【感想・ネタバレ】八十日間世界一周のレビュー

あらすじ

1872年10月2日午後8時45分、ロンドンの謹厳な資産家にして知識人フィリアス・フォッグ氏は、多くの新聞が一斉にとりあげ狂気の沙汰と評した、80日間世界一周の旅に出た。彼はトランプ仲間と、1秒でも遅れると全財産を失うことになる賭をしたのだ。彼と忠実な従者パスパルトゥーを待ちうける波瀾万丈…。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

現在のように移動手段が限られる中で、様々な困難を乗り越えながら
最終的には予言通り80日間で世界を一周してしまう、というお話。
特にアメリカに入った喜びが大きすぎて船内でとんぼ返りをしたら床を踏み外しそうになったり、汽車内で唯一のモルモン教布教講義の傍聴者になったりと、
時々出てくるパルパストゥーの滑稽さが面白かった。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ただ、時間に迫られながら一人の紳士が自分の発した言葉を実証するため全財産をかけて世界を一周するというだけの話なのに、どうしてこれほどまでに読者を魅了してくるのだろうか。不思議な力を備えた逸品だった。
 そう、これは『旅』であって『旅行』ではないのだ。主人公である紳士フィリアス・フォッグは世界を廻る途中、一切観光というものをしない(一部例外を除いて)。代わりに召使のパスパルトゥーがちょっとした空き時間に観光する。だが、彼自身も旅が後半に差し掛かると一目散に道程を進んでいく。そのせいか、この『旅』はどこと無く全体的に計算式のような雰囲気が漂っている。フォッグは常に行程に掛かる日数や交通手段を計算し、それを自分の道筋でどの様に使えば良いかを考えている。その余裕と紳士性から彼は“予定外”で稼げた時間を自分の旅のためではなくとある夫人や道中で囚われてしまう召使を助けるための時間として使いロスしている。
 そう、この作品は、フィリアス・フォッグが類稀なる英国紳士だからこそ成り立つ冒険小説なのだ。彼は道中どんなことがあろうとも動揺しない。彼は目前で危難に見舞われそうな者がいれば躊躇無く助ける。彼は自らの名誉が侮辱された場合正当なる勝負で挽回しようとする。
 しかし、解説でも述べられているように彼は道ながら度々行程を円滑に進めるために莫大な金を散在する。像も買ったし、船も買った。何より当初予定に無かった者も二名も旅に随行させその費用を負担している。これは金持ちだから為しえたことではなくて、彼がひたすらに“八十日間で世界を一周する”という目的のみ目指していたせいだ。それが達成できさえすれば自分の財産など最初からどうでも良かった程、彼は英国紳士だったのである。
 最終章のタイトルが何故だか気に入ってしまった。即ち『フィリアス・フォッグがこの世界一周の旅で儲けたのは、幸福だけであったことが証明される』という一文だ。彼は旅を成功させる代わりに財産の大部分を失ってしまう。しかし、彼が手にした掛け替えのないものに付いては実際に本を読んで理解すべきだと思う。

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2016年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

目的を達成させる為には金を惜しみなくつぎ込む姿と、困っている人へは、自分の目的達成の阻害となろうと、手をさしのべる姿、この両方を兼ね備えた主人公の姿に、真の紳士を感じた。
真の紳士による真の冒険、かっこよかった!

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2011年09月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

世界一周の途中で日本に立ち寄る箇所が実に興味深い。ベルヌがこの本を書いた時、日本は鎖国をやめてからまだほんの5,6年だったはず。ヨーロッパの人たちにはきっと、アジアのほかの国同様興味シンシンだっただろう。大好きな横浜港に立ち寄り、実際に今もある通りの名前が出てくる。読んだあと、弁天通りを歩き、明治のころは目抜き通りたったんだろうなぁと思いを巡らすのも楽しい。

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2011年06月16日

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