あらすじ
鬼才歌人と異才画家、渾身のコラボ歌集。
2001年の刊行時、短歌界の内外にセンセーションを巻き起こした問題の歌集が電子化。キャバクラ嬢「まみ」と、やっぱりキャバクラ嬢であるその妹の「ゆゆ」、そしてウサギの不思議なトリオの、詩的でほわほわしていて乱れていてストイックな生活と、まみとゆゆを巡る恋人や友達や隣人たち、そして切なくふるえるまみの心、愛、祈り。
手紙魔「まみ」は「ほむほむ」こと歌人穂村弘に大量の手紙を送り、穂村弘はその手紙の中のフレーズを変形させて使ったり、そこからインスパイアされてまったく違う短歌をつくりだしたりしつつ、「手紙魔まみ」という、実在するくせに虚構でもあるあやうい存在を歌集の中に生成する。
装丁・挿画には、センシブルな若い女性に熱烈なファンを持つイラストレーター、タカノ綾(カイカイキキ所属)を起用、ポップでキッチュな部分とはかなさや切なさのあやういバランスを、ビジュアル的にも訴求する。
【ご注意】※この作品はカラーイラストが含まれます。
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Posted by ブクログ
短歌という危険物。
一般的に「自分の心情」を描くことが原則とされる短歌。しかし、逆に「架空の人物の心情」を描いた怪作。
大塚英志著『キャラクター小説の作り方』で紹介されていたので読んだ。手紙魔まみという架空のキャラクターの心情を描いた短歌集というのは理解できるが、短歌の意味自体は理解できないものが大多数だった。だがこういう詩集は少しでも理解できたり、心に響いたりする作品があれば良いものなのかも知れない。
詩集に登場するキャラクターまみはかなりの電波少女だ。常人には理解できない感性を持っている。だがそれがいい。