【感想・ネタバレ】華族 近代日本貴族の虚像と実像のレビュー

あらすじ

明治維新後、旧公卿・大名、維新功労者などから選ばれた華族。「皇室の藩屏」として、貴族院議員選出など多くの特権を享受した彼らは、近代日本の政治、経済、生活様式をリードした「恵まれた」階級のはずだった。日清・日露戦争後、膨大な軍人や財界人を組み込み拡大を続けたが、多様な出自ゆえ基盤は脆く、敗戦とともに消滅する。本書は、七八年間に一〇一一家存在したその実像を明らかにする。巻末に詳細な「華族一覧」付き。

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Posted by ブクログ

華族に関する入門書として最適だと思います。
華族関連書籍は概ね気合が入りすぎているからか、やたらと資料や込み入った解説が多く
結局なんだったのか分からないといってことに陥りがちだったと思います。

しかしこの本は裏づけとなる数字や資料、またその解説の程度が
華族に対する特別な知識のない人間にとってまさに絶妙の配分、難易度なのです。

華族ってどんな人たちがなったの?
華族ってお金持ちだったの?
華族って何人いたの?
公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の違いってなに?
↑それぞれ何人くらいいたの?
華族のその後ってどうなったの?

などなどの疑問に答えてくれるニュース解説の池上さんみたいに親切な一冊です。

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2011年07月15日

Posted by ブクログ

『ホタルの嫁入り』を読んで、華族のことがもっと知りたくなり手に取った本。華族入門書としては最適でとても分かりやすく書かれていた。
華族を一言で説明すると、「皇室の藩屏」である。

華族については、明治維新によって身分を剥奪された大名たち、明治政府の実験を握った薩長の武士たちが自分たちの地位と名誉を守るために設置した身分制度と思っていたが、概ね合っていた。
私の認識で抜けていたのは、華族の中には公家もいたということ。日本の歴史上、公家と武家というのはお互いに対立し、いがみ合っていた存在。時には協力することもあったが、それはお互いの利害が一致している時のみ。

そんな公家と武家とが一緒くたに華族となったものだから、設立時から一枚岩ではなかった。特に公侯伯子男と5段階の身分制度を設けたことで余計に混乱を招いた。

また、華族制度については、「無為の徒食者」と一般大衆からの批判も強かった。意外だったのは「天は人の上に人をつくらず」を説いた福沢諭吉が華族制度を肯定していたこと。華族は皇族と連なる高尚なる家柄であり名声も資産もあるので、軍務につかせ国民の先頭に立たせることが国家のため華族のためになると説いた。
逆に言うと皇族とは何の関係もない下級武士の勲功や資産家あがりの華族たちには否定的であった。

華族制度に真っ向から批判したのは、あの板垣退助。皇室と国民の間に華族なる特権階級を置くことで、かえって国民と皇室の距離があいてしまうと主張した。

様々な批判を浴びながらも、華族銀行の設立や軍務免除などの特権を得て、明治大正昭和と時代が流れるにつれ華族は肥大化していった。この間の戦争で軍功を上げた者も家柄に関係なく華族に加わった。

もともとが脆弱な基盤だった華族制度が肥大化によって更に混乱を招いたといえる。
そして迎えた太平洋戦争と敗戦。意外にもGHQは華族制度を残す方向で考えていた。しかし、日本の衆議院議員がこれに反対。もはや西洋は貴族と平民という対立構造ではなく、資本家と労働者という対立構造にうつっている。華族制度はもはや時代遅れであると主張した。
時代の流れに逆らえず、貴族院で華族制度廃止が可決され、華族は消滅することとなる。

当初からの使命「皇室の藩屏」として、自らと引き換えに天皇家を残したともいえる。

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2026年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
明治維新後、旧公卿・大名、維新功労者などから選ばれた華族。
「皇族の藩屏」として、貴族院議員選出など多くの特権を享受した彼らは、近代日本の政治、経済、生活様式をリードした「恵まれた」階級のはずだった。
日清・日露戦争後、膨大な軍人や財界人を組み込み拡大を続けたが、多様な出自ゆえ基盤は脆く、敗戦とともに消滅する。
本書は、七八年間に一〇一一家存在したその実像を明らかにする。
巻末に詳細な「華族一覧」付。

[ 目次 ]
序章 イメージとしての華族―鹿鳴館を彩った人びと
第1章 華族の成立
第2章 「選ばれた階級」の基盤構築
第3章 肥大化する華族―明治から大正へ
第4章 崩壊への道程―大正から昭和へ
終章 日本的「貴族」の終焉―敗戦・戦後

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年03月28日

Posted by ブクログ

皇室の藩屏として、明治入り後に造られた特権階級。ただし、その出自は公家、大名、維新功労者、資産家、軍功者と多様で一体性を欠いていた。

例えば、資産においても大大名と公家では大きな格差があったというのは興味深かった。

昭和前期は、政党が力を失う中で軍部以外に華族も政治の中心におり、「貴族政治」ともいえたというのは自分にとって新しい視点だった。

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2016年12月07日

Posted by ブクログ

明治から始まった華族制度。
そして、太平洋戦争終結後に廃止。
その全貌が網羅されている。
遅れてきた貴族たち・・・という感じがする。
しかし、考えてみれば、各地のお殿様や、公家たちが、明治維新と同時に平民になる・・・というのも抵抗があったのかなぁ。。。
そういうワンクッションを置かなければまた、近代化も進まなかったのかもしれませんね。
それにしても、経済難などで苦しんだ華族の歴史を見ると、なんともあわれですね。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

日本にかつて存在した特権階級華族の解説書。
一言に華族と言っても、その出身は武家・公家・軍人・朝鮮王族と様々で、
また地位も最高位の公爵は10家あまりしかないが、
男爵や子爵はたくさんあった。
出身が様々なように、
解体にあたってもやはり様々な終わりが華族の数だけ存在する。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

やっぱりこれは金子絡みで読んでおかないとね、と思って買った一冊。華族の成り立ちから政治、経済、家と体面の維持などなど参考になります。サブタイトルにも在るとおり、案外華族って大変。商人から成功して財閥とか作った人達の方がよほど良い生活してる感じです。

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2009年10月04日

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