あらすじ
彼女にも逃げられ、親からも勘当された無職の青年、坪木仁志は謹厳な金貸しの老人、佐伯平蔵の運転手として、丹後・久美浜に向かった。乏しい生活費から毎月数千円を三十二年に渡って佐伯に返済し続けた女性に会うためだった。そこで仁志は本物の森を作るという運動に参加することになるのだが──。若者の再起と生きることの本当の意味を、圧倒的な感動とともに紡ぎ出す傑作長編。
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Posted by ブクログ
自分を磨く方法を教えるよ
働いて働いて働き抜くんだ。これ以上は働けないってところまでだ。もう一つある。自分にものを教えてくれる人に、叱られつづけるんだ。叱られて、叱られて、叱られて、これ以上叱られたら、自分はどうかなってしまうってくらい叱られ続けるんだ。このどっちかだ
自分は師匠からどれだけ叱られたことがあっただろうかと考えさせられる一文だった。
Posted by ブクログ
30歳の主人公が75歳の老人から、人生を生きるのは何なのかと指南される。今後、どのように主人公が成長するのか目が離せない。
40歳を過ぎた自分にとっても、耳が痛い言葉が多い。
Posted by ブクログ
仕事になんとなく気持ちが入り込まない。。。
親に勧められて なんとなく読んでみることに。。
「現代人には二つのタイプがある。見えるものしか見ないタイプと、見えないものを見ようと努力するタイプだ。きみは後者だ。現場が発しているかすかな情報から見えない全体を読み取りなさい。」
まさしく今の自分は前者で、頭が固く困っていると感じていた。見えないものを見ようとする努力が足りないのだ。そういうことを母は言いたかったのだと感じた。恥ずかしいような悲しいような気持ちだ。
ただ最後の方に出てきた、自分を磨く方法。
本当にそうかもしれない。60歳まで働き続ける使命を背負うなら、そういう心持ち働けばあっというまなのだと思う。逆にそうでないと、同じつらくとも60歳になった時に何も残らないのかもしれない。今からでも遅くないと思い、自分は何ために、30年後の何のために働くのか、考え直そう。そう思えた。