感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年07月04日
大変勉強になりました。
もっと早く読むべきだったと思うが、遅すぎることはないかと。
アメリカの経営学者はドラッカーを読まない。
大半がケーススタディではなく、統計分析。
経営学の3大流派、経済学ディシプリン、認知心理学ディシプリン、社会学ディシプリン。
ポーター(1980年代)の戦略だけでは通用...続きを読むしない。持続的競争優位は2〜5%、競争優位を実現できる期間は短くなっている。一旦競争優位を失っても再び獲得できる企業が増えている。一時的な競争優位を連続して作り出せる。ダヴェニ、からの、ウィギンズ、ルエフリ、2000年代初頭。
ハイパーコンペティション、competitive ダイナミクス、より多く競争的行動をとる、長期間競争行動をとる方が市場シェア伸びる。
組織の記憶力は、組織全体が覚えてるのではなく、誰が何を知っているか?を知っておく。
イノベーションに必要な両利きの経営。知と知の組み合わせ、ほどほどに幅広く。知の探索と、知の深化。両利きの企業文化、3Mの15%ルール。
産業によっても異なる、鉄鋼は深く、半導体では弱い結びつき。変化の激しさ、
ストラクチャール・ホール。
海外進出、4つのフレームワーク。
CAGE、カルチャー、administrative、ジオグラフィック、economic(所得格差)、
不確実性の高い時代の事業計画。綿密に?
リアルオプション、段階的な計画。最初からDCFではなく。不確実性はチャンス(但しリターンも高いか?)
買収額の払い過ぎについて。
CVC、双方にメリットある(特にベンチャーは、活用できる資産が増える)が、警戒感も。信頼構築が大事。
RBV、経営理論?
経営学は役立つか?理論に偏りすぎ?実証研究をするべき?
Posted by ブクログ 2021年06月06日
「世界の経営学者はいま何を考えているのか」
入山教授
1.購読動機
経営に関心があり、かつ事業を発展させる経営とは?を整理したかったから。
当然、この一冊でどうこうなるという結論を期待していなかった。
一方で、著書にある数種類の研究に浅く接することにより、思考回路に穴を開けたかったから。
2.結...続きを読む論
思考に穴をあける、考えを整理するという意味で⭐️五この評価となりました。
3.⭐️五この理由
①不確実性高い現代ビジネス世界
競合がいない業界はもはや存在しないと考えています。
さらに、競合との競争は激化し、かつそのスピードは早くなっているとも考えます。
こうした不確実性が高い現代ビジネスにおいて、企業はどのように計画を作るのがよろしいのでしょうか?
②著書からの示唆
・仮定、ifを必ず書き出しておくこと。
時間軸とともに、検証、洗い替えすること。
・内、外リスクを書き出しておくこと。
外リスクはコントロールしづらい。
ゆえに、行動してリスクを変化、観察できるよう
にしておくこと。
・悲観シナリオ
悲観シナリオを作ること。
その場合、どうする?!を想像、準備すること。
4.言い訳をイメージする
目標、計画。
達成しない場合の言い訳は、
①行動しなかった
②行動したが、やり方が▲だった
のふたつ。
ならば、事前に①と②を重要度高いものに限り、
つぶしておけばよい。
そのようにならない体制、環境を作るという
こと。
#ビジネス書好きなひとと繋がりたい
Posted by ブクログ 2019年05月24日
良書。
オープンイノベーションに対してはパートナー同士の知の範囲の確認をするべき
知の深化、知の探索の両方が必要
DCF法、リアルオプションがなぜ注目されたか
自分が少し疑問に思っていた事がクリアになった
論文読む必要があると再認識
Posted by ブクログ 2017年05月07日
欧米の経営学の現状や研究動向を広く解説いただいております。
工学を学んでから経営学をかじった者として、常々思っていた疑問にこの書は的確に答えてくれました。
経営学のカテゴリーである社会科学においても、科学という名がつく以上は、定量的に実証することが必要であることにも納得。
そのために必要なツールであ...続きを読むる統計学について、古典的な平均・標準偏差によるガウシアン統計だけでなく、ベイズ統計や書籍"ブラックスワン"で名を馳せたべき乗則を要する複雑系の活用による俗にいう"外れ値"の考慮にも多いに納得です。
