あらすじ
全米トップ・ビジネススクール「ウォートン校」の史上最年少終身教授でもあり、気鋭の組織心理学者が教えるビジネスの成功の秘訣。「ギバー(人に惜しみなく与える人)」「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」「マッチャー(損得のバランスを考える人)」もっとも成功するのは誰だろう。他人に優しくしていたら、厳しい競争を勝ち抜けない?――それは大きな誤解だ。これからは、他者志向の思いやりの発想とコミュニケーションが、あなたの仕事に大きな成功をもたらす。リーダーシップ、営業、交渉、事業の立ち上げ、昇進まで……ありとあらゆるシーンでこの考え方が役に立つだろう。一橋大学大学院教授・楠木建(『ストーリーとしての競争戦略』『経営センスの論理』)の監訳と解説で、日本初デビュー!「世の“凡百のビジネス書”とは一線を画す一冊だ!」
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Posted by ブクログ
【要約】
現代社会における成功の鍵は「他者との関わり方」にある
人間を他者とのやり取りのスタイルに基づいて「ギバー(与える人)」「テイカー(奪う人)」「マッチャー(バランスを取る人)」の3タイプに分類し、誰が最も成功するのかを膨大な調査と事例に基づいて解き明かす
①人間関係における3つのタイプ
・ギバー(与える人):
他者の利益を優先し、受け取る以上に与えようとする人
全人口の約25%を占めると言われている
・テイカー(奪う人):
常に自分の利益を最優先し、与えるよりも多くを受け取ろうとする人
全人口の約20%を占める
・マッチャー(バランスを取る人):
「損得のバランス」を重視し、何かをしてもらったらお返しをし、何かを奪われたらやり返すという公平さを重んじる人
全人口の約55%と、最も多いタイプ
②ギバーの二極化:成功するギバーと失敗するギバー
最も成功を収めるのはギバーであるが、最も失敗するのもまたギバーである
・失敗するギバー(自己犠牲型):
自分の利益を完全に度外視して他者に尽くしすぎてしまう
頼み事を断れず、自分の仕事やエネルギーを消耗させ、最終的にはテイカーの餌食となって燃え尽きてしまう
・成功するギバー(他者志向型):
他者の利益を考えつつも、自分の利益や目的も決して見失わない
自分と相手の両方が勝つ「Win-Win」の関係を構築し、全体の「利益のパイ」を大きくすることに貢献する
###成功するギバー(他者志向型)になるためのステップ
(1)「自己犠牲」から「他者志向」へ意識を変える
最も成功するのは、自分の利益を無視する「自己犠牲型」ではなく、自分と相手の両方が勝つ(Win-Win)ことを考える「他者志向型」のギバー
・「パイを増やす」考え方:
限られた利益を奪い合うのではなく、協力によって全体の利益(パイ)を大きくすることに注力する
・自分の利益も追及する:
他者に貢献しながらも、自分自身の目的や報酬を明確に求めることが、燃え尽きを防ぎ、成功へのモチベーションを維持する鍵となる
(2)「テイカー(奪う人)」を見極め、適切に対処する
成功するギバーは、誰にでも無条件に与えるわけではない
テイカーに搾取されないための防衛策を講じている
・テイカーの見分け方:
自分より目下の人や利害関係のない人(店員など)への態度が悪い、SNSのアイコンが自分自身の過剰なアップ写真である、会話で「私(I)」を多用する、といった特徴に注意する
・「マッチャー」として振る舞う:
相手がテイカーであると判断した場合は、無条件に与えるのをやめ、「相手がしてくれた分だけ返す」というマッチャーの戦略に切り替える
・寛大さの余地を残す:
ただし3回に1回程度はギバーに戻り、相手に名誉挽回のチャンスを与える「しっぺ返し戦略」が有効
(3)効果的な「ギブ」の習慣を取り入れる
日常の行動において、持続可能で効果的な与え方を実践する
・「5分間の親切」から始める:
誰にでもできる小さなしぐさ(同僚への助言や情報の共有など)を意識的に行う
・「まとめギブ」の実践:
1週間のうちに少しずつ与えるよりも、特定の日にまとめて親切を行う(1日に7つなど)方が、自分自身もやりがいを感じやすく、幸福度が高まるという研究結果がある
・「弱さ」を見せる:
自分の苦手なことや弱さをさらけ出し、他者に頼ることは、相手に活躍のチャンスを与えることになり、結果としてチーム全体の総力を引き出す「ギブ」になる
(4)自己管理(セルフケア)を徹底する
与えすぎて自分が消耗しないよう、境界線を設定することが不可欠
・「ノー」と言う勇気:
自分の仕事やエネルギーが損なわれる場合は、適切に断る境界線を持つ必要がある
・エネルギーの管理:
自分の限界を理解し、休息を取ることもギバーとして成功し続けるための義務であると考える
(5)長期的な視点を持つ
