あらすじ
美大を卒業したあと、就職せずに宮崎に帰った明子。日高先生に再会し… 少女まんが家を夢みたあの頃を描くドラマチック・メモリーズ第三弾!
...続きを読む
嫌で嫌で逃げた時間が、願っても願っても戻れない過去になる。
本作は、地元宮崎で美大受験に臨む東村アキコ先生と絵画教室の先生・日高先生との回顧録だ。絵画教室で竹刀で頬を突かれたり、美大時代に絵が描けずヒステリーになったり、卒業式でうさぎの格好をしたりといつもの東村アキコ先生のおもしろおかしいシーンも多いのだが、日高先生との過去は少し苦しい。与えられた深い信頼と希望は、手放してはならないものなのに、重くて仕方がない。日高先生への懺悔と感謝、敬愛、悔恨……全5巻とは思えない濃さで”あの頃”が紡がれてゆく。
未熟さゆえの後悔と思い返すことで感じる因果。胸が締め付けられた後、人生の推進力を与えてくれる一冊だ。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
就職できないまま大学を卒業
美女の臨時職員の仕事をする予定が、その話がなくなり、先生のアトリエで講師としてバイトをすることになる
両親にコールセンターの仕事を紹介され、いやいや始める
仕事を辞めたいという気持ちで憧れのブーケに投稿
なんと受賞し、デビューすることになる
先生を尊敬するあまり、宮崎から離れられなくなると思い一人暮らしをする決心をする
Posted by ブクログ
今回もすごく面白くて一気に読んでしまいました。
楽しい大学時代も終わり、地元で就職、彼氏とも離れ離れ
に。。
彼、よっぽどイケメンだったんですね。マンガのモデルになるくらいに。
追いつめられてはじめて本格的にマンガを描き始めた先生。いきなり賞に入るなんてすごい!
それにしても細かいところまでよく覚えてますね~
Posted by ブクログ
【ネタバレ】
・どんよりな2巻とは打って変わって、卒業後先生の元でアシスタントとして働き始めたアキコさん。全巻が沈痛な内容だったので、段々と漫画家としてへの道を歩き始めた描写が痛快でした!
ブ●クオフ的なところの裏事情が面白かった。サンダーとかそういうのがあるのか…。
・アキコの「プロデューサー脳」ってくだりが凄く面白かった!センター8割とか、人間観察とか、東村アキコさんってきっと凄く、地頭がいい方なんだろうと思う。
私の中で、クドカンと似てるイメージがあります。
・『大量に漫画を読んだのが貯金になった』というのを見て、良い作品を沢山読んでおくことは、クリエーターの糧になるんだなあと思った。
・逆境の中で死に物狂いで漫画を描いていくアキコの姿にスポ根っぽい熱いものを感じました!内職のプロのお母さんが有能すぎるw
・1巻からひしひしと感じる先生の死亡フラグに、いつも心がざわざわします。どうなるんだろう…
・海月姫が映画化、主に泣いてますはドラマ化と、東村アキコさんの話ってすごく「実写での」メディア化に向いていると思う。
絵は正直言って上手ではないのだけど、味がある。
あと、抜群にモチーフ選び(舞台やキャラ、設定など)が上手くて、話運びが上手!そういう点がクドカンっぽいなあと思う。
・「芸大で死ぬほど苦しんで漫画家になって、苦労しながら子供を育てて」ってところが西原理恵子さんを彷彿とさせる。
西原理恵子さんもプッツン漫画に始まり、抒情的な短編まで描かれて、芸の幅広さに驚かされる。