あらすじ
1872年10月2日午後8時45分、ロンドンの謹厳な資産家にして知識人フィリアス・フォッグ氏は、多くの新聞が一斉にとりあげ狂気の沙汰と評した、80日間世界一周の旅に出た。彼はトランプ仲間と、1秒でも遅れると全財産を失うことになる賭をしたのだ。彼と忠実な従者パスパルトゥーを待ちうける波瀾万丈…。
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Posted by ブクログ
現在のように移動手段が限られる中で、様々な困難を乗り越えながら
最終的には予言通り80日間で世界を一周してしまう、というお話。
特にアメリカに入った喜びが大きすぎて船内でとんぼ返りをしたら床を踏み外しそうになったり、汽車内で唯一のモルモン教布教講義の傍聴者になったりと、
時々出てくるパルパストゥーの滑稽さが面白かった。
Posted by ブクログ
おもしろかったー!
ちゃんと読んだのは初めてだったけど、これが100年以上前の作品とは驚き。
ドキドキ、ワクワク、ハラハラが全部つまっていたなぁ。
そして最後の一行に、うん、うん。と頷くのであった。
「そもそも人は、得られるものがもっと少なかったとしても、世界一周の旅に出かけるのではなかろうか」
Posted by ブクログ
ただ、時間に迫られながら一人の紳士が自分の発した言葉を実証するため全財産をかけて世界を一周するというだけの話なのに、どうしてこれほどまでに読者を魅了してくるのだろうか。不思議な力を備えた逸品だった。
そう、これは『旅』であって『旅行』ではないのだ。主人公である紳士フィリアス・フォッグは世界を廻る途中、一切観光というものをしない(一部例外を除いて)。代わりに召使のパスパルトゥーがちょっとした空き時間に観光する。だが、彼自身も旅が後半に差し掛かると一目散に道程を進んでいく。そのせいか、この『旅』はどこと無く全体的に計算式のような雰囲気が漂っている。フォッグは常に行程に掛かる日数や交通手段を計算し、それを自分の道筋でどの様に使えば良いかを考えている。その余裕と紳士性から彼は“予定外”で稼げた時間を自分の旅のためではなくとある夫人や道中で囚われてしまう召使を助けるための時間として使いロスしている。
そう、この作品は、フィリアス・フォッグが類稀なる英国紳士だからこそ成り立つ冒険小説なのだ。彼は道中どんなことがあろうとも動揺しない。彼は目前で危難に見舞われそうな者がいれば躊躇無く助ける。彼は自らの名誉が侮辱された場合正当なる勝負で挽回しようとする。
しかし、解説でも述べられているように彼は道ながら度々行程を円滑に進めるために莫大な金を散在する。像も買ったし、船も買った。何より当初予定に無かった者も二名も旅に随行させその費用を負担している。これは金持ちだから為しえたことではなくて、彼がひたすらに“八十日間で世界を一周する”という目的のみ目指していたせいだ。それが達成できさえすれば自分の財産など最初からどうでも良かった程、彼は英国紳士だったのである。
最終章のタイトルが何故だか気に入ってしまった。即ち『フィリアス・フォッグがこの世界一周の旅で儲けたのは、幸福だけであったことが証明される』という一文だ。彼は旅を成功させる代わりに財産の大部分を失ってしまう。しかし、彼が手にした掛け替えのないものに付いては実際に本を読んで理解すべきだと思う。
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目的を達成させる為には金を惜しみなくつぎ込む姿と、困っている人へは、自分の目的達成の阻害となろうと、手をさしのべる姿、この両方を兼ね備えた主人公の姿に、真の紳士を感じた。
真の紳士による真の冒険、かっこよかった!
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小2の頃、児童向けを読んで世界中を旅したいと思ったものでした。
その後、学生になって読み返し、実際に旅発ちました。
そう思うと私の羅針盤のような作品ですな。
今なお色褪せぬところが素晴らしい。
ジュール・ベルヌの他の作品「海底二万里」「気球に乗って5週間」などもオススメです。
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パスパルトゥー=ドラえもんという構造だと思います。
じゃあフォッグ氏はのび太かな。けっこう抜けてるし。
有能な家来を持つと主人は助かるという話。
Posted by ブクログ
時代は1872年。
生活のすべての物事を一寸の狂いもなく正確に行う、変人紳士フィリアス・フォッグ。
フォッグ氏のひげそりに使うお湯の温度を、たった2゚F間違えたために解雇されてしまった召使いの代わりに
本日やってきたばかりのパスパルトゥ。
その二人が、当時不可能とされた80日間での世界一周の旅に出る。
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1872年すなわち明治最初期ごろの世界一周するなら80日かかる様子を描く冒険小説
当時の西欧知識人てきしてん(だと思われる想像)から
インドや香港や日本やアメリカという未開地をどう見ていたかを
それから100年以上経て読んでなるほどとは思うが
それ以上ではない
Posted by ブクログ
青春18を使っての旅のお供に。
夢中になって本を読んだのは久しぶり。とても感情移入のしにくい登場人物に「とはなんたるか」な文章、そのわりに簡潔な文脈、描写少なめ説明多めな内容なのに続きが気になる不思議。展開の仕方が上手いんだ。
そして昔の物語には読み手に想像させる力があると思った。それが夢中になる、本に入り込む理由かも。
後書きで内容というか世界各地の出来事、描写がほぼ剽窃と知り、にも関わらずぐいぐい読んで満足できたのはやっぱり作者の構成力なんだなと思った。オリジナルに負けないMADやコラージュ作品のような。
Posted by ブクログ
中学のときに英語のテキストとして全編をひたすら訳すという授業があり、先に日本語で読んじゃえ、と思ったところがこの本との出合い。ヴェルヌはSF作家だと思ってたから、これもどこかでSF的要素が出てくるのだ、と思い込んでたら違ってた。最後が好きで、何回も読んだもんだ。
Posted by ブクログ
世界一周の途中で日本に立ち寄る箇所が実に興味深い。ベルヌがこの本を書いた時、日本は鎖国をやめてからまだほんの5,6年だったはず。ヨーロッパの人たちにはきっと、アジアのほかの国同様興味シンシンだっただろう。大好きな横浜港に立ち寄り、実際に今もある通りの名前が出てくる。読んだあと、弁天通りを歩き、明治のころは目抜き通りたったんだろうなぁと思いを巡らすのも楽しい。
Posted by ブクログ
今更ですが古典です
ジュールヴェルヌ
訳し方が古くて表現の仕方が逆に新鮮
80日間で世界一周(しかも観光なんかほとんどなし)
凄すぎます
フィリアス・フォッグ氏が冷静沈着にお金をバンバン使いすぎーーー
でもハートは熱い!
流石古典です。面白かった~~~
Posted by ブクログ
ツッコミ所満載なアドベンチャー小説
とりあえずこのフィレアス・フォッグは何処から世界旅行の大金が出てくるのか不明です。なぞです
そして皆を散々振り回した挙句の果てにはちゃっかり自分だけ女の子をお持ち帰りしています
Posted by ブクログ
こんなに面白かったんだ、というのが素直な感想。主人公のイギリス紳士らしさを濃縮したティピカルな人間造形がツボ。しかし日本の描写はひどいもんだ。(女性としての憤り)
Posted by ブクログ
世界が狭くなり始めた頃の小説。翻訳のせいか、非常に展開がスピーディで物語の内容にマッチ。金で時間を買いまくっている話、とも言ってしまえますが、喧嘩あり恋ありの冒険譚は心踊りますなぁ。