Posted by ブクログ 2016年01月17日
告白すると『世界の経営者はいま何を考えているのか』というタイトルだと本を読み始めた後しばらくするまでそう思っていた。読めばわかるが(読まなくてもわかるが)、「経営学者」が考えることと「経営者」が考えることはずいぶんと違う。本書は「経営学者」が考える「経営学」のフロンティアに関する本。著者もニューヨー...続きを読むク州立大学バッファロー校にアシスタント・プロフェッサーとして籍を置く現役の経営学者だ。
まずは『もしドラ』の影響を受けている(?)日本の読者に向けて、ドラッカーが経営学の世界では興味の対象ではない、ということから始める。ドラッカーの言葉は、名言ではあるが、実証的ではないため経営学の研究対象としては相応しくないと「経営学」の世界ではみなされているからだ。その事実に対比する意味で、企業データに関して統計手法を駆使して実証的研究を行うものを経営学としている。ちなみにドラッカーの方でも自分のことを「社会生態学者」であるとし、「経営学者」とは定義していないのではない。そういう意味でフェアではない取上げ方ではある。戦略的ではあるが。
著者によると、現在の世界の経営学の「マクロ分野」は主に三つのディシプリンにわかれているとのこと。その三つとは、ポーターなどの「人は本質的に合理的な選択をする」という仮定をおく古典的「経済学ディシプリン」、ハーバード・サイモンに代表される「認知心理学ディシプリン」、社会学の手法を応用する「社会学ディシプリン」が存在するという。どのディシプリンを選択するかで、経営学者のキャリアプランにも大きな影響があるという。
何年も前にミンツバーグが『戦略サファリ』というそのタイトルに若干の皮肉を込めた経営学で乱立するスクールの状況を描いた著作を出したが、その頃から経営学の状況は変わらず(ひどくなっている)、それは経営学という「学問」に伴う根源的な特質であるということなのかもしれない。
本書では、経営学のフロンティアとして、ハイパー・コンペティションやトランザクティブ・メモリー、モデレーティング効果、コンピテンシー・トラップ、ソーシャル・ネットワーク、ストラクチュアル・ホール、ホフステッド指数、リアル・オプション、買収プレミアム、コーポレート・ベンチャー・キャピタル、などの概念を紹介している。それはそれで、おもしろいが、本当に実際の経営において役に立つのだろうかという思いがわいてくる。
著者はそのことに十分に自覚的である。そして著者は、現在の経営学に対して次の3つの課題を指摘する。
課題① 経営学者の理論への偏重が、理論の乱立化を引き起こしている。
課題② おもしろい理論への偏重が、重要な経営の事実・法則を分析することを妨げている。
課題③ 平均にもとづく統計手法では、独創的な経営手法で成功している企業を分析できない可能性がのこる。
まさしくこれらの課題が、「経営学者」が考えることと「経営者」が考えることが交わらない理由である。
経営学のフロンティアを紹介するということでは、説明も読者に優しく、本書は面白い。一方、ビジネススクールはその存在意義はあるとしても、経営学という学問に存在意義は果たしてあるのか、という疑問はさらに強くなった。おそらくは、著者の意図とは反対に。そして、それは一度私企業に勤めた後に学問の世界に戻った著者も疑問として持っていることと同じであるかもしれない。
Posted by ブクログ 2024年02月20日
組織の全員が同じ情報を持っていればいいわけではなく、他の人が何を知っているかを知っているか、who knows whatが重要。
ウェグナーの実験にあるように、人は交流を深めれば自然にトランザクティブメモリーを形成するものです。しかし、大きな企業では社員の全員が深い交流をすることは難しいため、その...続きを読む形成が難しくなります。
だからと言って、もし中途半端にトランザクティブメモリーができている組織に制度的に記憶の分担の枠組みを与えると、ウェグナーの実験がしめしたように、むしろ両者が軋轢を起こして、組織全体の記憶効率がいちじるしく低下する可能性もあります。
したがって大事なことは、制度的な枠にはめずとも、社員同士が自然にwho knows whatを意識できているような組織を作っていくことではないでしょうか?
