あらすじ
一介の丁稚から叩きあげ、苦労の末築いた店も長子も戦争で奪われ、ふりだしに戻った吾平の跡を継いだのは次男孝平であった。孝平は、大学出のインテリ商人と笑われながら、徹底して商業モラルを守り、戦後の動乱期から高度成長期まで、独自の才覚で乗り越え、遂には本店の再興を成し遂げる。親子二代“のれん”に全力を傾ける不屈の気骨と大阪商人の姿を描く作者の処女作。
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Posted by ブクログ
社会人になったものの、へこたれそうな毎日を送っている人。ぜひ、読んでほしい。丁稚からたたき上げられた一人の人間が、いかに生きたかが長いスパンで描かれている。
たたき上げ、という言葉がこの本を読んでから使いづらくなった。簡単にたたき上げと使うと、主人公に怒られそうだからだ。
Posted by ブクログ
2代にわたる大阪商人の話。商人にとって暖簾がこんなに大事なものとは。とても感銘を受けた。
これが処女作とは思えない、さすが豊子先生。当初から念入りな取材をされていたのが分かる。昆布の話も面白い。昆布を使った料理をしようかな。
Posted by ブクログ
丁稚から叩き上げた大阪商人の人生に感動です。特に丁稚から体に染み込むようにして仕事を覚えるのは、現代にも通用することだと思います。大阪商人の考え方や感覚は勉強になりました。
「表見や誇大な宣伝などでは顧客はうごかされなくなり、他の店に追随出来ないような商品を一刻も早く市場に出すことだけが商いの勝負」
まさに、これです。