あらすじ
自分に移植された心臓は、ドナーの記憶を持っているのか? 移植手術を受けた大学生の和泉は、これまでとは違ってきた自分の趣味や嗜好に戸惑う。突然夢に現れた恵梨子という見知らぬ女性の存在も気にかかりながら心惹かれてゆく。やがて和泉は夢の記憶だけを頼りに、タブーであるドナーの家族との接触を図り、恐るべき近代医学の闇に直面する。
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Posted by ブクログ
心臓移植がテーマ
謎解きとしては微妙だけど、レシピエントの抱える課題とか、対象者の選択等社会的な課題をうまく織り交ぜて書かれている。
Posted by ブクログ
これは面白かった。☆4.5くらい。こういうの好き。
心臓移植でドナーの記憶まで移植されてしまう、記憶転移の話。東野圭吾の「変身」を思い出した。話は記憶転移にとどまらず、臓器保存にまで至り、さらにミステリ要素も含まれいて、読む手が止まらない。こういう本に出合うと嬉しくなる。
ドナー登録をすべきか、否か。。ちょっと悩まされた。
Posted by ブクログ
心臓移植手術を受けたら、もともと自分の持っていなかった趣味や能力が身についていた・・・。というのを発端に、自分のドナーを探り始める、という、まあ、割とよく見かけるテーマの物語。ドナーは誰なのか、そして警告を発してくるのは誰なのか、という謎はあるけれど、比較的ミステリー要素は薄いかな。ドナーにたどりついた後は、さらさらと流れていく感じ。移植手術と生命倫理などの重いテーマを扱いながら、雰囲気は青春小説で、読後感は爽やか。
臓器移植は、人工臓器が実用化されるまでの、過渡期の医療行為であり必要悪、という部分には考えさせられます。
また、人間の記憶や心はいったいどこにあるのか・・・。本当に、考えれば考えるほどわからなくなりますね。確かに、自分の主体が、ただの電気信号だとはあんまり思いたくありません。非科学的なんだとしても。