あらすじ
「私、未来から来たの」。劇団「うさぎの眼」に所属する駆け出しの役者・和希の前に一人の美少女が現れた。彼女は劇団内で起きた殺人事件の容疑者を救うため、27年の時を超えて来たというのだ! 彼女と容疑者との関係は? 和希に近づく目的は? 何より未来から来たという言葉の真意は? 錯綜する謎を軽妙なタッチで描く青春ミステリ。
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Posted by ブクログ
劇団員の青年の元にやって来たのは未来から来たという少女。彼女の話は信じることも疑うことも出来るのが高ポイント。未来を変えるためというタイムトラベルものの禁忌に触れそうになるのに、つい引き込まれる。ラストの怒涛の展開も切なくて良かった。この作者の青春物は大好き。
Posted by ブクログ
主人公の語り口調とキャラたちの軽口でストーリーが進んでいくのでサクサク読み進めれた。タイムスリップの説明は一度では噛み砕けなかったが、「体験していない時間軸はあと一つ」と
「コンタクトレンズを探す君はこれからの君」の意味を考えて理解することができた。
ここからは個人的になタイムスリップの考察と感想になるので、自分なりの解釈が他の読者様の助けになればと思い書いておきます。
最後のタイムスリップをn回目とすると、「昨日この時代に来た」と言った侑里はn−1回目のタイムスリップで来たということになる。
そのn−1回目の侑里が体験していない時間軸とは、コンタクトレンズを探すことから始まり、殺されてしまうまでのn回目のタイムスリップ期間ということになる。このn回目のタイムスリップは名倉を追い詰めたn−1回目の侑里にとっては未来のことであるため、「コンタクトレンズを探す君はこれからの君」となり、同時にn回目で殺されてしまい時の旅の終わりがくるためn回目より前の時代にタイムスリップすることはなく「体験していない時間軸はあと一つ」となったと考えられる。しかし未来での侑里の生死には言及されなかったため、殺されたからタイムスリップが終わったのか、それともn回目で主人公と出会い名倉を追い詰めることができたことで誤認逮捕の署名活動が始まり、その後の未来で冤罪が晴れたためタイムスリップの当初の目的を果たしn+1回目のタイムスリップが発生しなかったのかまでは読み取れなかった。個人的には後者であり侑里のその後の未来が明るいことを願う。
Posted by ブクログ
the・SF青春物語!登場人物の優しく強い雰囲気は青春なんだけれども、その中に殺人事件やタイムスリップというと言うところはしっかりsf、ミステリーでした。私の頭ではタイムスリップの仕組みは正直理解できなかったのが残念です。。。
Posted by ブクログ
タイムトラベラーものは僕自身「夏への扉」位しか読んでいないというのもありますが、少し変わった設定で面白いと思いました。内容は突然現れた主人公を知るという謎の少女と直後に起きる殺人事件の真相調査。徐々に明らかになる少女の正体と目的、理不尽で絶望的な結末。ラストは切なくやりきれないが、読み終えた後の余韻は気持ちのいいものでした。
貫井徳郎さんと言えば推理小説。しかしなにも知らない私は本作が貫井さんデビューでした。慟哭や転生等を後に読みましたがやはり貫井さんはなんというか重厚な文章の小説が多く本作は結構異端な印象です。その分他の作品より読みやすかったとおもいます。
本作のテーマは青春恋愛、ミステリー、SFと三つあり、それぞれの割合が4:3:3といった印象。一つ一つに着目すると確かに物足りなく中途半端に感じますがこれらの要素が絶妙な案配でおりまぜられてるからこそ、読み終えたあと充実感があるのだと思います。前述した通り、それぞれの要素は弱いため、SFが読みたい、ミステリーが読みたいといったかたにはおすすめできませんが、さて次はどんな小説を読もうかと迷ったときなんかに読まれることをお勧めします。
Posted by ブクログ
幻冬舎文庫の「心を運ぶ名作100」で重版されたものを購入。
「慟哭」や「症候群」シリーズでしか作者を知らなかったので、軽く明るい文体に引きこまれた。
あとがきにもあったけど、徹底的に無意味な物語である。
結局歴史は変えられず、祐里は消えてしまう。
そのあがきにも見える必死さが次第に心を打つ。
理屈にはあわなくても希望を持ってしまう人の心のありようが切ない。
祐里がなかなか事情を説明できないわけが、圧倒的な孤独を伴って伝わってくるラスト。それを受け止める和希はひとつ成長するのだ。智美さんがもうちょっとガッツリ絡むのかと思ったけどそういうわけでもなかったのがちょっと残念。
Posted by ブクログ
急に難しいぞ、、ちょっとテネット思い出したよ。考えれば考えるほどわけわかんないぞ。現実は無慈悲…つらいなぁ、切ないなぁ。
このままおわらないでよ、、この後奇跡起きてくれるよね、、どうか希望あってくれよ、、無駄足だなんて、命まで失うなんてそんなことがあっていいわけない、、ハッピーエンドな後日談きかせてくれ、、