【感想・ネタバレ】ドラッカーと論語のレビュー

あらすじ

長きにわたって読み継がれる
「経営者の二大経典」が一挙にわかる画期的書!

孔子の『論語』とドラッカーの『マネジメント』。 両者が生きた時代はまったく異なるが、『論語』と『マネジメント』で語られる「組織」、そして人間の生き方という部分では、本質的な共鳴を見せている。
難解な『マネジメント』を読み解くため、『論語』をサブテキストとして用いる。一見すると奇をてらったような手法に見えるが、実はドラッカーを理解する「近道」だと私は考えている。
東西の2人の知の巨人が後世に生きる我々になにを伝えたかったのか。読者の皆様がそれを理解していく上で、本書がその一助になれば幸いである。(序章より)


【主な内容】
はじめに ドラッカーと孔子の対話
序章 もしドラッカーが『もしドラ』を読んだら

第1部 ドラッカー思想の本質
1章 マネジメント<徳治>
2章 マーケティング<知己>
3章 イノベーション<学習>

第2部 ドラッカー思想の歴史的意義
4章 全体主義<組織の罠>

第3部 ドラッカー思想の現代的意義
5章 情報<コンピューターの衝撃>
6章 ポスト資本主義<組織解体の時代の組織>
終章 未来への道

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Posted by ブクログ

投稿日 2014-11-09 10:11:00
論語を通じてドラッカーを解釈する本。

といっても、それほど驚くことではないかもしれない。
なぜなら、日本の資本主義の創設者(?)の渋沢栄一は、すでに経営を論語を通じて、論じていたわけだし、日本のビジネスマンの必読書として、「論語」をわきにおいて仕事をしている人も結構いるんじゃないかな?(私もそう)

が、安富さんが主張する「論語」の読みは、「フィードバックを伴う学習のプロセス」ということ。これはかなりの驚きで、これまで読んできた「論語」はなんだったんだ!と目から鱗が落ちまくりなんです。

これって、もうセンゲの「学習する組織」そのものだよね。
(センゲも、南懐瑾を通じて、多分「論語」は読んでいて、影響を受けていると思われる)

ということで、その安富さんが、ドラッカーをどう読みか?というのは、かなり注目。

安富さんが「論語」をこう読むという部分は、すでに他の本で知っていたのだけど、それにもとづくとドラッカーがこうなってしまうんだ、というのは、かなり納得性が高いです。
内容は、ぜひ読んでください。

で、なるほどと思ったのは、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を「もし、ドラッカーが、「もし高校・・・を読んだら』を読んだら」というところ。ここの部分は、たんに「つかみ」じゃなくて、かなりこの本のエッセンスに近いところにあるんですね。

つまり、マネージャーがもつべき根本的な資質としての「真摯さ」という翻訳の問題。
(「もしドラ」では、ここを読んで、主人公の女子高生は嗚咽する)

安富さんによると、原語は、”Integrity of character"で、直訳すれば、「人格の統合」つまり一個人として一貫性があるという意味のはず、「真摯さ」というのは、誤訳に近いのではないか?ちなみに「マネジメント」の最初の翻訳本では、「人間としての誠実さ」となっている。こうした原語により近い解釈があるにもかかわらず、わざわざ「真摯さ」という翻訳にしてしまったのは、確信犯ではないか。

つまり、日本の社会では、「人格の統合」、「学習する組織」用語では「自己マスタリー」、「言行一致」、西水美恵子さん用語では、単純に「本気」、というものが、機能しにくい。多分、それをやるとその人はいじめられてつぶされるので、日本にドラッカーを根付かせるために、上田惇生さんが「真摯さ」としたのではないか、という問題提起なんですね。

本当に、そのとおりだと思いました。
今の日本で、みんなが、「人生の目的」と「仕事の目的」の統合に進んだら、きっと会社的、社会的に大混乱なんでしょうね。(でも、私は、そうしたことが当たり前になる組織、社会になればいいと願っているんだけど)

でも、著者は、「真摯なドラッカー」は、賞味期限切れだと指摘します。
と同時に、現在でも、日本では、「人格の統合」は機能しないのではないか、とします。

というところで出てくるのが、「論語」を通じて、ドラッカーを読むという戦略だったんですね。西洋的な「人格の統合」という概念は、東洋の「論語」が本当は言いたかったことなのだ、というルートから「人格の統合」の必要性を訴えて行こうという戦略なんですね。

あー、素晴らしいな!

この発想って、渋沢栄一が、日本に資本主義を導入するときに、そのベースとして必要となる倫理性を論語に求めたのと同じ発想、同じ戦略なんですね。(西洋では、「プロテスタンティズム」の倫理性が資本主義の精神なのかな?)

