あらすじ
年下に片思いする文系女子、不倫に悩む美容マニア、元彼の披露宴スピーチを頼まれる化粧品会社勤務のOL……。恋愛下手な彼女たちが訪れるのは、路地裏のセレクトショップ。不思議な魅力のオーナーと一緒に自分を変える運命の一着を探すうちに、誰もが強がりや諦めを捨て素直な気持ちと向き合っていく。「あなたといたい」と「ひとりで平気」をいったりきたりする女心を優しく励ましてくれる物語。ルミネの広告コピーから生まれた恋愛小説。
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新しい服を着てみたら、新しい自分に気づいた。そんな経験をしたことはありますか?
恋愛にどこか不安や悩みを抱えた5人のアラサー女性が、自分のために作られたかのような運命の一着に出会うことで、前向きな一歩を踏み出していくというオムニバス形式の作品。
作者がルミネの広告を長年担当しているコピーライターの方というだけあり、一文一文に込められた意味や言葉のセンスに引き込まれます。例えば、「可愛くなりたいって思うのは、ひとりぼっちじゃないってこと」という作中のお話のタイトル。このお話の主人公が恋する相手は、九つ年下の会社の後輩。恋が実る可能性は限りなく低いと分かっていながら、この文章から切なさや辛さは伝わってきません。むしろ恋することで、心が満たされていく嬉しさや楽しさを感じます。
試着室で新しい服を着てみることをきっかけに、自分を違った角度から見てみると、とても幸福な側面があったことに気づく。そんなふうに日常の見方を変えさせ、前向きな気持ちにしてくれる一冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
あんま読まないジャンルの本なので、なんで『欲しいものリスト』に入れたのかもはや覚えてないのですけども。すっごいよかったです。いいよって誰かに教えたくなる感じ。服着て上向いて心が動いてまた歩き出すってそれだけなんだけど。ファッションってこういうことなんだよ。誰に会いたい、どこに行きたい、それがいつでもあるものであってほしい。
Posted by ブクログ
何度も読み返している一冊。なぜか不思議と恋愛で自分の気持ちが分からない時に、この題名を思い出してハッとさせられることがあります。上手くいかない恋も幸せな恋も、ぜんぶギュッとこのフレーズでまとめた尾形さんはすごい。
Posted by ブクログ
凄く読みやすく、感情移入もしやすい物語たち。
甘い恋愛だけではないけれど、それでも「恋をする気持ち」を擬似体験させてくれ、おしゃれをしたいな、傷ついても恋をまたしてみたいなと29歳の自分は思った。
存在自体は学生時代から知っていたけど、今手に取るために再会したのだと思った。
特に下の二文が自分は好きだった。
感情は、年を取らないのかもしれない。対処の仕方が大人になっていくだけで。
このドレスを着て、新しい恋がしたい。みっともないほどに、人を好きになってみよう。
また各章のタイトルも良い。
好きは片想い。似合うは、両思い。というのは服と自分にも当てはまるのだろう。
Posted by ブクログ
試着室で思い出すって、超具体的すぎるけど、シンプルにめちゃわかるって感じ。誰かの好みに合わせて自分の外見を変えるのは、かっこいい女じゃないって言う人もいそうだけど、そう思える相手がいるのは素敵なことだと私は思うな☺︎
Posted by ブクログ
closet。その洋服のセレクトショップには様々な恋愛に悩む女性が訪れる。
自分に似合う服やお気に入りの服に出会えた時、やっぱり一番に思い浮かぶのは好きな人なのかもしれないって思いました。
どんな恋をしているにせよ、それってすごく素敵なことだと思う。
エピローグのclosetのオーナーのカナメのお話が一番お気に入り。
こんな風に仕事と恋ができるっていいな
ほわほわ
それぞれの恋愛、嫉妬もあり、迷いもあり。みんながみんな、
自信満々で恋をしているわけじゃない。お洋服にその一端を担わせる気持ちがかわいい。どんな結末かを想像するのかが楽しい。ほわほわとなんとなくハッピーになれる作品でした。
Posted by ブクログ
『この試着室で着替える女の子たちは、何を考えてこの鏡と向き合っているのか。誰を思いながら、この試着室で新しい服に着替えるのだろう。』
終わり方素敵すぎ!可愛すぎ!!
