていた。最後に空白が残っているものもあった。父のものだと思うと気がとがめたが、読んでみた。
タイトルはユリゴコロと読めた。そしてひどく特異な出来事が記されていた。
私のように平気で人を殺す人間は、脳の仕組みがどこか普通と違うのでしょうか。脳の中ではいろいろなホルモンが複雑に作用しあっていて、そのバランスがほんの少し変化するだけで、気分や性格がずいぶん変わるのだとか (略) 私の診察はすぐすみましたが、そのあとで母はいつも、家での私の様子を長々と医師に話しました。医師は毎回同じ、低い声で話す、眼鏡をかけた人でした。ときには涙も混じる母の話を、根気よく頷きながら聞いていましたが、必要になればぼそぼそと説明をさしはさみます。言い訳めいた口調でよく言っていたのは、この子には・・・のユリゴコロがないからしかたがない、というふうなことです。・・・の部分はときによってちがうので覚え切れませんでしたが、ともかく、いろいろな種類のユリゴコロがあって、そのどれもがわたしにはないらしいのです。
書き出しがこうだった。
怖くなってダンボールを押入れに戻して、そのうち忘れるだろうと思ったのだが、最後まで読まずにいられなかった。
父が出掛けたすきに押入れを開けて、誰が書いたのかわからないまま、ノートを読み進んでいく。
亮介は幼いとき肺炎で入院したことがある。母はベッドのそばで優しく看病をしてくれた。そんな事をおぼろげながら覚えている。退院してうちに帰ると住んでいた前橋から奈良の駒川市に引っ越していた。入院前と後ではなんとなく母の印象が違っていたように思ったが、子供心の思いなどは当てにならない。
そういえば母が亡くなる前、何かにおびえているように見えなかっただろうか。
それにしても、亮介にとっても内容が重たすぎる。弟に協力してもらって、気になるところから解決しようと思う。
父に直接は聞きづらいし、弟は軽い気持ちで聞き流しているようだ。
見つけた手記も気になるが、店のシャギーヘッドでは結婚の約束をしていた店員の千絵が出て行ってしまう。なにも言わないで消えてしまった。店員なので手を抜いて採用時の書類もない。亮介は気力がうせてしまう。
だが店で何かと気に掛けてくれる年配の店員の細谷さんが、一番の支えだった。
細谷さんは千絵のことを自分のことにように調べだす。
そして行方を突き止めてくれた。
もうたまらず手記を読み終え、勇気を出して父に聞いてみた。これは誰が書いたものですか。
父はもう先が永くは無いだろう、と話すことにした。
亮介は、全てについて知る。
手記と亮介の生活が交互に書かれている。不思議な出来事は緊張感があり、周りの思いやりが重く、ときには暖かく、最終章に向かっていく。
変わった設定、情景の描写が続くが読後感は悪くない。と言うより、珍しいケースをテーマにした面白い話だった。
Posted by ブクログ
とにかく手記の内容がリアルでグロい。グロいのが割と得意な私でもリスカの具体的な表現は読み進めるのを躊躇したが、なんとか読めた。
最後まさかの細谷さんが、産みの親?!殺人鬼?!
ユリゴコロを求めて殺人をしていたがサイコパスってこんな感じの考え方なのかとおもった。
Posted by ブクログ
ユリゴコロの続きが気になって読む手が止まらなかったです。最後の最後まで「そういうこと!?」のサプライズがあって面白かった。
私の性格の問題なのですが、きちんとしていた人が報われる、悪いやつはちゃんと裁かれる世界が好きなので、人を殺めたり、ふわふわ暮らしていたり、ちゃっかり浮気していたりする人たちがハッピーエンドを迎える展開はうーん…でした。また、美紗子に何故か千絵を投影してしまうとか、細谷さんとのラッキーすけべ?みたいな変な伏線、何故か捕まらない美紗子等、リアリティの無さも少し残念に思いました。
Posted by ブクログ
私、沼田まほかるさん好きだわ、、、文章が読みやすくてでも陰湿でリアル。終始考え方が理解できなくて好きだった。
最後の展開、何も考えないで読んでるからか全く予想してなくてびっくりした。
2026
2回目。なんとなく覚えていたけど面白かった!
描写が生々しくて途中主人公のように息がしづらくなった、、、
酷
ひどく残酷で,おそろしい話のはずなのに,なぜかラストは綺麗に感じてしまう。
細谷さんの,無償の愛を超えた,残酷なまでの愛情。
人を殺してでも,守りたいもの。
おそろしい「ユリゴコロ」は,歪んではいるものの,唯一無二の「オヤゴコロ」に生まれ変わったのかもしれない。
Posted by ブクログ
殺人衝動のある女性が出てくる物語と聞いて気になって読んでみた。(ヒメアノ〜ルが好きなので)
美沙子の手記は、仄暗く、人に理解されない性質を持つ者の心情が書かれている感じでとても面白かった。
家族の秘密が段々明かされていって、続きが気になりすぐに読み終わった。
ただ、千絵の元夫の殺害からラストまでが微妙。
亮介に降りかかる不幸の一つとしての千絵の失踪と、美沙子が誰がのために人を殺すための千絵の元夫の設定と、舞台装置感が否めない…途中まではすごい面白かったんだけどなー
Posted by ブクログ
面白かったです!
読みやすくて続きが気になってどんどん集中して読んだ。今までにないミステリーで良かった
普段なるべく推理せず無で読んでるはずなのに、なぜかこの本ではこれって〇〇じゃ?と浮かんでしまって、そこから離れなくなって、後半全部当ててしまった。
そんな中でもうわーって楽しめたし感情が動いたから良いもんは良い。
Posted by ブクログ
2026.1.23
久しぶりに1日で読み切った。
手記を書いたのは誰なんだろうってずっと考えながら読んでて最初はいなくなった千絵なのかなって思ってたけど、まさかの母だったのは驚いた。
細谷さんがその母だったのは全然信じられなくて父に伝えられた後も嘘だろ???って思った。(今も信じれてない)
手記の内容が生々しくて、読んでて情景がリアルに想像できてちょっと苦しかった。最近読んだ本の内容と若干似てるところがあって、そこも偶然だけどびっくりした。主人公は千絵とこれから仲良く暮らしていけるのかな、母が身近にいたことを知ってもっと話したかったんじゃないかなって勝手に悲しくなった。最近読んだ別の本は最後に希望が見えたから安心して読み終えれた。でもこれは過去のモヤモヤだったりもどかしさがスッキリした気がしたけど、最後はちょっと悲しく終わって寂しさが残った。気持ちの余裕がある時に読むといいかもしれない。