いやいや、ドラッカーって、スゴいなと思いつつ、なんだかストイックな感じが今ひとつ好きになれなかったんですけど、「人格の統合」であったり、安富流の「論語」であるならば、大賛成ですよ。

上田惇生さんの訳でないドラッカーを読まなきゃ、という気分になりました。

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2021年02月15日

Posted by ブクログ

素晴らしい本です。ドラッカーを儒学を代表する論語で読みとくというのは、日本人のこころにあっているし、マネジメントの本質を理解しやすい。

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2015年08月25日

Posted by ブクログ

論語とマネジメントの解釈に賛否両論ありそうだけど、今や解釈に正解のない古典を自分のものにした人だからこそ語れる内容だと思う。精読、積読したい一冊。

0
2015年06月14日

Posted by ブクログ

ドラッカーと論語 安冨歩 東洋経済新報社

孔子の論語は暮らしの中で少々染み込んではいたけれど
ピーターFドラッカーによる「マネージメント」の提唱も
岩崎夏海の「もしドラ」も知らずにこの本を読みだしたので
最初の二ページを読むまでちんぷんかんぷんだった

マネージメント《徳治》武力によらず徳を持って目指す政治
           目的を定めた行為
マーケティング《知己》己と相手を知ることでニーズを生みだすコミュニケーン 
イノベーション《学習》手段としての経済を支える生産組織や制度と市場や製品の開発
           シェアはイノベーションを起こさない
           
ポスト資本主義は組織を解体するための組織
機械化の危険性・ブラック企業の小人化・情報を握る者・関所の消滅とコミュニケーション
P2P・企業とNPO・

常識人の常識を守りつつその標識を揺るがす・賞味期限の切れた真筆なドラッカー・
intrgrity of characterは真筆さや誠実さでなく
人格の統合=人として一貫性が有る=仁(歪められてブレることのない人格)
立場主義の日本では人格を省いた真筆さと言う誤訳があったからこそ
ドラッカー思想が受け入れられたのだと安冨さんは言う(p238)

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2019年08月31日

Posted by ブクログ

ドラッカーと論語の共通理解を示しながら、仁の重きについて述べており、とても興味深く考えさせられる内容であった。論語とドラッカーを個々に読んでみたいと感じた。ドラッカーのエッセンシャル版の捉え方が大きく変わり、もしドラを以前読んだことがあったが、流行としてのドラッカー火付け役としては意味があるが、内容は疑わしいと理解した。何度か読み返してみたい一冊。

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2017年01月03日

Posted by ブクログ

マネジメント、エッセンシャル版は本質を伝えてないんだと言うことがこれを読んでよく分かった。論語の解説も面白く、古典を旅する学問の面白さの一端にも触れられたような気がする。

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2016年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

# ポイント

1. マネージャーは「学習回路が開いた状態を維持し、過ちを素直に認めてそれを修正できる仁たりうる者」である。
2. 孔子→仁(学び続ける) ドラッカー→フィードバックと学習 言葉は違うが、同じことを言っている。
3. 「自分たちは何をすべきか?」を起点にし、企業(事業)の『目的』を考える。利益や客数増加はあくまで結果である。
4. ドラッカーは「経営者に大切なのは『人となり』」と言い、孔子は『徳治』を説いた
5. マーケティングは販売を不要にする。本当に必要な商品やサービスなら、勝手に売れる
6. 「お客様目線」といった考え方は他人の感覚に自分を迎合させることになり、それは自分の感覚を他人に譲り渡し「己」を見失うこと
7. 予期せぬ失敗は、イノベーションの兆候。危機や予期せぬ事態が起きた時、素直に認め、現実を直視し、変革を受け入れる。
8. イノベーションとは、ものの見方や認識、考え方などを改めること
9. 「成長と肥満の混同」目的を見誤ると、ただ大きくなることだけに目がいくようになる
10. フロイトの甥であるエドワード・バーネイズは「広告の父」と呼ばれる。プロパガンダ(世論誘導)やPR(パブリック・リレーションズ)という概念を世界に広めた人物。
11. 王道と覇道
12. 自ら「外の世界」へ行き、人の話を聞き、自分の目で現実を見てくることが「マネジメント」にとって有益

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

旭山動物園のミッションは人類に野生動物のものすごい迫力を思い知らせること
組織を構成するのは、人間である。人間の集まりを運営する事は人間にしかできない。どんな技術が進歩しても、機械やシステムは仁たりえない
1.真剣に自分を知る努力をする
2.他人のことを理解することができるようになる
3.その結果、自分を他人に理解してもらうことができる
ドラッカーは、コンピューター内にある情報は所詮、組織内部のデータに過ぎないと述べ、組織が必要としている情報は組織の外にあると断言している
今や、顧客が情報を持っている。誰であれ、情報を持つものが力を持つ

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2019年09月01日

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