あらすじ
理系大学生を相手に質問に答えた好評の前著に続く第二弾。ネット上で募集をかけて集まったジャンルを問わない質問に、人気ミステリィ作家であり大学助教授である著者が鮮やかに答えていく。大学の先生と生徒という枠を離れた質問は、雑学ネタからおなじみの人生相談ものまでヴァラエティ豊かだ。果たしてどんなQ&Aになったのか、ふるいにかけた様々な質疑応答を公開する。【目次】まえがき/I 一般的な質問/II 小説家としての森博嗣に対する質問/III 多少サイエンス風味の質問/IV 再び一般的な質問/V なんとなく人生相談
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
・質問をする側に「森さんらしい回答を得よう」という意図が感じられない質問ほど、結果的に森さんならではの切れ味のある回答が得られていて面白い。
前作は、学生からの質問と森さんの回答をまとめたものだったが、〈2〉は、一般に公募した質問に回答したもの。学生がらの質問は、その評価方法に対する不満が噴出しているかのようなものや、大学生ってこんなに幼稚なの?と思ってしまうような質問が少なくなかったが、一般からの質問も負けず劣らず〈珍〉である。学生の質問の中には、森さんが「いい質問」と評するものも紛れていたが、一般からの質問に対しては、このフレーズが出てこなかった。
編集者の方は、ランダムな質疑応答を、まるで物語のような起伏のあるものに仕上げるために、構成を決める時、相当苦労したに違いない。終わりが近づくにつれ、森さんらしい科学的な裏付けを持つ、哲学的とも言える回答に変容していく過程が楽しめる。前作を読み始めた時は、まとめ買いしたことを悔やんだが、それを覆して余りある知恵を貰った気がする。でも、読む人によって得るものの価値は大きく違うだろうなぁ~。森さんではないが、読まなくてもいいと言われても読みたくなってしまうような、何らかの拠り所を見つけたい人にたけ薦めたい。