ギバーの成果はすぐには現れないことが多いが、長期的には信頼や強固なネットワークという大きな資産となって返ってくる
「忘れた頃に大きなテイク(見返り)が返ってくる」という時間差の法則を信じ、目先の損得にとらわれずに行動し続けることが重要
③なぜギバーが成功するのか
長期的にはギバーが最も大きな成功を収める理由は、以下のポイントに集約される
・信頼と人脈の構築:
ギバーは強固な信頼関係を築くため、他者からの協力やサポートを得やすくなる
・ネットワークの質:
ギバーが作る人脈は長続きし、価値の高いものになる
テイカーの成功は、マッチャーによる「復讐(引きずり下ろし)」によって短命に終わることが多いのに対し、ギバーの成功は周囲から応援される
・才能の開花:
ギバーは他者の潜在能力を見出し、育てることに長けているため、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができる
★結論
独り占めしようとするよりも、周囲に与え、全体を豊かにする人こそが、最終的に最も大きな成果を手にする
Posted by ブクログ
人をgiverとtakerとmatcherに分類して、どのような振る舞いをする人が成功できるのかを、事例とともに述べている。
人は本来giverである部分を持つはずだが、仕事になるとmatcher/takerになってしまう傾向がある
ただただ自己犠牲するgiverになるのは避けるべきだが、最も成功するのは懸命なgiverであるといった内容だった。
より豊かな人生、成功のために、giverになることを意識してはどうかといった締め方になっているが、結局自身の成功のためにgiverになるというのは、真にgiverと言えるのだろうかという疑問はもったが、話としては興味深くおもしろかった。
職場のtakerにはぜひ読んで欲しい
Posted by ブクログ
ギバーであることの恩恵は時間とともに大きくなっていく。リスクもあるが、長い目で見れば、素晴らしい結果をもたらしうるのだ。
重要なポイントは、ギバーが「受けとるよりはるかに多くを与える」ということである。
人に尽くしすぎてしまうと思う人もいるだろうが、将来助けてくれそうな人が誰かなんて、必ずしもわかるわけがないのだ。
非常に才能のある人は他人に嫉妬されやすく、嫌われたり、うらまれたり、仲間はずれにされたり、陰で中傷されたりする。ただし、これがギバーであれば攻撃されることはない。むしろ、ギバーはグループに貢献するので感謝される。
人間は「他人がしてくれたこと」より、自分が「してあげたこと」に関する情報をより多く手に入れる。自分がした努力はすべてわかっているが、パートナーの努力については一部を目撃するにすぎない。だから、誰が偉いのかを考えるとき、自分自身の「してあげたこと」をよりわかっているのは当然だ。
互いの貢献度を正しく判断するカギは、「他人がした貢献に注目すること」である。それには、自分自身がやったことを評価するまえに、相手がしてくれたことをリストにするだけでよい。
うまくいかないときは自分が責任を負い、うまくいっているときは、すぐにほかの人を褒めるのである。
教師が生徒の可能性を信じると「自己成就予言」(他人から期待されると、それに沿った行動をとって期待どおりの結果を実現すること)が働く。教師が生徒を「伸びしろがある」と信じたことで、その成長に大いに期待をかけたからなのだ。
つまり、成績のよくない生徒や、差別を受けているマイノリティグループの生徒の成績と知能検査のスコアを向上させるには、教師が生徒に対し期待を抱くことがとりわけ重要だということなのだ。
自分よりも他人のために選択するとき、より的確で創造的な決断が下せる。自分を中心に考えると、エゴを守ろうとすることによって決断が歪められるだけでなく、考えうるあらゆる局面に適した選択をしようと悩むことになる。
しかしギバーがごく当たりまえにやっているように、他人を中心に考えて選択すれば、エゴや比細な事柄に振り回されることは少なくなるだろう。ギバーは全体を見て、ほかの人びとにとって一番大切なことを優先させるからだ。
ギバーにとって有利な交渉術がある。それは「アドバイスを求めること(アドバイス・シーキング)」だ。最近の調査では、自分に権威がない場合に人に影響をおよぼすための、驚くほど効果的な方法であることがわかっている。
人にアドバイスを求めることには四つのメリットがあるという。それは、①情報の獲得、②自分の身になってもらえること、③相手とのかかわり合いを強める④ごますりである。
「他者志向」になるということは、受けとるより多くを与えても、けっして自分の利益は見失わず、それを指針に、「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めることなのである。
他者への関心に自己への関心がかなり結びつけば、ギバーは燃え尽きたりやけどしたりすることが少なくなり、成功しやすくなる。
