あらすじ
小説誌の編集長、三村幸造のもとに医師を名乗る男から電話がはいった。高岡真紀という女性を知っているか、と。同時に、過去に彼が封印した来生恭子の小説が真紀の名前で送りつけられた。待ち合わせた真紀は、果たして見たこともない女性だった。それなのに恭子と同じようなしぐさで、10年前に恭子が話したことと全く同じことを話す。彼女はいったい誰なのか? 目的は? 本格ミステリー長編。
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Posted by ブクログ
ものすごいものを読んだと思った。オカルトか?と思うような節があるも、あの二人が手を組めばできると予想しつつ、来生恭子と幼児誘拐事件がどう絡むのか、はたまた絡まないのか、どう転ぶのか全然わからない小説だった。読み応えがあった。
Posted by ブクログ
構成的にも、なかなか面白い作品だった。
「読みづらい」と言うレビューをちょこちょこ見かけたが、恐らく同じ段落の中で主語が変わるところあり、「彼」や「彼女」が登場人物の誰を指すのかか分かりにくなってしまっているのではないか。
また、今回メインになっていることと木部が追っていた事件がたまたまリンクしただけで、もしもこの事件を木部が追っていなければ気が付かなかったと思われる。偶然の産物。まぁ、その辺りが小説的というか映画的ではある。
少し古い作品であり、春からのドラマがそれをどう現代に合わせるのか、楽しみである。
Posted by ブクログ
TVドラマ化されると知って原作も探して読んで見た。この著者のデビュー作との事であるが、読みにくい小説であった、時系列も分かりにくいし、今誰が喋っているのかも分かりにくい、辻褄が合わない事や放ったらかしの事もある、これは余程しっかりした脚本家でないとドラマにならないかも知れない、だが上手くいけば極上ミステリーになるかもしれない。だがこの作家の次作を読むかと言えば遠慮しときますというレベル。結局ある編集者が作家志望の女性を陵辱したという話でその女性が精神に異常を来たし殺人事件を起こしたと言うありきたりな小説。
Posted by ブクログ
小説という「怪物」に呑み込まれてしまった一人の女性と、その燃えたぎるような情熱と夢に魅せられてしまった二人の男性の話 だったと思います
この作品が木部美智子シリーズの第一作であると同時にデビュー作と知って納得
文章から火傷しそうなほどの「熱」が伝わってくる作品でした
「小説を書くとは心の中に怪物を一匹飼うこと。その存在により書き続け、そしてそれに喰い尽くされる。」
彼女は自らの怪物に喰い尽くされてしまったのかもしれない 次第に精神を病み 現実と妄想の境目がわからなくなっていく
深淵を覗いてみたい その結果 彼女は何を得て何を失ったのだろうか
たとえ「神の手」を持っていても情熱と夢だけでは小説家にはなれない 遅かれ早かれ彼女は自滅していただろう もしも何かを生み出す もしくは創り出すことが 心の中に怪物を飼うことなのだとしたら それを上手に飼いならすことこそが 「神の手」を持つ資格なのかもしれない
(やってみたかったという理由で 殺人の正当化はできないし 最後まで なぜ? という疑問が残る
なぜ 彼女は 見も知らぬ子どもを誘拐し 殺さなければならなかったのか? 怪物のせいだと? 神の手に唆されたとでも? 神はそんなにも残酷なのか?)
人は自己崩壊や狂気への憧れから逃れられない
それこそが「怪物」の正体かもしれない