あらすじ
2014年松本清張賞受賞作
誰よりも戦闘機を知る著者が描く、理系ミステリーの決定版!
自衛隊戦闘機「TF-1」が、スクランブル飛行中に墜落した。この異様な事故を受け、防衛省は機体を製造する浜松の航空機メーカー、四星工業にその検証を依頼する。四星工業では入社三年目の技術者、沢本由佳が上司の永田とともに業務にあたっていた。シミュレーションの結果、事故はパイロットの単純な誤操作によるものだと判断されたが、永田は沢本が言った何気ない一言が気になり、すでに会社を辞めてデザイナーをしている同期の倉崎に話を持ちかける。スクランブル発進した自衛隊機は、なぜ不可解な事故を起こしたのか?背後に浮かび上がるのは、「TF-1」設計時に官(防衛省)と民(航空機メーカー)がそれぞれ抱え込んでいた闇だった。
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Posted by ブクログ
推定脅威
松本清張賞受賞と戦闘機ものということで一読。
自衛隊の国産戦闘機TF-1が立て続けにスクランブル中に墜落。超低空、超低速でのストールと、超音速での燃料切れが原因だったが、その状況が作られたものだったという疑念を元に若き女性航空技師が謎に挑むというお話。
著者は元航空機の開発に携わっていたとのことで、設計・開発や自衛隊による運用に関してはやたら詳しく書かれています。
でも、陰謀を主導する側の動機や方法に関しては何回かのモノローグでしか書かれていないので、ちょっと片手落ちといった感じ。
キャラクターたちもステレオタイプで描かれていて、小説としては残念。
まあ、技術屋さんが書いた小説はほとんどがこういった感じなので、最初からあまり期待はしていなかったですが、残念ながら予想通りでした。
竹蔵