リアルオプションの考え方
不確実が高い市場では、一気に投資をおこなうのではなく、段階的に投資をしていく。
下振れのリスクと上振れを逃す可能性を下げることができる。
まずは小さくやってみる。
当初の仮定とマイルストーンを記録。
定期的なフィードバックをおこなう。
Posted by ブクログ 2021年10月17日
2012年に書かれているので、「いまなにを考えているか」という観点ではちょっと古くなっているのかもしれないが、平易な文章でアカデミアの経営学と実学を連結させようという筆者の意図が伝わってくる。読みやすい。総花的になっているため、結局何だったのかという感想になる可能性は高いが、ざっくりと2010年代前...続きを読む半までの経営学の研究潮流をとらえる(計量的な分析が多くなっているが、定性的な分析も有効性あるよね)のには良い。
Posted by ブクログ 2021年08月27日
経営学は科学である、まだまだ発展途上の学問。
ということを知らなかったので、読んでいて大変新鮮。
明記はなかったが登場する企業は上場企業相当の規模感の印象。逆に述べると中小企業向けではない??
気になったキーワード
内生性
モデレーティング効果
イノベーションは新たな組み合わせ
知の範囲はほどほ...続きを読むどに
who know whatが重要
CVCはリアルオプション
等。
Posted by ブクログ 2021年08月05日
思ったよりも読みやすかった。
ドラッカーは世界の(アメリカの)経済学の主流ではないのですね。
知の進化も大事、それ以上に知の探索も大事。
経営戦略は単純な表向き、見せかけに騙されるな。
本当に“その”戦略を取ったから業績が上向き、下向きとなったのか改めて考えよ。
Posted by ブクログ 2020年05月15日
経営学は社会学の一分野として理論形成を目指している。
先端の論文に触れながら、経営学がどのような学問なのかを紹介している。なかなか難しいが、面白い。あまり深入りせず、本で紹介しているレベル感で読むのが吉。
Posted by ブクログ 2020年03月22日
本書が書かれた時点での経営学研究のトレンドだけでなく、経営学を研究する上で必読ともいえる比較的古い論文も紹介されている。
経営学研究の流れを知る上で良い本だろう。
個人的には、リソース・ベースト・ビューをめぐる論争が興味深かった。おそらく日本の大学での戦略論の授業で、半ば擦り込みのごとくリソース...続きを読む・ベースト・ビューは主要なアプローチであると教えられることは多いだろう。もちろん重要であることに代わりはないのだが、批判も少なくなく、さらに批判に対するバーニーの反論についての記述は大変興味深い。もっとも、社会科学に不変の理論なぞ存在しない。だから経済学や経営学の分野では次々と新しい理論が考え出されるのである。
本書を読んで興味を持ったのであれば、紹介されている論文を読めばより理解が深まるし、本書が出版されてから時間がある程度経過しているため、興味を持ったトピックのその後を追いかけてみるのも良いだろう。
そうすることで、この分野の面白さをより知ることができるだろう。
Posted by ブクログ 2020年03月14日
ドラッカーの名前をうまく使ったインタビュー記事にまんまと釣られて購入したのだがしばし積読に。『世界の経営学者は7年前に何を考えていたのか』になってしまった。
経営学なる分野の簡にして要をえたまとめであると同時に、まだ発展途上と思われるこの分野への著者の思いも語られる。これを読んですぐビジネスに役立...続きを読むつかどうかはわからないが、ちょっと興味をひくようなトピックをいろいろ取り扱っている。
