あらすじ
華やかな美貌で売る女優、出産前の身体に戻りたい主婦、完璧な男との結婚をねらうキャバ嬢、そして、独自の美を求め続ける資産家令嬢。美容整形に通い詰める4人は、どんどんエスカレートし、やがて「禁断の領域」にまで達する――。終わりなき欲望を解き放った女たちが踏み込んだ、美容整形という天国と地獄。その戦慄の風景、女の心模様に震撼する、美と恐怖の異色作!
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Posted by ブクログ
美容整形の話。一気読みしてしまった。すごく面白い!
女はやはり、いくつになっても「美」に気を遣っており、お金があるのであればシミを消したりたるみを無くしたり美肌になろうとしたりするだろう。
だが、一度タガが外れると最も戻すことが困難になるものが美容整形だと思った。YouTubeで美容整形を繰り返し、「サイボーグ」と呼ばれるようになった女性を見たことがある。美の基準は人それぞれであり、規定されたものではない。己の美を追求するために、美容整形を繰り返す女の姿は、一種の怪談ようにも思えた。
Posted by ブクログ
「かけら」を読んだあとに、美容整形繋がりで読んだ。
後味は悪い。
最後の留守電を聞くとゾッとした。
この小説の中の唯一の良心の姪がかわいそう。
Posted by ブクログ
4人の女性と整形外科医の5つの視点から書かれた物語。
女優、主婦、キャバ嬢、社長令嬢とバラバラだが美容整形に依存しているのはみんな同じであった。
この話ででてくる唯一“普通”の受付嬢の秋美が意外とキーになっていて、地味でありながら自然な美しさをもつ秋美を4人はみな羨んでいた。
美しい外見でチヤホヤされ幸せなのかと思いきや周りからの大きすぎる期待や妥協を許せない自分に苦しめられ、それがまた整形へ依存させていっていた。
美しいとは何か、何が幸せなのかを考えさせられる作品。
Posted by ブクログ
整形に狂う4人の女性と執刀医が主人公の物語。
とても読みやすくて1日で読破!
以前読んだモンスターは、「美しくなること」=男性に求められるための手段、といった内容があまり自分の感性とマッチしなかったので、女性が筆者であるこの本を読んでみた。
結局この作品に出てくる女性たちも男性に好かれるために手術を行なったり、挙句の果てに不倫までしたりであまり共感はできず…。
単に「男性にモテる」ことではなくモテることを通して父や過去にいじめてきた男性への復讐を果たすというところは面白いなぁと思った。
でも結局、整形に依存する根本的な原因が皆男性にあるということが不思議。
実際にSNSで整形に熱中する人のアカウントを見ていると異性というよりむしろ同性から認められる、憧れられることでステータスを獲得している人の方が多い気がする。
整形をはじめとした「美」への執着は異性よりも同性からの眼差しが発端となることの方が多いのではないかと個人的には思った。