Posted by ブクログ
各章のタイトルが全部良い
悪い女ほど 清楚な服がよく似合う
ドレスコードは花嫁未満の、わき役以上で
表題に加えて2つのタイトルも好きだなー
内容も完全女性向け
Posted by ブクログ
読み終わったあとに、すっと前を向いて歩いていけそうな素敵な小説でした。
服は気分を変えてくれたり、勇気を与えてくれたり、私にとってはとても大切なものです。特に好きなひとを思って、あれこれ悩みながら服を選ぶのは幸せな時間だと思います。
なんだかわくわくしてきたので、とびきりのおしゃれをしてデートにいってきます!
Posted by ブクログ
本気の恋を模索して模索して、路頭に迷って疲れ果てていた頃だ。タイトルに惹かれて迷わず手に取った。
終わりのない短編集。大きくではなく、小さく揺さぶられる言葉たち。揺さぶられるけど、あたたかい。
いい服を鎧のように纏って弱気に闊歩する女の気持ちが現実に伝わった。
弱くても、悩んでも、それでも強くいよう。見せかけの強さを分かってくれる人と出逢って、大切にしたいと思った時が、本気なのかもしれない。
Posted by ブクログ
素直に年を重ねていきたいとクミは思った。三十二歳のわたしを楽しんであげたい。
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爽やかで軽い、気持ちのいい短編集でした。
どの子の気持ちも分かるよ。
新しいお洋服が買いたくなった。
Posted by ブクログ
ファッションがテーマの本っていうブックリストを募集していて、他の方のブックリストにこの本があって、タイトルが素敵だなと思ったので読んでみました。著者はコピーライターだった人だとか。なるほどどうりで。
連作短編みたいになっていて、都会の片隅にひっそりと存在するセレクトショップに、色々と恋に悩む女性たちがやってくる。そしてふと、試着室で誰かを想う。店員はさらりと、的確な、本質をつくようなアドバイスをくれて、女性たちは自分の本当の気持ちに気づいたり、一歩踏み出す勇気をもらったりする。
なかなか素敵なストーリーだった。
あくまでも本人が、「よし」と思うところまでを描いているので、その決断が本当に正しかったのかどうか(恋が成就するのかどうか)までは描かれていないところが、少し物足りないようでもあり、でもあえてそうしているのだろうと思った。
相手がどうであれ、やっぱり自分は彼のことが好きなんだな(本気の恋なんだな)と気づいたり、もしくはあのとき、私は本気の恋をしていたんだな、とかつての自分を認めてあげたくなったり。
不倫の恋も「本気の恋」にしてしまうところは賛否ありそうな気もするが笑。
久々に、純・恋愛小説みたいなの読んだけど、たまにはこういうのもいいなと思いました。
Posted by ブクログ
普通の面白かった 女の子にとって 新しい服を買うというのは きっと男には永遠に理解出来ない 部分もあるともう
良い意味で アラサー アラフォー向けの恋する女の子の話(褒めてる)
読みやすかった
Posted by ブクログ
短編集の好きなところは、登場人物が多い分、色んな環境、考え、人生に触れられること。みんなそれぞれ悩みながらも、「closet」に行くっていうアクションを起こしてることが自分の人生を大切にしていて素敵。
店員さんが、誰かのために着る服じゃなくて、自分のために着る服をスマートに勧めていて、主人公が皆自分のために着る服を最後は選んでいることが物語としてその先どうなったか以上に、ハッピーなことだと思った。
Posted by ブクログ
UNIQLO等でしか服を買わないので、お気にの個人経営セレクトショップがあることに憧れがあります。
登場人物はそれぞれ恋をしていて、キュンキュンしました。
Posted by ブクログ
カナメさんんん大好きすぎる。ほんとにあるお店なのかなって少し期待しながら検索かけたけどやっぱり実在しませんでした…。当たり前だよね。あーーでもClosetに行きたいよーーー。カナメさんにも会いたい、ここに行けばなにか変われる気がする(気がするだけ)何回も読み直したい本だな〜