しかしまあ学問、とりわけ経営学などはアメリカを中心に回っているよなあという感想。
Posted by ブクログ 2019年12月17日
経営学に関する網羅性あるレビューとしてすごくありがたい本でした。
しかし忘れないでおきたいのは、日本でも統計を用いる定量的な研究は多く行われているということです。問題はむしろ、論文が日本語のため世界で読まれないことではないかと。
Posted by ブクログ 2019年07月31日
この本は2009年から2011年の間に書かれていてそれから8〜10年経つことになるが、CVCが普及してるなど急激変わっているということで、サイクルの激しい学問領域であるがゆえに、アンテナの張り方が大切だと感じる。
Posted by ブクログ 2019年05月21日
世界と言っても、アメリカの経営学(Management)の分野の、現在の潮流を概観する。
前置き
1.ドラッカーの言葉は名言ではあっても、経営学の研究の対象とならない。
2.ハーバード・ビジネス・レビューは学術誌ではない。一般人向け紹介本
3.ケース・スタディーは主流ではない。
実例
マイケル・ポ...続きを読むーターの競争を避ける戦略は、有効だが、それを持続できる企業は少なく、現実の優良企業の多くは、短い競争優位状態を鎖のようにつないで生き延びている。
Posted by ブクログ 2019年02月07日
ー 誤解をおそれずにいえば、ドラッカーの言葉は、名言ではあっても科学ではないのです。
たしかにドラッカーの言葉一つ一つには、はっとさせられることが多くあるかもしれません。しかし、それらの言葉はけっして社会科学的な意味で理論的に構築されたものではなく、また科学的な手法で検証されたものでもありません。...続きを読む ー
科学としての経営学の側面を分かりやすく教えてくれる作品。実際の論文は退屈なのだろうが、本作は面白い。
偉大な経営者の名言ではなく、成功した企業のケーススタディでもなく、成長企業の分析でもなく、科学としての経営学に関心があれば参考になる。
Posted by ブクログ 2019年01月04日
正月休みに読んだのだが、考える契機になってよかった。
こういう切り口のビジネス書はあまりないと思うので、
若い頃に読んだら、また、ちょっと違うことを感じたかも。^^
作者は同年代なんだろうなぁ。こういう研究したくなった。
Posted by ブクログ 2018年11月01日
基本的なところから、経営学界隈の新しい取り組みなどが分かりやすく説明されている。
著者もあとがきで書いているとおり、若干免責表現が散見されたり、網羅されているわけではないのでしょうが、色々と参考にできそうな箇所があり良かったです。
Posted by ブクログ 2017年04月30日
「経営学」関係では久しぶりに面白い本で、かなり知的好奇心を刺激された。
今、世界(アメリカ?)の経営学が、実証科学として、発展しているさま、そして、それは理論的、実証的なソフィスティケーションとともに、刻々と変るビジネス・企業の実態を対象として、研究テーマが変化していることが、実感できた。
バッ...続きを読むクグラウンドになっているディシプリンも、従来的な経済学の方法論をつかった方法論だけでなく、認知心理学やネットワーク理論、社会学などの方法論が進んでいるということも面白かった。
と同時に、実践に役立つというところでは、「経営学」は、まだまだ、さまざまな課題がありそうだな、ということもよく分かった。
本書の冒頭部分で、「アメリカの経営学者はドラッカーは読まない」という挑戦的なフレーズがあります。つまり、実証科学という観点からは、ドラッカーは、実証的でない、反証可能な主張ではない。要するに、科学ではなくて、哲学みたいなもの、ということかな?
