あらすじ
うわべは優雅な村人であった亡父の形見の6連発拳銃。母の心臓に、雷に打たれたようにある6つの小さい深い穴。さりげない筆致と深く暖かな語りのうちに、生きることへの声援をおくる三浦哲郎の鮮やかな短篇連作の世界。野間文芸賞受賞。
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Posted by ブクログ
一週間くらい前に読み終わりました。
幸せと幸せの隙間に業を、その逆も、仕込むのうますぎ。緩急がよくとても読みやすいし読み応えもある。がいっぺんに読めない。ぐらい重い。貸してくれてありがとう。
Posted by ブクログ
この短編集だいすき。おまけに解説までいい。
家族のこととその周辺のことが主に描かれている。
三浦哲郎を心から好きと言えるきっかけとなった小説かもしれない。擦り切れるほど読みたいな。借りた本だから買わねば買わねば。
内容のことについてひとつも書いていなくても、後でこの感想を読めばこの作品とどう触れ合ったかわかる気がする。おしまい。
Posted by ブクログ
太宰治の後にこれを読み、何かがすんなり入ってきた感じがした。
何と言うのか、うまく書けないけれど。
私は普段戦争の本ばかり読んでいて、死にたくない人たちがその意に反し、巨大な力の下で踏みつぶされる様にして死んでいくものばかりに接していたが、この本の死は、ひたひたとくっついてきていて、ふとした瞬間に人を絡め取っていく。
本人にも気がつかない、これも見えざる何かの力。
絡めとられず、自らそこにいく、呼ばれても踏みとどまって残った人間の諦めのような空気。
ひさびさにぞっとする本を読んだ。