Posted by ブクログ
"あしたの服を悩むのは、あしたを夢みるからなんだ"
日常のふとした物事に対して、当たり前ではなく有り難い事だよな〜と思うことっていくつかある
明日は何着ようかな?と嬉々として服を悩めることもその一つだとちょうど最近考えていたから印象に残った
あと、エピローグのお話が一番すき 理想的
Posted by ブクログ
繊細なのに、1本の糸のように強く真っ直ぐ、自分の思いを紡いで行く女性たちの物語。
なんと言ってもそれぞれのタイトルが面白い。
心に残った言葉
・モテると人を好きになれるは違う
・人は年とともに内面が変わることで見た目の印象も変わる
・美濃田くんがいたから、私は綺麗になりたいって思えた。おしゃれする楽しさも、恋する気持ちも思い出した
・実らなかった恋にも、ちゃんと実が出来ている
・彼のことは好きだが、一生どうかと思うと、気持ちのどこかに不安がよぎった
・洗練された大人は、背中も美しい
・恋には臆病だったけど、人を好きにならなかった訳じゃない
・「個性」とは人と違う何かではなく、「自分らしさ」
【再読】
一方的な恋心を伝えることって、「わがまま」「迷惑」なのかと思って生きてきたけど、「あなたが最高に素敵だった」ことを伝えることって考えたら、自分の思いに素直になれそうな気がした。
それぞれの短編ストーリーの最後の言葉が温かくも強くもあり結構好きなんだけど、
女の子って強くて綺麗で魅力的で楽しいなって思わせてくれる(洋服ひとつで気持ちが変わったり締まったりするところも含め)。
正直なところ、彼氏いない歴≒年齢の私は「自分の人生、自分で彩る」つもりで自己投資を厭わず生きているけど、
恋したいしかわいい服を見つければ、誰かに見てもらいたいし褒めてもらいたい。自分も服ももっと綺麗に見える場所に一緒に行きたい。
この本の登場人物たちみたいにもう少し勇気を持って(その起源が服であってもいいと思う)、強く真っ直ぐ向き合ってみたいとも思った。
もし。私にも試着室で思い出す人が出来たなら、その時はこれまでより強く素直に向き合ってみたいと思う。
【再再読】
今、私にも試着室で思い出す人がいるよ!(過去にこの感想を書いた自分へ)
「感情は歳をとらないのかもしれない。対処の仕方が大人になるだけで」の一文が、今の自分に似てて共感出来た。
25歳の恋愛がこんなにも若いものだと思って無かった。いくつになっても、好きな人には大人なりだけど素直にぶつかって行きたいものだなぁ
Posted by ブクログ
有名な本なのでずっと気になっていて、やっと読む機会に恵まれた。もっと続きが知りたくなるような素敵なお話ばかりだった。最後の店員さんのお話が1番好き。
Posted by ブクログ
友だちに勧められた本。
様々な恋をする人たちの短編小説。恋愛は人それぞれだなぁと改めて思う。
「記念日を忘れた彼にありえないと怒った数年後、逆の立場になった時、彼がどれだけ歩み寄ろうとしてくれていたのか自分は彼のように相手を理解しようとしていなかったことに気づいた」同じ経験をしたからこそ、共感する部分が多かった。
Posted by ブクログ
心情についての共感もあり、
お洋服ってやっぱり大事だよね。
ってことを改めておもった。
これは私の考えだけど、
おしゃれもメイクも
所謂、武装の類いだと思う。
Posted by ブクログ
3.8くらい
スラスラ読めるし登場人物もみんな可愛い
頑張れって気持ちになるし、話の最後は多少スッキリする
けどちょっと物足りない
個人的にはそれぞれみんなどうなったか、匂わせでも欲しかった
Posted by ブクログ
すべてが順調な恋愛ではないけど、誰かのことを試着室の鏡越しに考えちゃうくらい、想ってしまうくらいに恋愛している気持ちにさせてくれる作品でした。
とても読みやすく、キレイな文だなぁと感じましたね