で、思うのは、いわゆるセンゲなどの「学習する組織」は、経営学のトレンドからすると、かなり異端だな、ということ。実証性みたいなのを完全に手放しているからね。「だって、未来は出現するんだから、過去の統計データみたって、意味ないじゃん」みたいな。
"The Fifth discipline"には事例はあっても、実証はない。
第1版のときは、「これからのやっていくことなので、ケースとか、実証データはない」ということかと思っていたのだが、15年後の第2版にも、実証研究的なものは全くない。あるのは、実践者のインタビューを通じて得られた「振り返り」のみ。
ある意味、「学習する組織」は科学ではなく、実践なのだと再認識。
なのでピーター・センゲとか、オットー・シャーマーは、MITの上級講師で、教授ではないんだ。。。みたいな。
Posted by ブクログ 2024年04月03日
枕元に積んでありましたがようやく読みました。
経営学がまだ若い学問であり発展途上という事がよくわかりました。組織の記憶力の考え方が非常に面白かった。
Posted by ブクログ 2021年12月31日
この時点ですでに「両利きの経営(深化と探索)」を唱えていたのか。
これだけ情報が伝播するのが一瞬という時代にも関わらず、人の心に言葉が根付くのには逆に時間がかかっているような気がしてしまう。
2021年の今でこそ、社内のみならず各所で「両利きの経営」の話を聞く。
しかもこの著作、約10年前に発行であ...続きを読むるが、この10年間で両利きを達成して業績をV字回復した会社はほとんどないということか?
それだけ「両利き」が根付いてないということか。
この10年で両利きを意識していれば、必ず業績は回復しているはず。
「『両利き』なんて10年前の理論じゃないか」で切り捨ててもいい話だ。
しかし10年経った今でもこれらが実現できていないことは何を示唆しているのだろう。
本書でも書かれているが、ドラッカーもポーターも今の経営学者は研究していない。
学問にも栄枯盛衰はつきものと思うが、それではこの10年間でどの部分がどう進化していったのかが知りたいところだ。
ビジネスは確かに大きく変化している。
個人的な考えだが、日々の技術進歩、科学の進歩があって、それがビジネスに転用されて変化していっているように感じる。
理想的な経営理論があって、それに合わせて後追いでビジネス自体が変化するということはないと思う。
やっぱりテクノロジー起点と考えるのだが、それは偏った考えだろうか。
一方で最近は人事組織についてもテクノロジーを活用するようになっている。
経営は「戦略」という言葉が一般化したくらい、戦争・競争と切っても切り離させない。
どういう組織が強いのか。どういう人材がいれば勝負に勝てるのか。
ライバル企業に打ち勝つために、この辺をHRテックとして効果的に管理する方法も流行っている。
本書を読むと「必ず勝つ戦略」がどこにもないことに気が付いてしまう。
それは当然であって、もし必ず勝つ戦略が体系化されていて、誰でも真似が出来たらどうなるだろうか。
どの企業もその必ず勝つ戦略を使ったらどこが勝つのだろうか。
そう考えると「どうすれば勝てる組織を作れるか」という点に集約されていくのだということが見えてくる。
なぜ成功した経営者ほど、M&Aでオプションを多めに積み上げてしまうのか。
日本人は集団主義と言われるが本当なのだろうか。
やはり企業は人と組織で左右される。
究極の経営とは、実は人事なのではないだろうか。
そんなことすら本書を読んで考えてしまった。
(2021/12/21)
Posted by ブクログ 2021年07月20日
◎購入動機
会社からお勧めの本と共有を受け、興味を持ったため。
◎所感
アメリカで経営学を研究している入山氏が、世界最先端の経営理論をエッセイ形式で綴っている。
その中でもいくつか興味をそそられたトピックについての要約・感想を述べる。
⚪︎トランザクティブ・メモリー
トランザクティブ・メモリー...続きを読む
→組織の記憶力に重要なことは、組織全体が何を覚えているかではなく、組織の各メンバーが他メンバーの“何が誰を知っているか”を知っておくことである、という考え方。
これを自分の環境に置き換えると、例えば自分が何かしらの業界で案件を持った時、同業界の導入の事例を当然把握したくなる。そのために全てのビジネスモデルの導入事例を完璧に記憶していれば良いのだが、現実的ではない上、組織内の記憶力最適化の面で考えれば適切とは言えないだろう。