ギバーが燃え尽きるのは、与えすぎたことよりも、与えたことでもたらされた影響を、前向きに認めてもらえていないことが原因なのである。
ギバーは、与えることに時間とエネルギーを注ぎ込みすぎるせいで燃え尽きるのではない。
困っている人をうまく助けてやれないときに、燃え尽きるのである。
与えることも、同じ分野でやり続けると身も心も消耗してしまうが、貢献する対象を別の人びとに広げることで、もっとよい結果を得られる。
自分の幸せをかえりみず与え続ければ、精神的・肉体的健康を害するリスクが高まることを発見した。しかし、他人のことだけでなく自分自身のことも思いやりながら、他者志向的に与えれば、心身の健康を犠牲にすることはなくなる。
一日に一つずつ与えるよりも、一日にまとめて与えた人のほうが幸福度が増した。
ボランティア活動の「百時間ルール」。このラインを限度に設定しておけば、大きなパワーが得られ、疲労感がもっとも少ないのである。
年間百時間は、割ると、週わずか二時間だ。
自己犠牲タイプのギバーは他者志向のギバーより助けを受けることがはるかに少ないのを発見しており、そしてそれは、精神的にも肉体的にもダメージをおよぼすことがわかっている。
また、社会的支援の久如が燃え尽きにつながると結論づけている。
それとは対照的に、他者志向のギバーは、自分自身の幸せを守ることの大切さを理解している。
いまにも燃え尽きそうになると、他者志向のギバーは人に助けを求め、やる気や気力を維持するのに必要なアドバイスや協力を仰ぐ。
周囲からサポートを受けることこそ、燃え尽き防止の強力な特効薬だ。
自分のためにお金を使っても、幸福度は変わらなかったが、ほかの人のために使った人は、幸福度がかなり上がった。
これは他者志向の与え方であり、助ける相手を自分で選んでいるから、気分がよくなるのである。
経済の専門家はこれを「倫理的満足感」と呼び、心理学者は「ヘルパーズ・ハイ」と呼ぶ。
最近の神経科学の証拠では、与えることによって脳の報酬中枢が活性化することがわかっており、人の利益のために行動すると、そこから喜びや目的意識などの信号が伝達されるのだという。
こうした恩恵は寄付だけに留まらず、人のために時間を割いたときにも得られる。
ボランティア活動をすると一年後、幸福度、人生への満足度、自尊心が高まり、うつ病が軽減したのである。
どのくらい与え、どのくらい受けとるかは動機や価値観によって決まるもので、その人の性格とは無関係である。
「感じがいいか悪いかは、その人が自己中心的か他者中心的かということとはまったく関係ない。これらは別個のものであり、正反対のものではない」とかく見落とされがちだが、無愛想なギバーもいるのだ。
交際中のカップルはーとりわけ愛し合っている場合、自己犠牲のギバーとして振る舞った。パートナーのニーズに共感し、自分自身の利益をかえりみず、相手が望むものを与えようとしたのである。
テイカーとつき合うときには、マッチャーになればいいのだ。ただし、最初はギバーでいたほうがよいだろう。情頼は築くことこそ難しいが、壊すのは簡単だからだ。それでも、相手が明らかにティカーとして行動したら、ギバー、マッチャー、テイカーの三タイプを使い分け、ぴったりの戦略をとるのが得策だろう。
Posted by ブクログ
★きっかけ
紙1枚読書法で紹介。自分はギバーの精神で仕事をしているが、自己犠牲感も否めない。どうしたら自分を大切に仕事ができるのか気になる。
⭐︎この本を読んで知りたかったこと
自分は自己犠牲ギバーな気がする。抜け出すにはどうしたらいい?
⭐︎分かったこと
他者思考ギバーを目指す
①頼り合うことは強さ
相談相手は自分の時間を使って相手をしたのだから…と味方になってくれることが多い。アドバイスをもらう時は「◯◯さんが私の立場だったらどうしますか?」頼り上手になる。
②自分自身の幸せを守る
自己犠牲ギバーは自分をないがしろにして燃え尽きる。
何かを交渉する時や自分を扱う時は、自分の代理人(恩師や師匠)を心に召喚させる。代理人が自分のことを交渉する時は引かない。
また、仕事であれば「自分は子どもたちを育てるために仕事してる」なども有効?例えば有休の交渉など。
③他者思考をもつ
自分の利益ではなく、チームや周りの人の幸せを考える。
×相手の感情を想像
◯相手の考えていること、頭の中を想像
この場合、私だったら…と考えがちだが、そうではなく、相手の頭の中を想像する。
やっっっと読み切れた……
時間かかりました〜〜〜
海外の事例大量な本はきつい。。
キュッとしたら1/5くらいの量になる本だよ…笑
前半の「ギバーの人の考え方ってね」的な話を読みながら、そうだよねと同意することが多くてやっぱり私はギバー思考だなと思った。
日本人は多そうだよね。
目の前にテイカーが現れた時は、マッチャー2、ギバー1/3で対応するといい。
ヘルパーズハイ!初めて知った言葉。献血好きなのも人助けしてる感感じて好きなんだろうな。
ボランティアは週2時間が一番気分が良いらしい。