あらすじ
寛政の改革から爛熟の化政文化へ――御三卿の一橋家から思いがけず将軍となり、53人もの子をなし、孝心篤く実父治済(はるさだ)と自身に官位を望んだ家斉。政治の実権を握っていた松平定信を追い落とし、老中首座となった水野忠成(ただあきら)とともに舵を切ったインフレ政策の先見性と思わぬ陥穽(かんせい)。目から鱗が落ちる歴史小説。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
小説としてのエンターテイメントを求めるのであれば少し退屈かも知れませんが、専門書顔負けの情報量をベースとした本格的な歴史小説。
歴史愛好家であれば絶対に読む価値があると思います。
幕末の官僚制
サブタイトルは正確ではなく、家斉の生涯と言うより、家斉の時代を支えた老中等の官僚たちの実態を描く。
田沼意次、松平定信、水野忠成、水野忠邦が骨格で、彼らにまつわる人々な事件を描いて、
当時の幕府の政治の実態を浮かび上がらせる。
特に賄賂政治の権化のような水野忠成の、全く知らない一面が分かって、とても面白い作品です。
Posted by ブクログ
家斉はなぜ在任最長の将軍になれたか?本書から読み解く答えは「健康で楽しく過ごしたから」。田沼、松平の権勢に押されて、やることないから女狂いに走り、気づけばもうけた子供は53人。しかしこれも健康だからこそできたこと。そして家斉を最も支えた老中の大役が子供の将来の世話というから、まるでジョークのような話。それでも贅沢ができ、薩摩・長崎問題で15万両の赤字を出しながらも、徳川最後の黄金期を築けたのは立派としかいいようがない。
Posted by ブクログ
11代将軍・家斉の治世をリアルに描いた作品
家斉とその老中・水野忠成(ただあきら)にスポットが当たった感じだった^^
家斉は時代モノでよく舞台とされる時代の将軍であるため
時代モノ好きな方ならば 面白く読めると思います^^
なかなかこういう切り口で 書いてる作品は少ないと思うので新鮮な感じしますね
それでいて 歴史書読んでるように堅苦しさはないのが◎