やはり全ての内容を自身で把握するのではなく、この手の企業であれば“誰に相談すれば良いのか”を知っておくことが大切である。
皆さんがどんな企業とのやり取りがあるのかを把握しておくことが非常に大切である。そのために日々自分以外の方の日報を読む癖をつけたい。
⚪︎知の探索と知の深化
知の探索
→企業が知の範囲を広げるために新しい知を探す行動のこと。
知の深化
→すでに持っている知識や同質の知に改良を重ね、それらを深めて活用すること。
2つのバランスを取ることが重要。
私自身、やはり刺激の多い“知の探索”ばかりを求めてしまう節がある。
得た知識をいかに実務に活用していくか、浅く広い知識ではなく一歩踏み込んだ深い知識にも真摯に向き合っていきたい。
⚪︎国民性を数値化する
通常の業務にはあまり関わりがないが、個人的に面白かったトピック。
ざっくりと違うんだろうなと思っていた各国の“国民性”を数値化した研究。
私自身、海外旅行に行っても言葉の壁よりも文化の壁を感じてしまい、その壁をなかなか楽しめないタイプである。
海外市場に進出する際にはあまり懸念されていないとのことだが、軽く見ていると痛い目を見そうな領域。
◎まとめ
本書に出てくる様々な理論は知らないものばかりだったが、研究手法と結果を学ぶと納得感のいくものばかりだった。
全ての経営学者は企業の経営に貢献したいと考えているはすだが、自分の成果を残すことや自分の理論に反対する勢力を論破することが正義になっている節もあると感じた。
其々の学者が様々な理論が発表し、他の研究者に
立証されることのないままSafariのように乱立される。
学者のビジネスモデルや評価基準を考えれば仕方のないことだし、それも経営学の面白みの一つかもしれないと思った。
経営学がどこまで実際の企業に貢献できるかはわからないが、知の探索の観点からこれからも学び続けていく。
Posted by ブクログ 2019年01月11日
経営学を役に立たせるものとして展開していく。ドラッカーやポーターはそのまま活用できない、最新の経営学の視点を持ってて参考になる。
企業の目的は、持続的な競争優位。ポーターは、SCP(構造、遂行、業績)という戦略を提唱している。これは競争しない戦略。
だから、以下の2つの視点からポジショニングを考...続きを読むえよ、ということ。
1.適切な産業を選ぶ
ファイブフォース(新規参入力、企業の競合圧力、代替製品・サービスの圧力、顧客からの圧力、サプライヤーからの圧力)の視点から。
2.今自社がいる産業でユニークなポジションをとる
だが…現代は、競争優位を持続できる期間は短くなってきている。より積極的な競争行動をとる企業のほうが高い業績を実現できる。
ポーターの守りの戦略だけではなく、攻めと守り、両方の戦略が必要になってきてるという。
あと、両利きのイノベーションの話は興味深かった。
・知の深化 既存の知識を求める活動
・知の探索 新しい知を求める活動
企業はどうしても知の深化を考えてしまいがち。知の探索にどれだけリソースを避けるか。
分厚い本だけれど、各テーマはコンパクトにまとまっているので、気になる箇所だけ読んでも◎
Posted by ブクログ 2018年10月23日
経営学というのは何だかとらえ所が無かったのだが、この本を読んでようやく経営学というものがわかった気がする。経営学とは、社会科学の一種なのだ。したがって統計的手段を駆使して、経営プラクティスの効果を数値化することが目的である。ということは、ドラッカーは経営学者ではない。ということになるのだが、これはい...続きを読むかがなものか。そういえば、ドラッカー曰く「真に重要なものは、数値化にはなじまない」。
Posted by ブクログ 2018年04月07日
経営という生き物みたいなものを、何とか一般化できないか、という葛藤が伝わってきた。特に、M&Aに経営者のプライドによるプレミアムがつくことや、組織の成功体験がイノベーションを阻害することなど人間っぽい部分に触れられていたのが面白い。
個人的に一番ささったのはアントレプレナーの章。シリコンバ...続きを読むレーから人が流出することで知の流出ではなく、循環が起こっているという考え方は、アントレプレナーの間でもアライアンスのような繋がりができているんだという発見だった。
Posted by ブクログ 2017年02月09日
平易な言葉で
経営学のフロンティアがわかる。
「経営学者はドラッカーを読まない」など
経営学についての三つの勘違いから入る。
居酒屋トークを検証するという導入から
組織の記憶力
両利きの経営
三つのソーシャル
日本人は集団主義か?
