あらすじ
帝国の衰退期、民衆の生活は≪闇の獣≫によって脅かされていた。「特命だ。おまえにはこれを届けてもらおう」平凡な青年フィンが託されたのは、遥か彼方の軍団に救援を求める文書。絶望の荒野、暗闇から忍び寄る脅威に削られる心。そんな夜、フィンは不思議な少女と出会う――。
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Posted by ブクログ
長い物語の始まりの巻。あとがき曰く「谷底の第一部」ですが!まだまだ谷は続くよ~ずーっと谷だよ~(わくわくわく)
粉屋一家が壊れた風車小屋を後にするところから始まる暗い暗い始まり。町を守るはずの軍が民を虐げる、その理由のやりきれなさがたまらないが、これを読むと幾多の物語で(現実でも)同じような立場の兵たちが義務を果たし続けることこそが作り事めいてみえてくる。
神や精霊、闇が力をもつ現実とは違う世界のお話だけど、人の心の醜さと美しさが一人一人の心の中でせめぎあう様子がとてもリアルで何度読んでも心惹かれる。紙の本で読めて嬉しい。
塗り部分の多い挿絵も作品の雰囲気に合っていたと思う。フィンの少年らしい外見を「そうだ、まだ十八なんだよなぁ」と大人の目で改めて見直したり、ネリスの田舎の娘らしい重たい三つ編みと髪を結わないレーナの対比もいい。第二部以降、成長した彼らのイラストが見られるかとまた楽しみ。
Posted by ブクログ
小説家になろうの書庫化作品と聞いて「本物のハイファンタジーとかうっそだー」と半笑いで買いましたが、びっくりです。
なろう書庫化作品だと文章も設定も軽いものが多いのですが、これは確かにハイファンタジー。
滅多に見なくなった古き良き作品で、こういう話を求めていたので感動してしまいました!
派手な魔法は使わないのですが、そう言う話が好きでじっくり読みたい方にはおすすめだと思います。
逆に救国の英雄で俺TUEEE!!が好きな人には向かないかと思います。
Posted by ブクログ
出だしはかなり暗い。
でも、それを我慢して読み進めていくと、フィンが希望を取り戻したあたりから、ググッと引き込まれて一気に読み終わってしまった。
複雑な世界情勢、闇の魔獣の謎、興味はいろいろ尽きない。
Posted by ブクログ
なろうで初めて読んだとき、あまりの文量に読みたくても読み切れない……と第一章で諦めてしまったので、紙媒体となって手元にあることが本当に嬉しいです。どれもこれも素敵すぎて書き表せないため、続きの感想はまた後日。
2014/05/07