あらすじ
音海の兄のかつての恋人・夏芽は、別人のように美しくなり、新しい男・俊介と暮らしていた。なぜ兄を忘れ、違う人を愛せるのか?二人に憎悪を抱く音海は、俊介からさらに驚くべき事実を聞かされる。「お前の兄さんの死は事故じゃない。自殺だ」。愛の永遠を願い、恋の不確かさに身悶える少女をリアルに描くシリーズ第二話。
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Posted by ブクログ
2冊目は『わたしだけ好きなふりをして』
私は、私だけ=自分だけ、自分ばっかりが好き…という意味で捉えていたんですが、これ、願い事なんです。
主人公音海の恋愛相手(恋人…と素直には言い難い)には妻子が居るのですが、相手にとって都合のいい自分でいようとするのです。頑なに。
嫌われないけれど、愛されない自分を当然のように受け止めようとして、その過程で自分に堆積していく『毒』を感じ続けていきます。そうするしか道がないと思っている以上、恐らく想う相手に何か言われてもそれは意味を成さないのではないかと思います。
恋は確かに不確定要素が詰まっていて、好きになればなるほど信じることが難しいと思います。いちばん、になりたくて、いちばん、で居たくて。そして負担に思われたり嫌われるのが怖くて。一人で想っている時よりも気持ちを伝えた後のほうが何倍も私には怖いものに思えてなりません。