アントレプレナーシップの国際化について
リアルオプションについて
...続きを読む最後に経営学は本当に役に立つか?
などが、わかりやすい言葉で書かれている。
経営学は科学を志向するため
哲学は含まれない。
科学とはベースに統計的手法が存在する。
そこから逸脱しているように見える
個性的なトップ企業は分析しにくい。
その分析へ経営学の新たな努力は進んでいる。
こうしたラストあたりの私見が
経営学のこれからを
示唆しているように思えた。
Posted by ブクログ 2018年04月05日
マイケルポーター
SCP
structure conduct performance.競争しないポジショニングを取る事。
組織論
学習にはlearning curveがあり、経験の蓄積により、ある一定レベルまでは急速に生産性、効率性が向上し、これは組織でも同様に言える。
組織では同じ事を全ての人...続きを読む間が学ぶのではなく、各スタッフがそれぞれの専門性を磨き、記憶の分担共有(transactive memory)を行う事が肝であり、この時、「誰が何を知っているかwho knows what」を認識する事が重要。
知の探索explorationと知の深化exploitationの両利きambidexterityを組織的に整備する事。業績が良いと、知の深化を重視した組織創りを進める一方、知の探索を怠りがちになり、知の近視眼化myopiaが起こりやすい。
中長期的なイノベーションが停滞するリスクが企業組織に本質的に内在する。これをcompetency trapと言う。
類似する「イノベーションのジレンマ」は経営幹部個人の認知問題として捉えているが、competency trapは問題の本質を組織に求めている。
Social capital
人と人の繋がりそのものが資本であるという考え。
strength of weak ties
弱い繋がりの方が強い繋がりよりも新しい情報を得やすい。
強い繋がりの人間とは住む世界がほぼ同じであろう為。
Structural hole
ソーシャルネットワークのハブの事。
パンカジュ ゲマワットによる海外進出の留意点
"CAGE"
Cultural 国民性
Administrative 政府
Geographic 地理(本国からどれだけ遠い?)
Economic 所得格差
ホフステッド指数(国民性を数値化したもの)
以下の6項目で全世界のIBM従業員からリサーチしている。
Individualism = Collectivism
Power distance
Uncertainty avoidance
Masculinity
long term orientation
rentraint = indulgence
日本人と最も近いのはハンガリー人、次いでポーランド人。
最も遠いのはオランダ人、スウェーデン人。
born global firm
生まれながらの国際ベンチャー
新事業投資時のCriteria
小額投資をしつつ、不確実性を明らかにしていくReal option手法。
1、全ての不確実性を洗い出す。
2、上記を外生的、内生的に分類する。
3、それぞれの楽観ケースと悲観ケースを想定し、戦略オプションを検討する。
4、段階的な投資に基づいて、それぞれのケースの収益性を評価する。
5、事業開始後、洗い出した不確実性を定常確認する。
ドゥシュニツキー、レノックス「リサーチポリシー」2,289企業30年の調査で、CVC投資が多いほどイノベーションパフォーマンスが高まる。企業価値が高くなる。
理由1
DDの時点で技術を知る事ができる。
理由2
ボードメンバーになる事で、技術やビジネスモデルの情報を知る。
理由3
スタートアップの業績で事業の将来性を判断できる。
M&A
買収プレミアムについて、アメリカは平均35.6%、日本は平均19.9%のプレミアムが支払われている。
新興国が先進国の企業を買収する場合、平均16%のプレミアムを払っている。
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)
CVCはR&D予算の1-3%。