あらすじ
円城塔の作品世界は難解ではない――格好の入り口となる全10篇を収録する第3作品集!/掲出の書影は底本のものです
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Posted by ブクログ
ないはある。ないはないはない‥
バラバラに解体したソーセージの腸に詰め直してできたソーセージをまたバラバラにして腸に‥
ゾウリムシに魂があるとすれば、分裂で増えるときその魂はどうなる‥
考えはじめると同じところをぐるぐるして途方に暮れるけど、その過程が面白かった。メビウスの輪とか、エッシャーのだまし絵とか、無限に出てくるマトリョーシカを開ける、みたいなイメージ。短編集なので飽きる前に次のお話が読めるのも良かった。
全10篇の中で表題作の「バナナ剥きには最適の日々」、「equal」「捧ぐ緑」「jail over」が好き。
「墓石に、と彼女は言う」は、読んでるうちにだんだん「わたし」の境界が曖昧になっていく感じが好きだった。
Posted by ブクログ
「パラダイス行」
わっかになった裏山の通路。
「バナナ剝きには最適の日々」
星間探査球の一部である僕が、旗を置いていく。
チャッキーとバナナ星人。
「祖母の記録」★
失踪する祖父をコマ撮影する僕と弟、と、彼女とその祖母。
ジョンとは……
「AUTOMATICA」
二重括弧、文章自動生成。
「equal」
「捧ぐ緑」
ゾウリムシの研究。
「Jail Over」★
赤いソーセージと白いソーセージ。
「墓石に、と彼女は言う」
「エデン逆行」★★
時計の街、わたし=祖母。母=娘。
「コルタサル・パス」★
コムの向こう側のクィ。
詩的論理の力でもって「わたし」を解体してくれる。
Posted by ブクログ
が書いてあるのか分からない。分からないんだけど面白い。何なんだこれは。
まるで、宇宙空間に漂っている様な、ふわふわとした浮遊感に包まれた。
多分これは、分かるとか分からないとかそういう話じゃなくて、分からないこと、そして文章のリズムを楽しむのがいいんじゃないだろうか。
私が面白かったのは、表題作と捧ぐ緑、equal。
表題作に関しては、宇宙人の話とかしてるんだけど、全然出てこない。唯一出てくるのが、僕が想像するバナナ星人。皮が3枚に剥けるか4枚に剥けるかで争ってるんだけど、どちらか判明するのは、死んでからという。
読んでいる間は何が何だかさっぱり分からないんだけど、後から考えるとじわじわくるんだよなこれ。
初めての円城塔にはぴったりだった。